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不条理音盤委員会 110 スコット・ロス「スカルラッティ・ソナタ選集」
- 2005/06/07(Tue) -
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ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)は、ナポリ学派の重鎮であったアレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725)の6男として生まれました。奇しくもこの1685年にはバッハ、ヘンデルも誕生しているのですが、その作品の殆どがドイツやフランスには伝わらないまま終わったために一般の方々にとっては知名度的には低いと思われます。ドメニコ・スカルラッティの業績としてはは器楽音楽、とくに鍵盤楽器の分野で大きな貢献を果たし、殆ど独力で鍵盤の演奏技法を編み出し、《近代的鍵盤楽器奏法の父》とも呼ばれています。彼の作品としては555曲にも及ぶチェンバロ・ソナタ集が知られていますが、彼自身はエッセルツィーチ Essercizi(練習曲)と呼んでいたこれらの小品は、スペイン王妃マリア・バルバラのチェンバロ教師としての職務の一環として作曲されたものと推定されています。1729年に出版した《チェンバロ練習曲集》の序文には「これらの作品のうちに深刻な動機でなく、技術的な工夫をこそ見て欲しい」と記しています。無論これはドメニコ・スカルラッティのチェンバロ奏者としての自負であって、その曲に示された曲のモチーフの多様性には目を見張るものがあります。
彼のソナタ集の演奏としてはピアノ盤は数知れずありますが、チェンバロで演奏されたものとしてはクリストフ・ルセ、トレヴァー・ピノック、ケネス・ギルバートのものが挙げられます。しかし、やはりドメニコ・スカルラッティのソナタ全曲を録音したスコット・ロスの演奏はスカルラッティの真髄を追及した名盤ではないかと思っています。ここで写真に挙げた音盤は彼の全曲録音からの選集なのですが、バロック音楽の演奏・解釈の第一人者として、学究肌のスコット・ロスがスカルラッテイの意図した躍動的なリズム感やアルペジオ・装飾音の自由な使用法、あるいはカスタネットを思わせる同一鍵盤の急速な連打、音程の大きな跳躍などの、バロック期にはあまり見られない非常に新しいテクニックをそのまま現代に再現させています。またスカルラッティがスペイン王家のチェンバロ教師だったということもあって、モチーフにイベリア半島という、強くアラブの影響を受けた土地の音楽、ボレロやファンダンゴ、セギディーリャといった、民族色の濃いスペイン・ポルトガル特有のリズムや旋律の影響があるのですが、その部分もロスは全体のバランスに配慮しつつ、スカルラッティの感性的な驚きをたくみに表現しています。ロスの演奏技術が高度なのは言うまでもありませんが、チェンバロという楽器上多少尖った音になってしまうという欠点すら彼は克服してしまったような、そんな優しい響きにあふれている一枚だと思います。
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