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不条理音盤委員会 228 Clan of Xymox 「Clan of Xymox」
- 2005/11/17(Thu) -
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オランダの電子的耽美系ユニットClan Of Xymoxの1985年に発表された1stアルバムです。Ronny MooringsとAnka Wolbertの2人を中心としたこのユニットは一聴するとシンセ中心の打ち込みの音に思えますが、サウンドの隙間から漏れてくるアコ・ギの音色が曲に深みを加える一方で、極端なベースのフレーズからはパンクやクラウト・ロックの影響も微かにうかがえるような気もします。共同プロデューサーに4ADのオーナーIvo Watts-Russell、ミックス・ダウンのエンジニアにJohn Frayerを迎えたこの作品は23Envelopeの美しいジャケット・ワークに相応しいいかにも4ADらしい音に仕上がっています。ノイジーなギターとシンセ・ドラム(シモンズ?)のロールのアンバランスさが奇妙な感覚の「A Day」から始まり、Ultra Voxを連想させるヨーロピアン的な「No Words」、シンセ・ベースの使い方とメロディー・ラインがDepeche Modeに似ている「Stumble and Fall」、ゴシック風のメロディー・ラインにまたもや打ち込みのリズムのアンバランスさが意外なほど耳に残る「Cry in the Wind」、不安感を煽り立てるようなテンションのキーボードがメインの「Stranger」、逆に美しいシンセのサウンドを背景に涙がこぼれるようなナイーブで繊細な歌が聴かれる「Equal Ways」、透き通った女声ヴォーカルにラディカルなベースとビートが交錯する「7th Time」、さりげないアコ・ギのコード・カッティングを含めたパステル・タッチの「No Human can Drown」、Joy Divisionのパクリと疑われても反論できそうにもない「Muscoviet Musquito」、ダンス・ビートを導入して原曲をズタズタに解体した「Stranger remix」、John Foxx脱退直後のUltra Voxそのまんまの「A Day remix」まで、シンセの音色や打ち込みのパターンも特に凝りに凝りまくっているというわけでもなく、オリジナリティーという部分でも若干希薄な面も指摘されるのですが、よく比較されているJoy DivisionやThe Cureよりは荒削りながらも攻撃的な音作りをしているという印象があります。また決して上手くはないのですが、闇の底から響くような低音のヴォーカルも魅力的だと思います。
YMOのことを意識しているのか、それともアンチYMOなのか、YMOの左右にバッテンにも見えてしまう「X」が二つというグループ名の不思議さへの疑問は未だ持ち続けているのです。

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/3334/summary.html

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