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不条理音盤委員会 418 Karsh Kale 「Liberation」
- 2006/08/30(Wed) -
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UK生まれのUSA育ちというタブラ奏者兼ドラマーのKarsh Kaleの2003年に発表した2ndアルバムです。Bill Laswell、Zakir Hussain、Ustad Sultan Kahn等と共にTabla Beat Scienceに参加して以降、インド系という彼のルーツであるインド古典音楽をベースにロック、ヒップホップ、ジャズ、エレクトロニカ、ダブ、レゲエといった要素をミックスさせて紡がれる音楽は最新型のサイケデリックなのかもしれません。自由に拡散する音の定位を見極めながらクラブ・ビートを展開させていく手法はプログレッシヴでもあり、それでいながらマドラス・チェンバー・オーケストラを参加させて壮大な音のタペストリーを編みあげていくという伝統を守るといった姿勢を忘れることもありません。インド歌謡?をモチーフにインパクトのあるリズム・トラックを響かせた「Liberation」、女性ヴォーカルの美しい歌メロにベタなシンセをかぶせた「Instinct」、ダブ処理を施されたシタールとタブラの響きが心地よい「Analog Mood Swings」、」伝統的な演奏に控え目なエレクトロニクスを上乗せした心休まるような「Milan」、逆にエレクトロニクを最大限に利用した分だけ、インド風味が強調されているような「Break Of Dawn」、まるでテクノ・ポップに通じるようなチープなエレクトロニカ風の「Dirty Fellow」、EnigmaやDeep Forestのインド・ヴァージョンのようなアンビエント系ハウス・サウンドの「Letting Go」、ハード・コア・テクノかドラムン・ベースの変形ともいえるような歪んだビートが特徴的な「GK」、流れるようなストリングも美しくい壮大なイメージを喚起させる「Cinemetic Reprise」、詠唱風のヴォーカルに様々な音が絡んでいく「Epic」まで、自分のルーツを究極まで追い求めているような感がある作品だと思います。しかし、その一方でそんな求道的な姿勢とエレクトロニクスの大胆な導入が時には相反してしまっているような印象もあるのもまた事実です。根ざすものを深く追求するよりは、伝統を基盤にした新たな世界の創造といった方向性がKarsh Kaleには合っているような気がします。

公式HPはこちらから
http://www.karshkale.com/
試聴音源はこちらから
http://www.cduniverse.com/search/xx/music/pid/5868957/a/Liberation.htm

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