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不条理音盤委員会 473 Alexandre Stellio 「Paris – Biguine」
- 2007/03/02(Fri) -
WCCD41016.jpg


こういうアルバムが国内で発売されるということは大変嬉しいことです。
Alexandre Stellioはマルチニク諸島出身のクラリネット奏者兼作曲家で、俗にBiguineの父と称されていて、80年代後半から90年にかけて流行したワールド・ミュージック・ブームの折に国内でも紹介されたKALIやMalavoiのメンバー達がもっとも尊敬し、影響を受けたアーティストとされています。煙草のCMで流れていたバンジョーが印象的だったKALIの「Conversation」や「Ti Citron」を記憶している方もいると思いますが、それらの曲を作ったのがこのAlexandre Stellioなのです。彼の演奏はいくつかの編集盤で聴くことが可能でしたが、今回オルター・ポップから発売されたこの作品は1929年10月の処女録音から、1931年11月までの録音を録音順に40曲収めた2枚組で、渡仏前後のまだ洗練されていない時期の野性味あふれるクラリネットを中心としたビギンやマズルカ・クレオールの演奏が収められています。
彼の演奏していた、ビギンとは19世紀中頃にハバネーラやカドリーユといったヨーロッパ系の舞曲とアフロ=カリビアン的なリズムが融合してできたもので、そのエキゾチックな魅力のために1920年代後半のパリのダンス・ホールでは一躍大流行したようです。30年代になって彼をはじめとする幾人かのマルチニク出身のアーティストが渡仏したことによってビギンは黄金時代を迎えました。折からその頃パリに滞在していたCole Porterがその熱気に魅入られて名曲「Begin The Beguine」を作曲したというエピソードは有名ですよね?もっともPorterの曲は名前こそビギンですが、ボレーロに近いパチもんなのもまたご存知だと思いますが。。。。
とにかく、このアルバムではAlexandre Stellioと彼が率いたSon Orchestre Creoleの演奏がたっぷり楽しめますが、彼の奏でる素朴で人懐こく、時には踊るように、時には物憂げに響く美しいクラリネットの音とシンコペーションを利かせたアンサンブルは洗練されていない時期のものとはいえ、どこか品の良さのようなものを覚えます。特にピアノの伴奏をともなった曲ではそのリズムの跳ね具合はラグ・タイムに近く感じられます。初期のラグ・タイム系の有名ミュージシャンの中にもマルチニク出身者が多かったらしいので、クレオール音楽としてビギンとラグ・タイムは兄弟のようなものだったのかもしれません。そういったことを念頭にいれながら聴くとまた違った味わいも出てくると思います。
SP盤からの復刻なので音質的には厳しい部分もあるとは思いますが、そんなノイズの彼方から聴こえてくるダイナミズムというか、生命の鼓動のようなものを感じる不思議な感触のアルバムだと思います。
安らぎたい方は是非一聴してみてください。

試聴音源はこちらから
http://www.metacompany.jp/cd/alterpop/WCCD/WCCD41016.html


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コメント
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>ころんさん
・・・これはこの方面が好きな人は一家に一枚でしょうね。今回始めて聴く曲も多く、このままリイシューが進めば彼の音源は全て聴けるようになりますね。マラヴォワもGD時代の音源が編集されていますが、初期の頃はマズルカ・クレオールというよりはチャランガに近い演奏でしたよね。本当にカリブ周辺の音楽もまた興味がつきません。
2007/03/03 00:20  | URL | 片桐真央 #-[ 編集] |  ▲ top

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おおっ、凄え!アレクサンドル・ステリオの復刻盤なんて!!こんなブツが発売されていたんですね。全然知りませんでした。随分前に発売された復刻アルバムは1枚持っていますが、この2枚組は必携でしょう。何としても入手しなければ!

ステリオの優美な野性味溢れる音楽は、本当に素晴らしいと思います。それを現代によみがえらせたのがマラヴォワの「ジュ・ウヴェ」だったりカリの「ラシーヌ」だったり。興味は尽きないですよね。
2007/03/02 18:27  | URL | ころん #-[ 編集] |  ▲ top


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