不条理音盤委員会 

 即物的快楽を追及するBlog
 


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2006年も残り少なくなってきましたが。。。
この不条理音盤委員会をご訪問された皆様....


ありがとうございました!




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。。。というわけで、めちゃマニアックなこの不条理音盤委員会なのですが、来年も隙間と谷間を求めて彷徨いたしますので、よろしくご付き合いの程を。。。。


     
その昔、シューゲイザー・ムーブメントというものがあってのぅ、ちょっとギターを始めるとすぐにフィードバック・ノイズをかぶせた轟音ばかり出していて、それでいて歌メロは微妙にポップだったバンドが無数に存在していた時期があるのじゃ。まぁ、Jesus &Mary Chainがきっかけだったかもしれんが、みんなライブではうつむきながら弾いていたからそんなシューゲイザーなんちゅう異名がついたものだった。。。懐かしいのぅ〜〜。そんなん中でも絶妙な儚さを秘めたバンドにSlowdiveというのがおってのぅ〜、彼奴等はCreationから数枚のシングルと3枚のアルバムを発表したかと思ったら解散してしまったのじゃ。理由は知らんけどな。でもなぁ、すぐにNeil HalsteadとRachel GoswellはMojave 3というユニットを立ち上げて4ADからアルバムを発表したのじゃな。でだな、「mattsmoodさんがチェックした音源を片桐が聴いてみる」シリーズ第2弾にもなっておる、この「Puzzele Like You」はそんな彼奴等の5枚目のアルバムなのじゃ。そもそもNeil Halsteadのソングライティングには定評があったのじゃが、ここでも切ないアコースティック、あるいは夢心地のポップな曲をインディ・ロックの枠組みにうまく織り交ぜた素晴らしい出来になっていると思うのじゃが、どうだろうかのう〜

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乾いたギターとピアノの音が印象的な「Truck Driving Man」、ついついThe La’sを思い出してしまう清涼感いっぱいの「Puzzles Like You」、割とシンプルなギター・ポップの「Breaking The Ice」、ドリーミーな雰囲気の中を懐かしい感じのギター・フレーズが聴かれる「Running With Your Eyes Closed」、Rachelのバッキング・ヴォーカルも美しいカントリー・ワルツ・タッチの「Most Days」、サイケデリックな感覚を内包したフォーク・ロック風(Pink Floydっぽい感じあり・・・汗)の「Big Star Baby」、オルガン(シンセ?)のメリハリを利かせたビート・ポップ「Ghost Ship Waiting」「Kill The Lights」、アコ・ギの弾き語り風の背後でスライドっぽいギターや玩具のような鳴り物類を響かせた、しっとりとしたミディアム・ナンバーの「You Said It Before」、ヴォーカルやギターをノイジーに処理しているのは現在のシューゲイザー・リバイバルに対する彼らなりの回答かとつい勘繰ってしまうような「To Hold Your Tiny Toes」、60年代のアメリカン・ポップへの憧憬を音にしたような「Just A Boy」、囁くようなNeilのヴォーカルで締めくくる「The Mutineer」まで、いかにもUKぽいかったSlowdiveから徐々にアメリカっぽさを取り込んできたNail Halsteadのルーツ志向が結実したような音に仕上がっていますが、どの曲にも適度な湿り気のようなものと微妙にしみじみとしたノスタルジックさのようなものが、まさにタイトル通りにパズルのように組み合わされているアルバムだという印象があります。
なんとなく良い意味でしんみりとするんですよね。。。。。。

試聴音源はこちらから
http://www.cduniverse.com/
search/xx/music/pid/7102277/a/Puzzles+Like+You.htm






     
先日某外資系レコード店をブラブラとしていたら、普段口うるさい上司とばったり出会ってしまって、そのうえいつも苦虫を噛み潰したような顔をしている彼が幼い我が子がねだっているディズニーのビデオを手にして、満面笑みを浮かべていたりするのを見てしまうと、思わずこっちが気まずくなって、あ、どうも。などという挨拶と共に逃げるように店を立ち去ってしまった片桐です。

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というわけで、「パイクマンさんに先回りされた音盤を片桐が後追いする」シリーズ第三弾は、最近気になって仕方がないフィンランド&Fonalレーベルからの新ユニットChamellowsの「Rat Hearts」です。このユニットはまたまた最近気に入っているLau Nauさんがヴィジュアル・アーティストMikko Kuorinkiと一緒にやっているものらしいのですが、録音そのものは10年くらい前に行われたそうです。彼女のソロ・アルバムに共通するようなシンプルなアコースティックな楽器が綴れ織るようなロー・ファイな音とか細いヴォーカルはちょっとドリーミーでサイケデリックな雰囲気が濃厚なのですが、時折ストレンジな音のギターや叫びにも似たヴォイス・パーフォーミングといった実験的な要素も挿入され、その狂おしくも愛しい捻じ曲がったポップ・センスに思わずメロメロとなってしまうのでありました。オルガンをバックに叫んでみたり、発信音をかぶせたりという思いつきのようなノイジー感覚が楽しい「Universal Goodwill」、ギターをかき鳴らしながら夢心地なメロを歌う「Siggur」、2本のギターとオルゴール?のような不思議な音がばらばらに進んでいるような浮遊感が不思議な「End Of All Fear」、サイケデリックな感覚に満ちた「San Diego Rat Heart」、初期のCabaret Voltaireを思い出すようなエクスペリメンタル・ポップな「Sateenkaari-James」、コラージュを駆使したやはりCabsっぽい「Horsepuke Carpark Snow-white」、チープなテクノ・サイケ歌謡といった感のある「Summerfun」、フィード・バック音が縦横無尽に飛び交う「Week-end」、鳴り物とフィドルが奇妙なエキゾ感を醸し出す「Napalm」、インドっぽい音使いが錯乱の扉を開くような「Backyard Stardust」、思いついたメロをそのまま録音してしまいました!と言っているような可愛い歌メロにノイズをまぶした「Rooftops」、オルガンとピアノの短いフレーズ、それに簡単な歌詞が反復しながらうねりを成していくようなミニマル的なエッセンスが心地よい「Flash Light Beat Heart」、ジャズっぽい雰囲気(多分ヴォーカル録音の際はマイクにセロファンでも貼っているんだと思いますが。。。)の「Snake Whistle Boat」、パストラルな色あいもある「I'm walking」、ヴォイス・コラージュのような実験的な「Idiot Light」、録音してきた音源にコラージュを重ねていく「New Age Manifest」まで、まるで宅録の見本のような曲というかアイデアの断片が次々と出てくるアルバムになっています。姫君のところでは安易にフリー・フォークとかトイトロニカといった言葉を使ってしまったのですが、やはり、時代を考えるとノイジーなエクペリメンタル・ポップと表現した方が正しいのかもしれません。それにしても二人がなんだかんだ言いながら音を重ねていく姿が垣間見られるような楽しい気分を共有できるのは間違いないような気がしますが。。。。。

試聴音源はこちらから
http://www.juno.co.uk/products/235947-01.htm

     
先日めちゃ綺麗なお姉ちゃんに「カブ要りませんか?」などと声をかけられたのですが、すっかり証券会社の人と思いこんでいたので、「あまり興味がないもので。。。」と答えたら、「寒い冬は鍋とか煮物にも良いですよ〜〜」と言うものだから、よくよく話を聞いてみたら、某地区の農業団体の移動販売だったということで、つい大きなサイズを2個も買ってしまって、カブと牡蠣で中華風のクリーム・シチューを作ってしまった片桐と言います。
というわけで前回名前を出した在米カンボジアン・ビューティーChhom Nimolさんと怪しい顔つきの腕達者の5人の男たちからなるクメール・サイケデリック歌謡バンドDengue Feverの2ndアルバムです。

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ロリータ・ヴォイスにギンギンのエコーをかけたアジア的な節回しのヴォーカルと、オルガンを前面に打ち出したアシッド・ロック的なサウンド・プロダクションはまさにオルタナティヴであり原色サイケの世界です。といっても決して極彩色のサイケデリックというわけでもなく、かなり日本の演歌や歌謡曲に近いムードを備えているのもまた事実ですので案外抵抗感なく聴けるのではないかと思われますが(自信なし・・・個人的にはこれまた一家に一枚級)。ハードなオルガンを前面に打ち出したオリエンタルかつアシッド感あふれる「We Were Gonna」、中華ポップにも通じる歌メロとオルタナ的なサウンド・ワークがきっちり結びついた「Sui Bong」、70年代のカバー曲であるらしい「Tip My Canoe」、アジアン・フラワー・チルドドレンといった感じの曲想と挿入されるギターが奇妙にも三味線のようにも聴こえる独特のムードをもった「Tap Water」、広大なメコン・デルタの水田地帯が目に浮かぶような瞑想的でサイケデリック感に満ちた「Sleepwalking Through the Mekong」、 過剰ともいえるようなエコー処理を施し、まるでHawkwindのようなスペース・ロック風に展開していく「One Thousand Tears of a Tarantula」、粘着質のあるサウンド・ワークを従えて軽やかにChrom Nimolさんが歌うい「Escape from Dragon House」、呟くような男性Voに続けてChromさんが朗々と歌い上げるようなミディアム・テンポの「Made of Steam」、アメリカと言うよりはUKネオ・サイケの名曲のフレーズをコラージュしたかのようなインスト曲の「Lake Dolores」、ちょっとジャズっぽい雰囲気も漂う「Saran Wrap」、ギターとパーカッション、それにわずかに鍵盤類がサポートする最後を締めくくるようなしっとりとした「Hummingbird」まで、サイケデリックといった意味ではかなりハードで強烈な世界が展開されているのですが、同じアジア人として聴いているとどこか郷愁のようなものも同時に感じられるような摩訶不思議な感覚を覚えてしまう作品でもあります。そんな自然体とも言えそうなChrom Nimolさんのヴォーカル・スタイルはやはり天下一品の部類に入ると個人的には思っています。

公式サイトはこちらから
http://denguefevermusic.com/v2/
試聴音源はこちらから
http://www.amazon.com/Escape-Dragon-House-Dengue-Fever/dp/B000ALZHJ8#moreAboutThisProduct






     
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マニア街道を突っ走っている片桐と言います。
世の中には頭がクラクラとくる音源無数にあれども、このトルクメニスタンの女性歌手ŞIRIN PÄLWANOWAのセルフ・タイトルのCDとカセット作品「2001」を聴いた時にはマジで意識が飛びました(爆)。彼女は画像にも掲げたとおり、おそらく生粋のトルクメン族だと思うのですが流れてくる音楽はチュルキッシュであり、カリブであり、インドであり、ヨーロッパでもあるというハイブリッドというかミクスチュアーというか、とにかくエスノ好き&隙間音楽好きの人にはたまらないと思われる音が、チープとしかいえないサウンド・プロダクションとロリータ・ヴォイスで次々と繰り広げられていきます。彼女に匹敵するのはカンボジア系アメリカ人を中心とするユニットDengue Feverくらいなものではないかと勝手に思ったりもしています。インド風味を少々まぶした打ち込み系エスノ・ポップ・サウンドの「Oka-Oka 」、フニャフニャなシンセにのって、男性が彼女を絶賛するアジテーションのみの「Tanidma」、ゴア・トランスにも近いダンス・トラックの「Gel Ýaraşaly」、ペルシャ・ポップに近い感触の「Jeren Daýza」、シャンソンと中近東が合体したような「Intizaryn」、やはりヨーロピアンな雰囲気の転がるピアノとカシオ・トーンのような安っぽい響きが交錯する「Gözlese」、オーケストラ・ヒットとブラスが炸裂するスカの「Awçy」、脱力感あふれるレゲエ調の「Ýarym」、やはり中近東サウンドをダブ的に処理した「Wah-Wah」、ジプシー・キングスのような妙な哀愁をもったルンバ・フラメンコ的な「Çeşmeler」、つい「ウシュクダラ」を思い出してしまうようなイントロのチュルク・ポップの「Ýar Diýsem」、数え歌のようなインド〜アジア風の歌メロの「Gel Bäri」、マズルカ・クレオールのような印象もある、男性ヴォーカルとの掛け合いナンバーの「Duet(ジャケットにそう書いているのです・・・笑)、やはりフラメンコというかスパニッシュ的なイメージが漂う「Märiban」、最後を締めくくるはズークというかランバダをパクったというべきか、サンバ+メレンゲの「Diwana-Diwana」と、いかにも不条理音盤委員会的な一枚なのですが、そのパチモン的なプロダクション・ワークと反比例して結構歌そのものは上手いです。これぞ、まさに一家に一枚というべき至宝の存在なのかもしれません。

試聴音源はこちらから
http://www.turkmens.com/Pop/Sirin.html




     
その昔、片桐がある遺跡の発掘スタッフとして働いていた頃といえば、かれこれ20万年前くらいの話になりますが、そこに大学卒でやってきた麻美さんは何故か湯麺とプログレが好きな人で、そういうこともあって片桐と仲がよかったのですが、今や彼女は自分の染織工房をかまえてオリジナルの作品を制作・販売しているという、とても大学で考古学を専攻してきたとは思えないアナーキー&アーティスティックな人生を送っているのですが、その麻美さんは未だに美味の湯麺の店を発見するとわざわざメールで知らせてくれるという大層律儀な人なのです。
というわけで、ちょっと前からCity Recordsのトップ・ページにジャケットが紹介されていて気になっていたJelena Rozgaさんのアルバム「Oprosti mala」です。

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このお姉ちゃん系のジャケットからはイケイケのクラブ・ミュージックを期待していたのですが、その内容はアコースティックな感覚とちょっとハスキーがかった声で切なげに歌うミディアム・テンポの曲が続くといった荒業で、別の意味で思わず秒殺されてしまって速攻で注文してしまったのであります。アルバム冒頭から反則技としか言いようがない切なげなバラード・ナンバーの「Oprosti mala 」から始まって、チター?とアコをフューチャーした東欧の哀愁漂う「Ja znam dobro što mi je」、バルカン・フォーク・タッチの「Roza boja」、恋人への思いを痛切に歌った「Vršnjaci moji (zlatokosa)」、幽玄な音に包まれた「Sve se meni čini」、軽いポップス風の「 Roba s greškom」、スパニッシュっぽいギターも耳に残る「Sve mi tvoje oči govore」、ジプシー系のエッセンスを織り込んだ「Suze od kristala」、アンビエントな音と切なげな歌の超キラー・チューン「Lijepa samo za tebe」、大仰なサンプリングを導入したポップ・フラメンコ風の「Ne zovi me Marija」 トライバル・テクノ的なアレンジのチュルク・ポップに近い印象もある「Bilo bi super」まで儚さ、切なさを最大限に引き出したようなアルバムだと思います。歌ものとしてよく出来ている以上に、Jelena Rozgaさんの素材としての魅力を引き出したサウンド・ワークともども最近のお気に入りの一つになっています。ボーナス・トラックとして「Oprosti mala」「Ne zovi me Marija」のクラブ・リミックスも収録されていますが、ちょっと蛇足っぽいような気もします。。。。。。。

Jelena RozgaさんのHPはこちらから(試聴も数曲できます)
http://www.jelenarozga.com/



kisaraさんへ空耳のプレゼント:

このアルバムのいくつかの曲で「ださ〜〜」と

Jelenaさんが歌っておられます(笑)。






     
東南アジアからアフリカと幅広い音楽を聴かれていて、その守備範囲の充実さに思わず感心してしまうNAKA-036さんの「偏愛音楽機構」でも紹介されていた一枚でありんす。

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中央アジアのウズベキスタンの歌姫というか国民的歌手であるYulduz Usmanovaさんの1994年の「Alma Alma」です。ウズベキスタンの首都タシュケントの音楽学校を卒業後はセミ・プロのような形で結婚式などで歌い続けてきたようですが、1991年の「Voice Of Asia」フェスティバルで一躍注目されて制作されたのがこのアルバムです。彼女はインナーの写真や名前からは純粋なウズベク系ではなくスラブの血も入ってるような気がするのですが、彼女の紡ぐ歌はウズベク族の伝統に基づいていて、各種民族楽器や打ち込み・シンセ音を効果的に配したトラディショナルな雰囲気に満ちていてトルコでも人気があるとのことですが、イメージ的にはチュルクというよりはギリシアあたりに近い印象もうけます。また全体的に漂うアンビエントな感覚は共同プロデューサーとして名を連ねているECM周辺のアーティストでもあるLenny MacDowellの手腕なのかもしれません。いかにもといった打ち込みとシンセのポップ感覚あふれる楽しさ満点の「Jeli-Jeli」、ネイを意識したようなフルートがジャズっぽくもあり、ペルシアっぽい雰囲気もある「Maida」、勇壮な男性コーラスを従えた壮大な曲調の「Uchir-Uchir」、 中央アジアの草原が思い浮かんでくるようなルバーブ?のソロも印象的な「Schoch va Gad」、アコーディオン(シンセ?)をフューチャーしながらもウズベク伝統歌謡を忠実になぞったような「Turkmen Kizge」、ギジェックをフューチャーし、レゲエに通じるようなリズムも心地よい「Yor-Yor」、伝統的な歌詞にポップス風のメロをつけたポップ・バラードの「Tschr Mischod」、ギリシャ・ポップに通じるような音作りを感じる「Kunglim Guli」「Hamoz」、アラブ風に味つけられたアンビエント的な「Otayon」、現在のチュルク・ポップにも近い感覚がある斬新なアレンジの「Kisil Alma 」まで、コブシをころころ回す伝統的な唱法の彼女の声と奇妙な浮遊感に満ちたサウンドが交錯する作品に仕上がっています。ただ、惜しむらくは一部の打ち込みやシンセの使い方に顕著なのですが、良くも悪くもワールド・ミュージックというカテゴリを意識したような作りがちょっと気になってしまいますね(発表年度を考えればいたし方もないのですが。。。。。)。

Yulduz UsmanovaのHPはこちらから
http://www.imzadi.nl/Front/Yulduz.html
試聴音源はこちらから
http://www.cduniverse.com/
search/xx/music/pid/1457967/a/Alma+Alma.htm






     
音楽のみならず、NBAや映画にも詳しいmattsmoodさんのBlog「mattsmoodの日記」は、微妙に興味深い音盤が紹介されているのみならず、KCRWに旬のアーティストが出演した際のスタジオ・ライブまで紹介されているという一粒で2度も3度も美味しいというグリコのキャラメルのようなサイトなのですが、ついついピック・アップされたライブを見てしまった挙句に夜更かししてしまって、これまた4時になってしまって中田有紀さんの「おはようございます〜!」という挨拶に「お休みなさい〜!」と返事してしまう片桐です(笑)。というわけで突如として勝手に始まった「mattsmoodさんがチェックした音源を片桐が聴いてみる」シリーズ第1弾はシカゴ在住のAmalea Tshildsさんの「Painted Tiles」です。

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ギリシア系の彼女はミュージシャンであり、アーティストであり、またシェフでもあるとBioには書いてあるのですが、そんな風変わりな経歴を持つ彼女が織り成す音楽はアコースティックな雰囲気をベースにしたフォーク・ロック的なもので、どこか寂寥とした憂いのようなものをはらませながら、飄々と歌っているような印象があります。ほのぼのとした感じのカントリー・タッチの「Distant Town」から始まり、ちょっとノイジーなギターとオルガン?をフューチャーした仄かなサイケ色が微笑ましい「Parachute」、ヴァイヴや可愛い音のキーボードといったさりげない音を隠し味に使ったオールド・ファッションド・ワルツ風の「Lafayette」、バンジョーとギターが絡み合いながら緩やかなカントリー風のグルーブを紡ぎ出していく「To the Ground」、管楽器やストリングスといったアンサンブルを配した夢見るような美しいナンバーの「Your Arms」、何気ない日常を優しげに歌った「Same Still Things」、ジャズっぽいブラスがちょっとだけ挿入され、また途中でボサノヴァっぽくなるという遊びもある「Blue」、軽快なタッチのカントリー・ロック色が濃い「Flood」、最後を締めくくるに相応しい素敵なバラードの「Luna」まで、めちゃシンプルな音とクリスタルのような透明な輝きを思わせるAmeleaさんの声がしみじみと心に響いてくるようなアルバムです。ま、何はともあれこういった声と音には秒殺されてしまう片桐なのでありました。

視聴音源はこちらから
http://www.myspace.com/amaleatshilds
http://cdbaby.com/cd/amaleatshilds







     
儚さと虚しさは紙一重のようで実はその間には埋めがたい大きな溝が横たわっているような気がします。と、似非ロマンティックなことを言っているのは折から舞っている粉雪が、薄い雪化粧の装いを冬の街にプレゼントした途端に陽光でとけてしまう瞬間がもののあわれにも似ているからです。というわけで、Dylan Group、HIMといったユニットやMUMでのサポートと八面六臂の活躍をみせているドラマーのAdam Pireceのソロ・ユニットMice Paradeの4枚目のアルバム「Obrigado Saudade」です。

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エレクトロニカ、ポスト・ロック、ラウンジといったジャンルの境界線上でイマジネーションあふれる音つくりをしているAdam Pireceの音楽は美しいハーモニーと少し切ないメロディーが交錯した淡い感傷的なもので、夢心地にも似た儚さを感じさせるような気がします。とはいうものの砂糖菓子のように甘すぎるのでもなく、記憶の彼方に埋もれていた風景が突如として登場してくるようなシュールレアリスティックな夢のような、はたまたデ・ジャヴのような現実と架空の中間に位置するような浮遊感を漂わせた感覚というべきか、強固に構築された輪郭が徐々に滲んでくるようなそんな不思議な気配を覚えてくる音のような印象があります。爪弾かれるアコ・ギにMumのKristin Valtysdottirの必殺ウィスパー・ヴォイスが絡んでいく「Two,Three,Fall」、ジャズ・フュージョン+オリエンタルな感覚のメロディーとファンクぽいリズム、ヴァイヴの華麗な響きなどがどことなく、Pierre Moerlen's Gongを連想させる10分もの長尺ナンバー「Mystery Brethren」、ルンバ・フラメンコ風のギターと転がるようなエレ・ピ、それに朴訥なヴォーカルがのるラテン・フュージョン風(曲の終盤はシューゲイザーっぽくなりますが。。。)の「Focus On The Roller Coaster」、短いフレーズを繰り返すギターに楊琴がアクセントを加えていく「And Still It Sits In Front Of You」、ミニマル・ジャズ的な「Wave Greeting」、目まぐるしく曲調が変化していく「Here Today」、ボレロとポップ・フラメンコを合体させたような「Milton Road」、再びKristinの声が聴かれるキラー・チューン「Spain」、 東洋風のエッセンスがタイトルを示唆していると思われる、ちょっとポスト・ロック的な音響処理も印象的な「Out Of The Freedom World」、ガムランを意識したような音の階層的な構造に雄大な雰囲気を覚える「Guitars For Plants」、意味深なタイトルを持つシンプルでかつ物悲しさを表現したような「Refrain Tomorrow」まで、 まるで幾重にも色が重ねられたパステル画のような、それでいてドリーミーでありながら一抹の寂しさを感じるような音が連続しているような作品だと感じます。普段打ち込みばかり聴いているせいもあるかもしれないのですが、Adam Pierceの生ドラムの音がまるで自分の鼓動と連動しているような錯覚もふと覚えたりします。

試聴音源はこちらから
http://www.cduniverse.com/search/
xx/music/pid/6353778/a/Obrigado+Saudade.htm



     
谷間買いの帝王と世間では名高いナゴヤハローさんに対抗すべき急遽招集されたブルガリア美女軍団を一挙大公開(爆)。

というわけでまずはIanicaさん

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お次はSonia Nemska さん。髪の毛が邪魔です(笑)。

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3人目はTania Boevaさん、ちょっと狙っていますね(笑)。

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続いてはTatianaさん。モノクロなのが残念です(笑)。

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ロック姉ちゃんのMacaさん。もう反則技です(爆)。

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Magdaさんの2004年のアルバム。ジャケットが邪魔です(笑)。

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Kaliさんの2000年のデビュー盤。この頃は可愛かったです。

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セルビアから応援にかけつけてくれたDjoganiさん

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というわけで。。。。

女性陣の皆様、

ただのエロ記事で申し訳ないっす。










     
ころんさんからのリクエスト企画第1弾です。
とりあえず順不同ですが、今年一番聴いたのは実は「我が家のレコード棚より」のsmokyeeさんからいただいたRe-Mixアルバム(非売品)だったりするのです(滝汗)。

Paavoharju 「Yhä hämärää」
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Sibylle Baie 「Colur Green」
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Señor Coconut 「Yellow Fever」
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Beth Orton 「Comfort Of Strangers」
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David Gilmour 「On An island」
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Fergie 「The Dutchess」
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Loreena McKennitt 「An Ancient Muse」
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Neko Case 「Fox Confessor Brings the Flood」
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Jelena Rozga 「Oprosti mala」
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Hrispa 「Posa Hrostao」
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無愛想かつマニアックな不条理音盤委員会への日頃のご訪問&コメントありがとうございます。
2004年12月17日にDoblog上で始まったこのBlogですが、本日をもって3年目に突入いたしました。
FC2に移行したのもその一環で、多少の気分転換も兼ねての再スタートという形をとりたかったためです。
音楽というのは不思議なものです。
いつまで経っても心を震わせてくれるものがあります。
知らないジャンル、知らない音楽も数多くあり、そういった未知の領域に足を踏み入れることがまた快楽に通じているような気がします。
リンクされている方々のBlogで紹介されている音源や、Webや音楽雑誌などでピック・アップされているものを視聴しては一喜一憂の毎日がある意味生きている楽しみになっているような気もします。
まだまだ未熟者ではありますが、この「不条理音盤委員会」をよろしくお願いします。

     
いつも行くカレー店の女主人は以前にも述べたのですが、ちょっと泉ピン子さんに似ていて、それも顔だけではなく喋り方や性格もそっくりなので、インド的な装飾に満ちあふれている店内でサリーに身をつつんで接客をしている時もついついここが「幸楽」ではないかと思ってしまうのは、某テレビドラマのせいなのは明白で、そう思うのは片桐のみならず他の常連客も同様に思っているらしく、挙句の果てには当の本人さえも笑ってそれを肯定しているのですが、何はともあれこの店のカシミール・カレーは病みつきになってしまうこと間違いなしという美味さの絶品なのであります。

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というわけで、マンチェスター出身のバンドDislocation Danceが1983年にRough Tradeから発表した3rdアルバムなのですが、CD化に際してはシングル曲が6曲も入っているという大盤振る舞いの一枚です。とはいうものの実はVinyl Japanから出た時に買い損ねていたのをLTMから入手した片桐なのでありました。ネオ・アコースティックなポップ・サウンドが身上の彼らはIan RunacresとKathryn Wayという男女のヴォーカルをメインに、ちょっとジャジーだったり、ファンキーだったりと一筋縄ではいかないメロを奏でていたのですが、ここにいたって後にPale Fountainsでも泣きのトランペットを聴かせてくれるモヒカン男Andy Diagramが加入したことによってさらに音楽的な幅が広がったバラエティに富む音に仕上がっています。ライト・ファンク風のギターにファンカラティーナ(懐)っぽくトランペットが絡む「Show Me」、スカっぽい雰囲気にAndyが自由に吹きまくるといった感がある(唐突な終わり方もいとよろし)「I'm Doing Fine」、Ianが気だるい声で愛の予感を歌うトロピカル・ムードあふれる「Here Comes Love」、ボサ・ノヴァっぽいお洒落な感覚の「Remind Me」、映画の1シーンを思い浮かべてしまうようなストリングを効果的に配した「Tyrannies of Fun」、レゲエ〜ダブのエッセンスを組み込んだ「Open Cages」、ポルカ風味も楽しい「Baby Blue」、ジャングリーなパ・パ・パ・ソングの「With a Reason」、ハイライフ〜リンガラといったアフロ・ポップを意識したようなギター・ワークやIanの歌い方が印象的な「Mr Zak」、ジャジーな雰囲気の「Bottle of Red Wine」、いかにもNWといったギターの音色の中でKatherynが切なげに歌う「Midnight Shift」、タイトルに相応しくフレンチ風でムーディーな「San Michelle」まで、割とスカスカでチープな音つくりなのかもしれませんが、逆にそういった何気なさが今聴くと新鮮なのかもしれません。オリジナルのジャケットを知っている人は理解ると思うのですが、普段明るく振舞っている人のちょっと内省的な面を垣間見たようなそんな気がするアルバムです。ボーナス・トラックのシングル集もまた同様なのですが、「Show Me - Dennis Bovell Mix」は原曲を見事なまでに解体〜ダブ処理した一品で、別な意味で聴きものの一つとなっています。

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/28862/summary.html?from=13358





     
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最近気に入っているケーキ屋さんは郊外の農村地帯には不似合いな可愛い建物の店の、それも土・日にしか営業していない小さな店で、メニューもその日にならないと決まらず、そういったわけだから品数そのものも少なくてすぐに売切れてしまうという困った店なのですが、それもその筈店主は某大手建設会社の非常勤顧問やらなんやらを普段はつとめているらしくしく、長年のお菓子作りの趣味が昂じて店を開いたのだと恥ずかしそうに顔を真っ赤にして語っていましたが、店主の穏やかな人柄を象徴するかのごとくタルトやシュークリーム、アップル・パイといったお菓子は基本に忠実に丁寧に作られていて、程よい甘みが素朴な味わいを呈していて何となく気が休まるような感じがしてついつい時々食べたくなってしまうのです。

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というわけでAxel KonradとDJ Novusがプロデュースするアッパーなビートをいかにもといった感じの女性ヴォーカルMellと添え物のようなダンサーVerenaが一大歌謡絵巻を展開するというよりは、エロエロなシングル・ジャケットでお馴染みのドイツ出身のユニットGroove Coverageの1stアルバム「Cover Girl」です。Mike Oldfieldのアルバム「Crisis」に収録されMaggie Reillyが歌っていることでプログレファンには知られる名曲をそのまま鬼トランス歌謡に翻訳した「Moonlight Shadow」、ピアノ・トランス風のヴォーカル・パートとハード・トランスが合体した「Million Tears」、シンプルでロマンティックなヴォーカル・ナンバー「You」「In The Club」、冒頭の「Moonlight Shadow」と一緒ではないか!と思わず怒る人の顔が目に浮かぶ「Last Unicorn」、ハウス風ポップ歌謡の「Only Love」、メロウなヴォーカルとまたもや使い回しのハードトランス風のパートの展開が無理を感じる「God Is A Girl (Album Version)」、ここまでパクッていいのかと疑問すら覚えてくる「Little June」、哀愁漂う切ないメロディーの佳曲「Far Away From Home」、ピアノとストリングを全面的にフューチャーし、Mellが舌足らずながらドラマティックに歌い上げる「Lullaby For Love」、ピアノのみのクラシカルなアレンジで再度挑んだ(最後の鼻歌などはあざとい演出ですが。。。。)「Moonlight Shadow」、ハード・トランス風のインスト曲「Beat Just Goes」、GOA〜Psy-Tranceっぽい「Are U Ready」までオリジナリティという要素の面ではかなり稀薄ですし、画一的で硬直化したビートはクラブ・サウンドとしては致命的な欠点を抱えているようにも思えますが、「Far Away From Home」「You」「In The Club」等のような曲で聴かれるMellのヴォーカルは歌ものとしてはまずまずの水準を保っているのではないかという気がします。正直に言ってしまえばこのアルバム某中古店で投げ売りされていなければ買いませんけどね。。。。

試聴音源はこちらから

http://music.allofmp3.com/r2/Groove_Coverage/Covergirl/
group_12632/album_1/albref_29/mcatalog.shtml


     
実は仲間由紀恵さんのファンなので、最近意味もなく出勤前にはAsahi飲料のWANDA モーニングショットを飲んでいたりする片桐です。

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というわけで(どういわけかは意味不明)、Julian CopeもHPでレビュって大推薦のサイケな一枚、High Tideの1969年の1stアルバム「Sea Shanties」です。サイケデリック・ロックの中でも割とヘヴィー系のジャンルに属するこのグループはご存知の如くTony Hillのファズを利かせたディストーション・ギターとSimon Houseのヒステリックなヴァイオリンという二枚看板でお馴染みなのですが、ハード・ロック的な感触の音つくりをメインとしながらも、長尺の曲を渦を巻くようにうねりながらテクニカルに展開していく有様は圧巻と言うべきだと思います。強烈なリフと重苦しいリズム・セクション、それに意外とジェントリーなヴォーカルが繰り広げられる「Futilist's Lament」からは漆黒の闇を垣間見ることが出来るでしょうし、9分にも及ぶ「Death Warmed Up」からは正気と狂気の狭間を揺れ動く人間の微妙な動きのようなものを感じ取れるのではないでしょうか?一方で爪弾かれるようなギターに寄り添うようなヴァイオリンの響きのアンサンブルと切り込まれてくるテンション高いギター・ワークとのアンバランス加減が心地よい「Pushed, But Not Forgotten」では世の中の不条理をそのまサイケデリックの枠組みで表現しているようなものにも思えますし、アシッド・フォークを意識したような「Walkin Down Their Outlook」やヴァイオリンが泣き咽ぶような「Missing Out」からは約束された楽園を捜し求める苦悩のようなものが潜まれているような気もします。そして、その約束された土地が実はどこにも存在しなかった時に、幸福を内なる部分に求めていくことを決意したかのような「Nowhere」まで、いろいろと想像してしまうような音の連続に正直いって戸惑ったりもするのですが、本当はそんな風に感じたことをストレートに出してしまえば、作品そのものを矮小化させてしまうことになるし、イマジネーションを限定・固定化させてしまう結果に陥るのでとどめておきたいのですが、ついついオスカー・ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」のサントラにピッタリではないかと思ったりもするのです。

試聴音源はこちらから
http://musik.tdconline.dk/servlets/2452306090224Dispatch/19/call?htmltemplate=./album/viewalbum.htm&albumid=3815663


     
普段はポーランド・ウォッカの代表選手のズブロッカをライム・ジュースで割ったモスコミュールもどきを愛飲しているのですが、ルーマニアのスモモの蒸留酒ツイカをもらったので、この頃はそれをホット・ツイカにして体をあたためている片桐です(笑)。

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というわけで(謎)、マリアッチ楽団でのアコーディオンかトランペット希望というパイクマンさんの「Antenna Blog」でも紹介されていたZach CondonによるユニットBeirutの1stアルバムということは「パイクマンさんに先回りされた音盤を片桐が後追いする」シリーズ第二弾になります。意味深なジャケットと基本的に一人でトランペット、ウクレレ、アコーディオン、ピアノなどを演奏(一部の曲でNeutral Milk HotelのJeremy Barnes やA Hawk and a HacksawのHeather Trostなどがサポート)して創りあげたこのアルバムはインナー・スリーブにも書かれているように東欧やジプシー音楽に傾倒している彼の嗜好性がそのまま表現されているような哀愁に満ちた物悲しくもモノクロームな雰囲気に満ちています。またマリアッチに近いような感触があるのもこのアルバムの要素の一つで、それは彼がニュー・メキシコ州アルバカーキ出身ということがあるのだと思います。まさ「(旧ソ連の)労働収容所のオーケストラ」というタイトルとおりのちょっと苦味走った音とヴォーカルは西欧世界とは一線を画したものを感じざるを得ません。ジプシー・ブラス風のシンプルなメロディが何度もリフレインされる「Gulag Orkestar」、アコーディオンをフューチャーしたワルツ〜ジンタ風の「Prenzlauerberg」、フォルクローレとマリアッチがブレンドされたような(でも、ブラスは東欧ぽい雰囲気あり・・・汗)「Brandenburg」、マリアッチの色彩が濃い音にZachが伸びやかな声で歌う「Postcards from Italy」、アコーディオンとトランペットを前面に打ち出しながら朴訥なスタイルのヴォーカルが心を打つ「Mount Wroclai (Idle Days)」、 このタイトルのHeartlandというのはどこを指すのか思わず考え込んでしまう無国籍風の「Rhineland (Heartland)」、キーボードのボサノバのリズム音源をそのまま借用したようなチープな「Scenic World」、かなり中近東の要素を意識したと思われる東欧的なブラス・サウンドの「Bratislava」、ハバネーラとニューオリンズが合体したようなにぎやかなイメージを喚起させる「Bunker」、ボレーロを下地とした「Canals of Our City」、チェンバー・ポップやキャバレー・ソングとの類似点も感じられる「After the Curtain」まで、録音やZachの声質もあるのでしょうが、戦前のSPのようなレトロな感覚を単にキッチュに処理したのではなく、東欧に対する憧憬や幻想を織り込みながら心象風景を描いていったのではないかと思われる、じわりと心に染み入ってくるようなぬくもりのようなものを感じさせるアルバムという印象を覚えるのです。

試聴音源はこちらから
http://www.amazon.com/Gulag-Orkestar-Beirut/dp/B000F5GO0A




     
幅広く世界の知られざるアーティストを紹介しているkisaraさんの「異国音楽館」でも紹介されていたアルバニア系?(出身はセルビア)のLeonora Jakupiさんの昨年発表のアルバムです。

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この方何枚かアルバムを発表しているようで、サイトを検索すると4枚?程度見受けられますが、片桐個人としてはこの作品と「Krejt Ndryshe」の2枚しか持っていません。
その「Krejt Ndryshe」のジャケット写真ではかなり挑発的だったのですが....俗に谷間買いとか言われそうなのですが。。。。滝汗。
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この自身の名前を冠した「Leonora」では以前のアラブ〜中近東色濃い音つくりに加えて女性らしい繊細な感性を兼ね備えたようなポップ・アルバムに仕上がっています(ちなみにサイトの情報によれば独身です・・・爆)。冒頭でアルバニア系?と書いたのは事情があって、彼女自身は旧ユーゴ・コソボ自治州Skenderaj生まれで、現在は自治州の首都Prishtinaに住んでいることや、父親が内戦で死亡したのをきっかけに作られた「A Vritet Pafajsia ? (Can Innocence Be Killed ?)」という曲がアルバニアでヒットしたということから、おそらく彼女はアルバニア系に属していると思われるのですが確認できなかったためです。アコ・ギのカッティングの背後でエスノ系パーッカションが打ち鳴らされ、ファンクにも通じるリズムもまた心地よい「Prit Edhe Pak」、ちょっとチュルク・ポップに近い感覚の「Kërkon Shumë」、情念を感じさせるような中近東色が濃い(演歌っぽい雰囲気ありますね。。)「As Mos Provo」、アコ・ギとパンフルートがバルカン・ジャズ風のアンサンブルを展開していく「Ende Të Dua」、哀愁漂うような歌メロが中近東の衣装をまといながら流れるように歌われる「Falje Mos Kërko」、アラブ・ポップの色彩が濃い(でも、パンフルートやブズーキ?の音はギリシアっぽいかも・・・滝汗)「Mjaltë E Zjarrtë」、ピアノとストリング主体のスロー・バラードの「Nuk E Dua Jetën」、チュルク・ポップ的にストリングをフューチャーしたハウス風のリズムの「Të Jap Rast」、ギリシアに近い感覚もある「Kush Je Ti」、ボーナス・トラック?のクラブ風にリミックスされた「As Mos Provo – DJ Material」まで、ポップと伝統的な要素を程よくブレンドした曲が次々と楽しめます。それほどエスノ色が濃いというわけでもなく織り込まれているアコ・ギやリズムの使い方はかなりUK-ネオ・アコっぽい印象もあります。

Lenora Jakupiさんの曲やPVをまとめて楽しめるサイトはこちらから
http://leonorajakupi.blogspot.com/


     
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ちょっと前にClock DVAを取り上げたのですが、その時にシェフィールド一派の人脈的なつながりを簡単に述べたのですが、そこでも触れていたのですがMartyn Wareさんの名前が出ればやはりHeaven 17でしょうね。彼とIan Craig MarshはAdi Newtonと共に活動していたのですが、AdiがClock DVAを結成してしまったのを契機に新たなヴォーカルを探す必要に迫られてしまい、とりあえず最初に声をかけたのがGlenn Gregoryでした。しかし、彼に断られて白羽の矢が立ったのがMartin Wareのクラスメートで当時病院に勤務していたというPhilip Okayというわけで、ここから超有名グループHuman Leagueがスタートするわけなのですが、この時期をhello nicoさん曰くの「女性のいないHuman League」期と呼ぶわけです。あ〜だ、こ〜だとやっているうちに、音楽性の対立といったよくある理由でPhilip Okayが名前を引き継いでグループはエレクトリック・アバ時代に突入して「愛の残り火」で一世を風靡する一方で、MartinとIanは再びGlenn Gregoryに声をかけて結成したのがこのHeaven 17というわけで、デジタル・シンセを両手の人差し指2本で弾いた極上のメロディーを幾度となくダビングを重ねたそのサウンドは、しなやかなエレクトロ・ファンクと煌びやかなデジタル・サウンドに満ちていてこの時期のUK NWの作品の中ではトップレベルではないかと思われるほど明るく楽しいタッチに仕上がっています。ギターの小気味よいカッティングやサックスも盛り込んだグルーヴィーな「(We Don't Need This) Fascist Groove Thang」、ゲストのJosie Jamesのキュートなウィスパー・ヴォイスが印象的なエレクトロ・ファンク風の「Penthouse and Pavement」、やはりチョッパー・ベースとシンセ・ブラスが活躍するソウル感覚あふれる「Play to Win」、転がるようなピアノとベース・ソロを前面にフューチャーしながら、ちょっとダークネスな雰囲気も感じられる「Soul Warfare」、ストリング・シンセ主体のテクノ・ポップ風の「Geisha Boys and Temple Girls」、サンバ・ホイッスル風の音を使ったラテン・ポップのエッセンスを盛り込んだ(でも、ヴォーカルはモノローグ風)の「Let's All Make a Bomb」、シェフィールド一派に共通するマシーナリーなビートを持った「The Height of the Fighting」、小刻みなシーケンス・フレーズが繰り返される荘厳なアンセム調の「Song With No Name」、このアルバムの中ではもっともリズムを強調した感のある「We're Going to Live for a Very Long Time」までブラック・コンテンポラリー色の強い旧A面と、比較的エレ・ポップ感覚が濃厚な旧B面とそれぞれ好みが分かれるかもしれませんが、両者共に質が高くマニアックでかつポップな音楽を展開しているという印象があります。ちょっと平板な音つくりという気もしないでもないのですが、この時期を語る上では欠かせない一枚だというのは否定できないと思いますが。。。。。。

試聴音源はこちらから
http://www.cduniverse.com/search/xx/music/pid/1020172/a/Penthouse+And+Pavement.htm

プロフィール

Author:片桐真央(Mao.Katagiri)

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