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不条理音盤委員会 354 Pat Metheny & Lyle Mays
- 2006/04/26(Wed) -
As_Falls_Wichita.jpg

今回は何故か池波正太郎氏風の文体で。。。。
雲ひとつない晴れ渡った日に、このようなモノクロームのジャケットの作品を聴くとは不遜に思われそうなのだがこの「As Falls Wichita, So Falls Wichita Falls」というアルバムが無性に聴きたくなるときがある。名義はPatとLyleになっているのだが、実はパーッカションやらヴォイスを担当するNana Vasconcelosも大抵のところで参加しているのだから実際はトリオ編成といっても差し支えない。Pat Methenyの故郷であるWichitaの思い出やイメージを表現したらしいのだが、そういった理屈を抜きにしてもどこか心が安らぐような温かみを感じる。音を奏でながらそれぞれの美的なセンスが同調して、そこから生まれてくるリリシズムのようなものが不思議な感触を呼び起こすのである。まさにジャケット通りの雄大で広大なイメージを持つ曲は様々な感情を内包しているのであるが、物語性を帯びたサウンドが展開される中で要所できっちりと自分をアピールさせたように音を響かせるNanaとLyleのプレイは決してPatのギターを邪魔するわけではなく、そこからは3人が緊密に語り合いながらお互いの音を紡ぐという姿勢がはっきりしているような気がしてならず、いみじくもタイトル曲に明白なように決して聴くものに緊張感を強いないのがまた素晴らしい。また「Ozark」のピアノ・プレイのように難易度が高い曲をテクニックをひけらからすことなく、さらりと弾いてしまうLyleに寄り添うようなPatのアコギというのもまた深い味わいを抱かせるものである。陰影に富んだ表情で淡々と綴っていく「September Fifteenth (dedicated to Bill Evans) はサブ・タイトル通りにBill Evans氏を偲ぶ内容に聴こえるのだが、即興的に展開される中で二人の呼吸がピタリと合っている様は感嘆せざるを得ない。こうした静謐な中にはスリリングさも感じられるが、それよりもそんな淡い色合いの中での二人のごく自然体な姿が浮かんできてしまい、Bill Evans氏には失礼なのであるがつい和んでしまうのである。どこかほのぼのとした牧歌的なメロディーから快活なPatのギター・ソロに続く「It’s For You」でも、音色には最新の注意を払っているようなのだが、流れてくる音にはそういった神経質的なものは微塵も感じられず、ただただ心地よさが増すだけというのは言いすぎであろうか。Nanaの朴訥とした歌を聴くことができる最後の「Estupenda Grasiaに至るまで、このアルバムは終始穏やかさが際立っている。個人の心象風景であるからと言い切ってしまえばそれまでなのであるが、単に描写しただけではないのだから本来であれば激しさも含まれてよい筈であろう。それをあえてしなかったところにこのアルバムの良さがある。仰々しく飾り立てるよりも、時には素に近いほうが人の心を打つという場合がままある。このアルバムはそういうアルバムなのだ。
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