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不条理音盤委員会 514 Steve Reich 「Music for a Large Ensemble」
- 2007/07/02(Mon) -
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ミニマルな音に魅入られる瞬間があったりする。
バリ島のガムランは勿論好きなのであるが、青銅製のゴングの煌びやかな音を欲する時もあれば、竹製のジュゴクやアンクルンのアンサンブルの方を好む時がある
多分にそのときの気分にもよるが、憂鬱な時に偶然聴こえてくる雨粒が滴り落ちる音は癒しにもなったりする。
そんな音を紡ぐ作曲家の中でもSteve Reichが好きである。
彼の作品の多くが人間による演奏で成立している。無論テープ・ループを使用したものもあるが、大抵は実際の演奏でテープ・ループに近いようなことをやっているのである。ある一つのフレーズを延々と繰り返していく中に、他のフレーズが絡み合い、交錯を経て徐々に複雑なものに変容していくのであるが、そこにはReichが学んできたガムラン音楽やアフリカン・パーカッションの影響を感じ取るのは容易である。音楽的な体系を借用するのみならず、このタイトル曲で使用されているマリンバやザイロフォンの音色や雰囲気もそういったものに通じるような気がする。丁寧に配列されたフレーズが飛散しながら重層化した音を次々と大気に放出するさまは美しいとしか言いようがない。
知的な音の遊びといえば、ここに収録されている「Violin Phase」がそうであろう。一人の奏者が奏でる一定のフレーズに、あらかじめ吹き込んだ違うパターンの演奏が加わっていき、テープから流れる固定化されたフレーズに、自分が弾いているフレーズを微妙に変えていきながら、様々に移り変わるフレーズ・パターーンを堪能できるというわけだ。この手法は「Drumming」や「木片のための音楽」「手拍子のための音楽」といった彼の他の作品でも楽しめる。
静かに蓄積されていくストレスを除去してくれるような音楽なのかもしれない。

一応試聴できます
http://www.amazon.co.jp/Steve-Reich-Octet-Ensemble-Violin/dp/B0000261I7

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コメント
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>goglemanさん
・・・・「MUSIC FOR 18 MUSICIANS」も手法としてはこのアルバムの作品と変わらないのですが、人数が多い分賑やかに聴こえて、ミニマル的な美しさが味わえないという欠点が少々あるような。。。。
個人的にはReichの音楽って、人力ドラムン・ベースの元祖のような気もします(笑)。
2007/07/03 22:38  | URL | 片桐真央 #-[ 編集] |  ▲ top

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こんばんはーライヒは有名な(と思う)"MUSIC FOR 18 MUSICIANS"しか持ってないんですけど、そんな私でもこれはいかにもライヒ節だな、と短い試聴音源ながら思いました。
一曲目のザイロフォンでしょうか?その響きはたしかに美しいですね。
ガムランから影響を受けてるんですか、なるほど。
2007/07/03 02:04  | URL | gogleman #-[ 編集] |  ▲ top


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