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不条理音盤委員会 532 Radioaxiom 「A Dub Transmission」
- 2007/08/09(Thu) -
時々ハントン・ライスが食べたくなる。
といっても、元々石川県金沢方面独特の洋食メニューなので、当然のごとく奥州でそれをメニューに載せている店は無い。と、なれば自分で作るしかない。いろいろとバラエティに富んでいるこの料理の中でも個人的に好きなのはバター+パブリカで炒めたご飯と海老フライにタルタル・ソースといった組み合わせで、勿論海老フライは自分で揚げたほうが美味しいのには決まっているのだが、大抵は発作的に食べたくなるので、近くの惣菜店で買ってくる羽目になってしまうのである。

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というわけでBill LaswellとJah WobbleがコラボレートするとRadioaxiomという名義になるわけなのだが、大体にしてこの二人がコラボすること自体が反則技であろう。流れてくる音はもう究極のダブ・サウンドであって、Jah Wobbleが奏でる例の如き野太い地を這うようなベースラインの上にBil Laswellとゲスト陣が様々な要素の音楽のエッセンスを次々と振りかけていくわけなのだが、メインとなっているインド風のフレーバーのせいなのか瞑想に浸ってしまうような幻想的なサウンドは実質的にはトランシーなチル・アウトにすら思えてくるのである。Nils Petter Molvaerのトランペットをフューチャーし、深いボトムのベース・ラインと共にスピリチュアルな雰囲気さえ漂わせた「Subcode」、軽快なタブラを従えてEjigayehu "Gigi" Shibabawがアフロっぽいヴォーカルを聴かせる「Alsema Dub」、ジャズのグルーブ感をそのまま音響工作に移行させた「Virus B」、Graham Haynesのコルネットにオリエンタル風のメロが絡んでいく「Orion」、お洒落なジャズ・フュージョン風に仕上げた「6th Chamber」、ヒップ・ホップのリズムを借用し、NeilとGrahamの2本のホーンが自由自在に空間を闊歩する「Alam Dub」、小刻みなリズムを重ねてダブ処理した「Second Sight」まで、とにかく出てくる音が上下左右、変幻自在に飛び交うといったものでそのあまりにもの音の拡散具合に幻惑されてしまい、自らが虚構の空間に立っているのではないかという誤解を覚えてしまう、ある意味極めて非現実的な色彩が濃いアルバムである。
こんな偏執的なまでの音響空間に包まれて、愛しい女に身を委ねるというのが真の贅沢なのかもしれない。

試聴音源はこちらから
http://www.cduniverse.com/search/xx/music/pid/2098506/a/Radioaxiom:+A+Dub+Transmission.htm


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コメント
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>goglemanさん
>あまりにも音が予想できるので買ってませんけど(汗
>俺たちこんなもんいくらでも作れるぜといった余裕を感じます。
・・・あはは、こうなってくると二人とももう手癖で作っているという感じはありますね。
やはりこのアルバムの主役はNils Petter Molvaerさんのトランペットでしょうか。この人名義の作品はクラブ系人種にとっては必聴かも。。。。。
2007/08/11 07:31  | URL | 片桐真央 #-[ 編集] |  ▲ top

- -

このアルバムは店屋で何度か見かけましたね。あまりにも音が予想できるので買ってませんけど(汗
しかし聞くところやっぱり渋いですね。俺たちこんなもんいくらでも作れるぜといった余裕を感じます。
書かれてるように贅沢な雰囲気もありますね。大人サウンド?安く見つけて買います。
2007/08/10 23:19  | URL | gogleman #-[ 編集] |  ▲ top


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