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不条理音盤委員会 511 Gaby Kerpel  「Carnabailito」
- 2007/06/27(Wed) -
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Prefab SproutとDurutti Columnをこよなく愛するmattsmoodさんのところでも紹介されていたアルバムです。
アルゼンチンの過激パフォーマンス集団デ・ラ・グァルダの「Villa Villa」の音楽を担当していたGaby Kerpel氏の1stソロ・アルバム「Camabailito」はエスニックな要素とエレクトロニクスを融合させたキッチュな感覚に満ちたトイトロニカ風の作品に仕上がっています。元々父親の影響もあってロック・バンドから音楽的なキャリアをスタートさせたようですが、表現の幅を拡げるために前衛パフォーマンスや映画音楽に徐々に関わっていくようになったとのこと。彼が言うには、とくに民俗音楽的なものには関心や興味はなかったらしいのですが、リズムの組み方やメロディ、使用楽器(サンプリング?)に至るまで南米独特の郷愁があふれているように感じられるのは、彼の企てたヒプノティックなサウンド・ワークの術中にまんまとはまってしまったということでしょう。
とぼけたような歌声と共に似非っぽいフォルクローレ風のメロが聴かれる「Sé que no Vas a Volver」、テープの逆回転のようなループ・サウンドが幻惑の世界に導く(アフロっぽい雰囲気あります)「Herías sin Herir」、祈りを連想させる「Seguís Sin Volver」、パーカッションやストリングの絡ませ方がインドを意識したかのような「Deseo y Culpa」、 呪文のようなヴォイスにムーディーな木管系の音が重なる、ちょっと不安を煽り立てるような「Budapestation」、XTCがオルタナ・ロックをパロディー化しているような「Xplicámelo」、ホーンも挿入される割とストレートなラテン・ロック調の「Cada Vez que la Visita」、Steve Reichのミニマル的な手法そのままに短い言葉が幾度となく繰り返される「Casi te Canto」、幼女?が呟きに近いような歌を聴かせる不可思議な「Gabytok」、軽やかなヴァイオリンとマリンバ風のシンセの対比が色鮮やかな「Toritos」、乱打される鳴り物がギクシャクとしたリズムで畳みかけてくる「Sintenerte」、 人力ブレイク・ビーツ+ボサ・ノヴァといった「Carnabailito」までポップさと実験性が適度に入り乱れた極めてひねくれ系の音に仕上がっているのですが、その至るところに見え隠れする光と影の絶妙なバランス加減の中に、ラテン・アメリカ諸国が背負っている宿命のようなものを感じ取ることが出来るのではないかとも思います。一種の試金石のような作品だという印象もあります。。。。。

試聴音源はこちらから
http://www.cduniverse.com/search/xx/music/pid/6134502/a/Carnabailito.htm



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