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不条理音盤委員会 480 La Lyre Cayennaise  「Valses, Biguines, Mazurkas Tradition Créole Guyane」
- 2007/03/17(Sat) -
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カリブ海の古層の音楽を探求しているといろいろと面白いものが見つかって、そのリゾート気分的な開放的で明るい音楽性と並行して、そこにはアフリカやアジアからの移民の哀しい歴史というものも同時に存在していることは忘れてはならないわけで、常にそういった視点も兼備してこの方面の音楽を聴く必要はあるのだと思います。
というわけで、フランス領ギアナ(Guyane française)にはやはりクレオール系の音楽やズーク、あるいはコンパに近い音楽があって、それはまた各々のオリジナルのものとはちょっと異なった感覚の妙に渋みのある味わい深い演奏で心惹かれたりするのですが、このLa Lyre Cayennaiseはそんな中でもグァドループやマルチニークといった地域との共通性を感じます。ジャケット写真に映っている方々がメンバーだと思われますが、かなり年季の入った方々のようで、ブックレットの簡単な解説によれば、このLa Lyre Cayennaiseが結成されたのは1950年で、ギアナ地方のアフリカ色が濃い伝承曲やフォルクローレ、あるいはクレオール系の音楽を演奏し続けてきたようです。どうも彼らはプロではないようで、MalavoiやTarabの楽団のように何かの機会に集まって演奏活動をするようで、その素朴みあふれる温かい演奏が心にじんわりと染み入ってきます。バンジョー、ギター、フルート、クラリネットにパーカッションという編成に時折男女の歌がはいるという編成で奏でられる曲の数々は、ビギンだったりマズルカだったりするわけなのですが、パーカッションの入り方が妙にアフリカぽかったり、マルシャ=ビギンというスタイル?が曲に付されているようにマーチ風のリズムからビギンに変化していくもの、あるいはボレーロ・ルンバといったキューバン・スタイルの翻訳ともいえるような演奏も聴くことが出来ます。またアフリカ西部のChantに類似したヴォーカルやスークース風のギターのアルペジオといった具合にこの地域の負の歴史をそのまま音楽に転化したような事実も聴き逃せません。
明るさを感じさせるメロディーの中に一瞬感じる翳りのようなもの。それは厳しく苦しい日常生活の中で、わずかながらの光を求めていたことの反映なのかもしれません。
1999年発表のこのアルバム今では廃盤なのかもしれませんが、是非一聴をお薦めします。
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