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不条理音盤委員会 419 NYAZ 「Nyaz」
- 2006/08/31(Thu) -
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最近エスノ+エレクトロニカばかりのエントリーなのですが、それは単に暑いからであって、それこそお姉ちゃんをナンパしながらエスノ料理を食べ歩いている店で流れていたとかいうわけでもなく、アルベール・カミュ風にいえば「太陽が眩しかったから。。。」という理由からです(超謎)、というわけで以前thmonkさんに教えていただいた在米ペルシア系の美人ヴォーカリストAzam Aliのアルバム「Portals of Grace」は個人的には一家に一枚級のアルバムだと思っているのですが、その彼女がLoga Ramin Torkian,(Multi- Instrumental)、Carmen Rizzo(Programming etc)と活動している際のユニット名がNyazです。「world music for the 21st century」をスローガンに掲げ、ペルシア語で「必要性・懇願」を意味するらしい「Nyaz」というセルフ・タイトルのアルバムを2005年に発表しています。もう、半ばジャケット買いに走ったと後ろ指をさされても否定できないほど、美しいセピア色のジャケットからと裏腹のカラフルな音使いながらも、歌詞にはペルシア語やウルドゥー語の宗教的な神秘詩が引用され、またペルシア~インド音楽を基盤とした伝統的な要素とは相容れないようなプログラミングとの邂逅が不思議とマッチしているトランシーな感覚は、ハイブリッドなミクスチャーな雰囲気濃厚の、心地よい眩暈を覚えてしまうアルバムに仕上がっています。文字通りの伝統的な「歌」に重点をおいたAzam Aliの美しい歌声の「Ghazal」から始まり、SazとTablaが掛け合う「Nahan」、宗教的な色彩が濃いながらも、ダウンテンポ風のリズム・トラックを使用した「Allahi Allah」、おそらくペルシア伝統の唱法と思われるAzamとLogaのデュエット風のナンバー「The Hunt」、トリップ・ホップのようなミニマル的なループ・フレーズが特徴的な「Dunya」、地声による発声なのでしょうが、どこかブルガリアン・ヴォイスを思い出すような「In The Shadow of Life」、LogaのSazのソロがペルシアのみならずアラブ=アンダルースに通じるような明るい響きを聴かせる「Arezou」に続いては、逆にペルシアの伝統に根ざしたような素朴なナンバー「Golzar」、エスノ・ハウスっぽい「Dilruba」、打ち込みがメインながらLogaの弾くサントゥールの響きが神秘性を増幅させるかのような「Minara」まで、ゆったりとした曲調とシンプルなフレーズが幾度と繰り返される中をAzam Aliの透明感あふれる歌声が舞うといった、それこそトリップ感にも似た陶酔感を味わえる一枚だという気がします。

試聴音源はこちらから
http://www.sternsmusic.com/disk_info/6570361110-2
http://www.sixdegreesrecords.com/Merchant2/merchant.mv?Screen=PROD&Product_Code=657036-11102-8


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