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不条理音盤委員会 507 Yes 「Drama」
- 2007/06/21(Thu) -
その店は商店街の一角の雑居ビルの地下1Fにあった。
地方都市にしては割と洒落たセンスだったと思う。
その人と会うときは大抵その店だった。
今は珈琲と言えばモカ・マタリなのだが、当時はその店の深煎りされたマンダリンの苦味と酸味のバランスとコクの豊かさにハマっていたのである。もっとも珈琲よりは紅茶が好きなその人はいつもアール・グレイを飲んでいた。

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Yesの「Drama」というアルバムはプログレ好きにとって踏み絵のような作品である。もちろんJon Anderson不在で、その代わりにTrevor HornとJeff Downesが加わったという点である。
確かにJonの持っていた叙情性やリリシズムのようなものは欠如しているだが、The Bugglesの二人が持ち込んだポップなアプローチと従来のスリリングでテンションの高い曲のダイナミズムがうまくまとめあげられていると思う。
Steve Howeが水を得た魚のようにギターを弾きまくる重厚なテクノ叙事詩の「Machine Messiah」、The Bugglesのアルバムの中に入っていても不思議ではないポップな小品「White Car」、ドラムの音とベースに導かれて絡みつくシンセサイザーの煌びやかな音が従来のYesの持っていた荘厳さや重厚さというイメージを見事に払拭したような感のある「Does it Really Happen?」、NWにも通じるようなクリアな音に処理されたテクノ・プログレの「Into The Lens」、従来のスタイルを同時代的に再現させた立体的な音の展開が素晴らしい「Run Through The Light」、ストレートなリズムにメロディックなフレーズが絡み合いながら徐々に昂揚感を沸騰させていく「Tempus Fugit」まで、多少大仰に作りこまれた音の背景には明らかにToToやJourneyといったアメリカン・ハード・プログレ、ひいてはコマーシャリズムを意識していたのではないかとも思わるのだが、その独特の電子音とS.Howeのギターの組み合わせによる浮遊感のようなものが心地よいと思うのである。
「私としてはSteve Howeのギターが聴こえてくるだけでYesだと思うんだ。」
その人は制服のリボンを弄びながらポツリと言った。
そんな言葉を裏切るかのような「Owner of Lonely Heart」でYesが世界的にブレイクするとは夢にも思っていなかった頃のひとコマである。

試聴音源はこちらから
http://www.amazon.co.jp/Drama-Yes/dp/B000002J23

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コメント
- -

>francofrehleyさん
・・・以前も言ったとは思うのですが、片桐もYESの中では一番好きな作品です。一つのターニング・ポイント的な意味もあるのかもしれないのですが、それがかえって効果的に彼らの魅力を発揮させたのではないかと思います。

>この作品でのSquireとHoweのがんばりはすごいですね
・・・「俺がYESの屋台骨を支えているんじゃ!」という妙な気合のChrisと、「やったぁ~、自由に弾けるぞ!」という喜色満面のSteveというところでしょうか。。。。
2007/07/05 22:58  | URL | 片桐真央 #-[ 編集] |  ▲ top

- 好きですね -

これは名盤だと思っています。Yesの作品の中では一番隙のない作品かと思います。
この作品でのSquireとHoweのがんばりはすごいですね。特にHowe、やれば出来るじゃないという感じです。
2007/07/05 18:05  | URL | francofrehley #mQop/nM.[ 編集] |  ▲ top

- -

>オラシオさん
>「イエス」名義で発表されたためにかえって損しているアルバムかも知れま
せんね。
・・・まったくもってその通りだと思います。もし、完全な覆面バンドみたいな形で発表されれば当時の評価はもっと上がっていたのかもしれませんね。従来のポップなエッセンスに外部からの異なる血を混ぜたこのキメラ的な作品の真意はある意味NWの人間の方が理解できたのかもしれません。
2007/06/24 01:23  | URL | 片桐真央 #-[ 編集] |  ▲ top

- 「Yes」としては -

どうなのか、かも知れませんが、結果として残された音楽が素晴らしいので
愛聴してしまう、私にとってはそんなアルバムです。
イエスサウンドが元々持っていたポップセンスをマニアックな形で凝縮したよ
うな印象を受けます。
あと、ベーシストにとってはクリスの「暴走」は衝撃でした(笑)。
まるでジャケの駆ける黒豹(?)たちのように自由なそのラインには痺れます。
「イエス」名義で発表されたためにかえって損しているアルバムかも知れま
せんね。
このアルバムにまつわるドラマは私にはないなあ(笑)。
失礼します。
2007/06/23 17:26  | URL | オラシオ #8zyxN7ck[ 編集] |  ▲ top

- -

>ゆうけいさん
>UNIONツアーで初めてこの面子の演奏を聴きましたが、やっぱり若い人は圧倒的にこちらの方に受けてましたね。
・・・耳がデジタル・シンセに慣れているかどうかという面もあると思うんですが、当時はあまりの音のクリアさに面食らいました。このアルバム前後でいわゆるプログレ界でのキーボードの使い方にも大きな変化が出てきたような気がします。当時のライブ音源を聴くとモロNWの中でクリスとスティーヴが暴走していますし、途中ジェフのソロでは例の名曲を弾いています。

>なるほど、DRAMA仕立ての記事なわけですね!
・・・構成はイジってありますが、内容は実話です(恥)。昔の日記にそう書いてありました(爆)。
2007/06/23 06:50  | URL | 片桐真央 #-[ 編集] |  ▲ top

- -

なるほど、DRAMA仕立ての記事なわけですね!

UNIONツアーで初めてこの面子の演奏を聴きましたが、やっぱり若い人は圧倒的にこちらの方に受けてましたね。
2007/06/22 20:01  | URL | ゆうけい #PrUf/QBU[ 編集] |  ▲ top


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