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不条理音盤委員会 599  Öykü & Berk 「KISMET」
- 2009/01/16(Fri) -
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トルコ在住のBerk Gürman(g)さんと Öykü Gürman(vo)さんという美男美女であり双子でもあるデュオの1stアルバムです。パコ・デ・ルシアに憧れてギターを習い始めたというBerkさんとトルコの古典的な伝統声楽を学んだÖyküさんが生み出した音楽は伝統的なフラメンコの形式に沿って作られたオリジナル・ナンバーがメインなのですが、やはりチュルク文化というか東西文化の懸け橋たる土地というべきか、その出自を感じさせるようなミクスチュアーな感覚にあふれたフレーズが随所に織り込まれた素晴らしい一枚に仕上がっています。Öykü さんの節回しは陽気なラテン・テイストにとどまらず煌びやかで華麗なアラベスクを思わせるような歌心を感じますし、Berkさんの奏でるギターの音色も時にはウードっぽく、時にはサズっぽく響いてくる瞬間があって、そういった伝統に基づいたアイデンティティをしっかり見据えたうえで、外部に向けた視点を混淆させていく展開に深い味わいを覚えるような気がします。
もっとも片桐としてはポップ・フラメンコやルンバ・フラメンコがどのように展開されてきたかという点についてはあまり詳しくないので、果たしてこのアルバムがフラメンコという観点から見た場合の評価というのは定かではありませんが、とにかく流麗なカッティングを刻み続ける中で前述したように多くの文化のエッセンスを溶け込ませたようなBerkさんのギター、時には明るく、時には陰影や哀愁・憂いのようなものも美しく表現していく二人のヴォーカル、あるいは地中海沿岸のみならず、カリブの香りさえも漂ってくるリズム感やロック・テイストの導入といったように、かなり複雑な要素を取り込みながらのパフォーマンスではないかという印象はあります。新機軸云々とかは言いませんが面白い試みであると思います。

試聴音源は彼らのHPから
http://www.oykuberk.com/


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コメント
- Re: タイトルなし -

>ころんさん
>まずは左でギターを弾いているのが素晴らしい!…というわけではないのですが、左利きには親しみが持てるところであります。
…そう言えば、ころんさんも左利きでしたっけ?
片桐は左利きのベースというだけで某カブトムシ集団のコピー・バンドに参加させられたことがあります。ちなみに次男も左利きです。

> アラブ・アンダルース音楽にはとても興味がありまして、このミクスチャー感覚は非常に面白いと思うものの、東南アジア・ジャンキーのワタクシにはなかなか手が出せない分野であります。
…ま、こっちはつまみ食いなので、何でもありです。

>まあ、金銭的な理由ですけれども。
…それを言ったら終わりでしょう(爆)。
2009/01/19 06:24  | URL | 片桐真央 #-[ 編集] |  ▲ top

- -

試聴しましたが、これは良いですね!まずは左でギターを弾いているのが素晴らしい!…というわけではないのですが、左利きには親しみが持てるところであります。

アラブ・アンダルース音楽にはとても興味がありまして、このミクスチャー感覚は非常に面白いと思うものの、東南アジア・ジャンキーのワタクシにはなかなか手が出せない分野であります。まあ、金銭的な理由ですけれども。
2009/01/18 21:49  | URL | ころん #-[ 編集] |  ▲ top


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