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不条理音盤委員会 474 Curved Air 「Phantasmagoria」
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- 2007/03/03(Sat) -
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![]() Sonja Kristinaを擁する英国のプログレ・バンドCurved Airが1972年に発表した3rdアルバムです。francofrehleyさん主宰のBlog「Progressive Café」では「Curved Airの魅力、『らしさ』はSonja Kristinaの妖しいヴォーカルと合わせて、Way&Monkmanが紡ぎだす70年代初期英国アンダーグラウンド臭が充満した荒削りなサウンドだと思っています。あのサウンドとヴォーカルのコンビネーションこそがCurved Airそのものだと思います。」と評されていますが、確かにこのアルバムでは幅のある音楽的な要素をプログレッシヴ・ロックというイディオムで包み込んだようなサウンド・ワークとSonja Kristinaのリリカルでファンタジックな感性がバランスをギリギリのところで保っているという印象があり、その危うさの振幅がこのアルバムの最大の魅力ではないかと思います。ロマンティックな中にも歴史上悲劇的な人生を遂げた主人公の感情を織り込んだようなSonjaのヴォーカルが素晴らしい「Marie Antoinette」、アコ・ギ、フルートヴァイオリンを従えたクラシカルなタッチのフォーク・ソング風の「Melinda」、低音で囁き、呟くようなヴォーカルをブラスとピアノが交錯しながらポップスのタームで彩りを添えていく 「Not Quite The Same」、Darryl Wayのヴァイオリンをフューチャーし、中盤では変拍子と不協和音による不安げな展開も聴かせるインスト曲「「Cheetah」、F.Monkmanの趣味が出た?シーケンス・パターンのみのバロック風の電子音楽作品の「Ultra-Vivaldi」、ファンク・タッチの歌メロにトラッド/クラシカルなヴァイオリンやハモンド・オルガンが色彩を加えていく「Phantasmagoria」、これまたF.Monkmanの手によるハーモナイズ〜電子変調をメインにしたコラージュ的な音響的な作品「Whose Shoulder Are You Looking Over Anyway ?」、ゲストのFrank Ricottiが奏でるマリンバやシロフォン、ブラス・セクションの華やかな音色とミニマルなフレーズを疾走するMick Wedgewoodのベースライン、流れるようなD.Wayのヴァイオリンがテクニカルでアンサンブルを展開しながら、終盤はジャジーな雰囲気を一変させるギターの鋭角的なヴォルテージで締めくくる 「Over And Above」、エスノ〜ラテン的な感覚も楽しいラウンジ・タッチの「Once A Ghost, Alway A Ghost」まで、いわゆるプログレというイメージからはちょっと距離を置いた感もあるニュアンスをもった作品ではないかと感じます。そうした背景にはやはりSonja Kristinaのヴォーカリストとしての限界があるのではないかとも思えます。声域・声量共に狭いSonjaのヴォーカルを生かすためにアコースティックな要素を組み込んだり、またシンプルな歌メロをバッキングするかのごときピアノの使い方といった具合に様々な工夫がなされているとは思います。ただ、逆にそれが仇となってある意味に於ける従来のロック/ポップスという定型的な枠組みの中での閉塞感のようなものも覚えてしまいます。それがアルバムの中でのインスト・パートに顕著のように極度の前衛趣味に走った理由ではないかと思います。言い換えればSonjaというキャラを使いこなすことが出来なくなってしまったということにつながってくるのではないでしょうか? このバンドの見出した答えが次の「Air Cut」ではっきりしてくると思います。 |
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