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不条理音盤委員会 352 Cassandra Complex
- 2006/04/22(Sat) -
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Paul DillionとRodney Orpheusによって80年代前半に結成されたCassandra Complexは初期の頃はゴシック・サイケ路線に近い割とノイジーなダンス・ポップを展開していたのですが、Paulが脱退した85年頃からエレクトロニクスを大幅に取り入れたいわゆるエレクトリック・ボディー・ミュージックにフォーマットを変更するようになります。同時に所属レーベルもRouskaからPlay It Again Samに移動して毎年の如く作品を発表することになります。彼らはCabaret Voltaireに影響を受けたと思われるのですが、その音もまさにその亜流に近いサンプリング・コラージュとテクノ・ビートを融合させたもので、まさに本家Cabaret Voltaireが方針転換した姿勢そのままの展開をしているところに、当時苦笑したものでした。この「The War Against Sleep」は1992年に発表された7枚目?のアルバムでシンプルながらも現在の音響系の元祖のようなエレクトロニクスの使い方に好感をもてるアルバムに仕上がっています。中期Depeche ModeとJoy Divisionが合体したような「What Can I Do For You?」、ノイジーなギターが鋭角的なビートと共に暴れまわる「Dr. Adder」、Joy Divisionのパクリとしか言いようがない程そっくりな「And You say」、アジアっぽいシンセとギターの音色がサイケデリック風味を感じさせる「Why?」、ついTalk Talkの名前を思い出してしまうようなデカダンス的な「She Loves Me」、O.M.DがUltra Voxしたようなブラス・シンセの音が印象的な「Awake All Night / When Love Comes」、ネオ・サイケ色の濃い「Tell Me」、シューゲイザー的な「Lullaby For The First Baby Born In Outer Space」、エレクトロニクスを駆使したコラージュが延々続く大作の「Lakeside」まで、オリジナリティーという面では稀薄なのですがダンス・ビートを意識している割には踊れない(笑)といった奇妙な側面もあり、個人的にはこのユニットはゴシック路線を歩む途中でメンバー脱退等で手薄になったサウンド面を補うべく手段として、仕方なしにエレクトロニクスを導入したのではないかと思ってもしまいます。Rodney Orpheusの自己耽美に走ったヴォーカルは結構好きなのですが。。。。。。

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/47819/summary.html

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