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不条理音盤委員会 422 Avarus 「Jattilaisrotta
- 2006/10/03(Tue) -
酸辣湯麺のみならず、中華料理が得意だと思われる麗しの美女パイクマンさんに触発されて最近はフィンランドにはまっている片桐です。
氏族共同体から部族共同体を経て、一つの民族的集団が形成されるに及んで一つの共通認識が発生するのですが、そういった後天的・非遺伝的な文化・社会を共有する集団がその形態を維持するには何らかの内因と外因が絡み合って現代まで存続してきたというのは言うまでもありませんが、時折民族はご都合で集まっているだけという論を唱える人もいて、そういった人はフィン族が2000年かけて中央アジアから現在の地に移住してきたのをどうやって説明するのでしょうか、とついつい疑問に思ってしまうのであります。

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というわけでThe AnaksimandrosとPylonのメンバーによって2001年に結成されたフィンランドのAvarusの「Jattilaisrotta」です。この作品は昨年発表されたものらしいのですが、民俗楽器を駆使した特異な展開をみせるトライバルでサイケデリックな作風は、まさに・エクスペリメンタル・フォークといった趣きで、よくあるエスノ風サイケデリックとは一線を画したような密教にも通じるようなリチュアルな雰囲気を兼ね備え、さしずめAmon Duul の「Phychedelic Underground」の中央ユーラシア的解釈ともいえるディープな世界を形成しています。インド風の擦弦楽器(サーランギ?)とポコポコ鳴るパーカッションが耳に残る「Snoopysnoop Snooberson」から始まって、オスマン・トルコの軍楽隊か長崎の蛇踊りを連想してしまうにぎやかな「Donkkaavaräppäävä Kaalikoira」、間のびしたような笛の音がメディテーショナルな「Iso Lääkelaiva」、音響処理を重ねた各種楽器の音が交錯するスペイシーにも感じるような「Itu Kurkistaa Mullasta」、ジャーマン・サイケの色彩が濃い 「Herra Ykkönen」、もしかしてこれはブルースか?と思わせるようなフレーズが飛び交う「Amurin Hiuskolmio」、ノイズとミニマルが合体したような「Ahdistava Haisemisen Loordi」、エスニックなシューゲイザーといった雰囲気の「Prinssi Halonen」、各種の弦楽器が錯綜する中、女性のスキャットが天空を舞う「Välivääpelin Välikäpy」、インダストリアルっぽい金属的なパーッカションが打ち鳴らされる「Joutsenkivi Not’sissa」まで白昼夢のような音が繰り広げられているのですが、虚ろな女性ヴォーカルといい、霞がかった音響処理といい、ついついAfter Dinnerの「Glass Tube」やカジモトの「真昼」といった日本のプログレを思い浮かべてしまうのでありました。ちなみにこのアルバムはAmazon.co.jpでも売っていたりするのであります。

リリース元のSecreteyeのHPはこちらから
http://www.secreteye.org/se/avarus.htnml
試聴音源はこちらから
http://www.cduniverse.com/search/xx/music/pid/6870016/a/Jattilaisrotta.htm
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