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不条理音盤委員会 691 Spirea X  「Fireblade Skies」
- 2011/07/17(Sun) -
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Primal Screamの1stアルバム「Sonic Flower Groove」はギター・ポップの中でも奇跡的な名盤だと思うのですが(その割にレビュってないだろうという突っ込みは却下)、そのアルバムを全曲Bobby Gillespieと共に共作し、また儚くも美しい12弦ギターの音を聴かせてくれていたJim Beattieがプライマル脱退後に新たに始めたのがこのSpirea Xです。
シングルを2枚とこの「Firebkade Skies」を4ADから発表した彼らの音はまさに「Sonic Flower Groove」の発展形と言っても間違いはなくグルーブ感と甘酸っぱいポップなメロディが同居しているというギタ・ポ好きにはたまらない一枚です。
あっという間に終わってしまうセミ・アコのギター・カッティングも心地よい「Smile」、ドリーミーなメロがダンス・ビートに乗せて歌われる「Nothing Happened Yesterday」「Speed Reaction」、やはりハウス・ビートにやや攻撃的なギターを被せてモノローグ風に歌われる「Rollercoaster」、2本のギターと逆回転の音が浮遊感を表現した前半部から、インド風の音階を使ったサイケデリックな雰囲気を漂わせた後半部という「Chlorine Dream」、もはや奇跡的な美しさとしか言えない夢見心地あふれる「Fire and Light」「Sunset Dawn」、シューゲイズされたノイジーなギターがダブ風に展開されるインスト曲「Spirea 9」、ブルージーな味つけがまぶされた「Confusion in My Soul」、西部劇風のフレーズがギターで奏でられる「Signed D.C」、マッド・チェスター的な「Sisters and Brothers」「Spirea Rising」まで、90年型ギター・ポップの全てのエッセンスが濃縮された素晴らしい一枚になっていると思います。
とにかくの美メロの連続で、12弦ギターのコード・ストロークから紡ぎだされる音は透明かつ清冽なサイケデリアに富んだもので、そこにJim Beatieの呟きとも囁きともいえないヴォーカルとJudith Boyleのはかなげなコーラスが絡み合う様はまさに別天地への誘いとも呼べるものでしょう。ある意味いかにも4ADっぽい作品です。
惜しむらくはこのアルバム、リリースの年代がちょっと早すぎましたね(笑)。
この微妙感は受け入れられるにはマッド・チェスターはあまりにも大きな障壁でした。
JimとJudithはこの路線を更に発展させるためにThe Adventure In Stereoを結成することになります。
試聴音源はこちらから
http://www.amazon.co.uk/Fireblade-Skies/dp/B001MTZB0C/ref=sr_shvl_album_1?ie=UTF8&qid=1289209856&sr=301-1





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不条理音盤委員会 689 Levitation  「Need For Not」
- 2011/07/13(Wed) -
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ポストUK-NW世代の三大分派バンドといえば、The La’sから分かれたThe Cast、World Partyから派生したThe Lemon Trees、そしてThe Hpuse Of Loveを脱退したTerry Bickers(Vo、G)がChristian Hayes(G)、Laurence O'Keefe(B )、Dave Francollini(Ds)、Robert White(Key )と結成したLevitationと言えるでしょう。
こういったバンドの特徴としては本家のバンドで培った音楽性を更に凝縮したような、濃いとしか言えない音作りなのですが、その例に違わずこのLevitationが92年にリリースした1stアルバム「Need For Not」でもThe House Of Loveの名曲「Cristine」を数百倍増幅させたようなサイケデリック路線をシューゲイザー風味の轟音ギターで表現したと言わんばかりのギター・ポップ・ワールドを展開させています。
疾走感あふれるストレートなR&Rナンバー「Against Nature」、インディ・ダンスっぽいアゲアゲ風の「World Around」、ハープシコード風のシンセ音をフューチャーしたゴス+シューゲイザーといった感のある「Hangnail」、インド風のリフや歌メロが飛びかうサイケデリック感覚あふれる「Resist」、Slowdiveのようなアコースティックな雰囲気が漂うゆるやかなテンポの「Arcs Of Light And Dew」、変則的なクロス・リズムを使った「Pieces Of Mary」、緩やかな曲想の中で断片的なフレーズをつなぎ合わせた印象もある(そのどれもが奇妙なメロ)「Smile」「Embedded」、美しいメロディーを持った「Coterie」まで堅実かつ重厚なギターの音の層を重ねたアルバムになっています。ところどころに顔を出す東洋風のフレーズから考えると、ネオ・サイケというよりはオリジナルなサイケデリックを志向したかののように思われ(ジャケットからも容易に推定出来ますがwww)、そういったナルシスト的な照れの部分をシューゲイザー風味に味つけしたかのようの思えます。
しかしながら、リフや歌メロの一部には魅力的なものがあるものの、曲を通して聴くと案外凡庸なものも少なくなく、結局はTerry Bickersの自己満足だけを見せつけられたような気になっていくのもまた否定出来ません。
ギターの音が若干オフ気味に録られているのは仕方ないとして、ドラムの音が妙に浮き出してきて、またスネアの高音を敢えてカットしたような音にはちょっと不満が残ります。この録音のせいもあって妙にアルバム全体が安っぽく響いてくるのです。。。。。
試聴音源はこちらから
http://www.amazon.co.uk/Need-for-Not/dp/B001K82BPS/ref=dm_cd_album_lnk



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不条理音盤委員会 687 The Bambi Slam 「The Bambi Slam」
- 2011/05/23(Mon) -
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このThe Bambi Slamはバンドというよりはカナダ出身のRoy Feldonのソロ・プロジェクトのようなものでしょう。87年から88年にかけて集中的にいろいろなレーベルから音源をリリースしていますが、88年にBlanco Y Negroから出たセルフ・タイトルのこの作品が事実上最後のものとなります。
アルバムのクレジットにはNatalie Mackayという女性ベーシストとNick Mayyardというドラマー、それにチェリストのLinda Millerの名が記されていますが、MyspaceでのRoyのインタビュー記事やDiscogのレビューを読むと、殆どの演奏をRoyが担当したとあるので、どこまでNatalieとNickがこのアルバムに関わっているのかは不明です。
ギクシャクとしたリズムのガレージ・ロック風のサウンドにチェロのクラシカルな音が絡む不可思議な感触がたまらない「Ba Ba Ba Boom」、ハードなエッジのギターがヒップ・ホップ的なリズムやラップ風のヴォーカルと交錯する「Long Time Comin'」、やたらとドラムの音が派手に録られているストレートなR&Rナンバー「Now」、サイキックなギターが鳴り響く中で牧歌的なメロディーが歌われる「Outa My Head」、RoyとNatalieのデュエットの背後をチェロが優しく包み込むようなアコースティックで奇跡的に美しい前半部から、ゴスに突如と変わる後半部のアンバランスさが見事な「The Awful Flute Song」、Age Of Chanceの某曲に似ているヘヴィーながらも明るい感じのポップ・ソング「Thinkin' 'bout Chu」、ゴスの体裁をまといながらどこかカラリとした印象もある「Summer Smilin'」、Julien DingleのコンガやAkabuというコーラス隊も加わった能天気なカリプソ・タッチ(中盤でいきなり派手なギターが挿入されますが)の「Take Me With You」、ネオ・サイケっぽい雰囲気の「I'm Left Wonderin'」、アコ・ギにチェロが絡むブルースっぽい「So Long!」、そして最後に何ゆえかHidden trackとして「The Awful Flute Song」が再び登場するまで、一くくりしてしまえばもちろんオルタナ・ロックの範疇に含まれてしまいますが、どちらかといえば例にも挙げたAge Of ChanceやPop Will Eat ItselfのようなUKのミクスチュア系に近い印象があるアルバムといった感があります。
さすがにRoy Feldonのソロ・プロジェクトみたいなものと言ってしまったように全編を通じて延々とギターが鳴り響くところはくどさを覚えますが、Linda Millerさんのチェロが入る曲ではその轟音ギターに切り込むが如く、清涼剤のようなエッセンスを注入していて、それが故にオルタナ一辺倒に陥らないメリハリを効かせたものになっています。またAkabuというゴスペル風のコーラス隊が2曲で参加しているのですが、そういった曲ではSpiritualizedの名盤「宇宙遊泳」に通じるような浮遊感を覚えます。Royの突き放したような歌い方もまた魅力的です。
個人的にはかなりハマるアルバムなのですが万人にお薦めというほどでもなく、これを知っているとさりげなく他人に自慢できるという意味で密かな愉しみを含んだ一枚と言えるでしょう。
試聴音源がなかったのでyoutubeから。





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不条理音盤委員会 679 Darling Buds  「Pop Said」 
- 2011/02/05(Sat) -
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お姐ちゃんシリーズ第1回目は、「パツキンというだけで売れてしまった」がテーマです(笑)。
ほんの一瞬だけでしたが、80年代後半に「金髪女性ヴォーカルムーブメント」のようなものが発生しました(笑)。すなわち金髪のお姐ちゃんがキャッチーな60年代ポップを歌うという図式でThe Primitives、Transvison Vampと並んで御三家と呼ばれたのがこのウェールズ出身のDarling Budsでした。
当時19歳だったAndrea LewistyちゃんをHarley Farr(G)、Chris McDonagh(B)、Bloss(Ds)という男性陣が盛りたてるといった雰囲気のこのバンドは、87年のデビュー・シングル「If I Said」がインディー・ヒットしたのを契機にJohn Peelセッションに出演、そしてCBS Sonyと契約、と瞬く間にスターダム・シーンに登場し、翌年リリースされたこの1stアルバム「Pop Said」もチャートの最高位23位という好成績を記録しました。
エンディングに一瞬シタールのような音が挿入されるフラワームーヴメント風の感もある「Hit The Ground」、Andreaちゃんのパワー爆発といったクラブヒット曲「Burst」「Shame On You」、やはり弾けまくりの印象もある「Uptight」、一転してちょっとソフトで優しげなヴォーカルが堪能できる「The Other Night」、後半部にエレクトリック・シタール風の音がキラキラ・ギターと共にサイケ気分を演出する「Big Head」、マイナーなコードの転調具合が不思議な印象を抱かせるややノイジーな「Let's Go Round There」、ギターがオリエンタルなフレーズを奏でたあとは一気に突っ走る「She's Not Crying」、 躍動感あふれる「You've Got To Choose」「Spin」、ドリーミーなポップ・ナンバー「When It Feels Good」、オーケストラ・ヒットも挿入された爆裂ギター・ポップ(エンディングの笑い声のサンプリングはちょっと不気味&意味不明)の「The Things We Do For Love」までとにかく捨て曲無しのタイトでキュートでメロディアスなナンバー満載といった感があります。とにかく全力疾走といった感があるのは12曲演っても35分に満たないというコンパクトさ加減でも理解ると思います。
とはいうものの、元々ポップさを魅力にしていた筈のこのバンドは3分間ポップに飽き足らずこのアルバム以降での作品はブリット・ポップやデジ・ロックの要素を取り入れたりしますが、あまりうまく機能しないままにバンドはあっという間に失速してしまいます。特に捲土重来を期したはずの3rdアルバム「Erotica」が某大物歌手のそれとタイトルが完全にかぶってしまったのは大打撃で、これが引き金となって92年にThe Daring Budsはバンドとしての終止符を打ちます。
このアルバムもCherry Redから再発されていて、またもやCherry Redの方角には足を向けては寝られないのですが、何とこの再発盤ボーナス・トラックが9曲追加の計21曲入りなのでお得と言えばお得とも思えますが、一枚通して聴くとワンパターンぶりにちょっと胃がもたれます(笑)。

試聴音源はこちらから。
http://www.amazon.com/Pop-Said-Darling-Buds/dp/B000GJ28B4



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不条理音盤委員会 670 The Brilliant Corners 「Hooked」
- 2009/09/19(Sat) -

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思えば、ネオ・アコースティックとかギター・ポップが流行していた時期は日本のバブル景気と連動していて、音楽の消費が一段と進行した時期と重なっていたような気がします。本国UKでさえあまり知られていなかったSarahやLa - Di – Daのシングルが日本で容易に手に入るというのも何故か不思議な状況でした。このBrilliant CornresもMcQueenというインディー・レーベルからアルバムを発表しているのにもかかわらず大型輸入盤ストアでは必ず入荷していましたね。このThelonious Monkの名曲から名前を借用したと思われるDavy Woodward(Vo、G)、Chris Galivin(B)、Winston Forbs(G)、Bob Morris (Dr) 、Dan Pacini(Key).の5人組が1990年に発表したこの「Hooked」は名盤の誉れ高い前作の「Joy Ride」の路線を踏襲したちょっとおとぼけ風味のサイコビリー的なエッセンスをまぶしたジャングリー系ギター・ポップが展開されています。そのひたすら究極にポップであり続けた良質でクオリティの高い曲の数々を聴いていると、ちょっとノスタルジックな気分になります。
大仰に録音されたドラムの音も微笑ましい「Long Long Way To Go」、走り回るベース・ラインにエッジの効いたギターが控えめにからんでくる「Where Are The Supremes Tonight」、ノイジーなギターの合間に呟かれるようにナナナ・コーラスがかぶる「The Pope The Monkey & The Queen」、効果的なキーボードの音が耳に残るミディアム・テンポの「Sandy Knows」、ギター・カッティングがファンク風味を添えている「Gone」、フォーク・ロック風の「Positively Lips」、スタジアム・ロックのパロディーかと思われる大げさなロック・ナンバー「Sam」、タイトルに即して多少ブルース色を加味した「Desperate Situation Blues Song」、軽快なR&Rナンバー「Heaven Inside Her」、歌われている内容のせいもあって陰鬱なギター・ラインが全編を支配する「Take The Gun」、まさにジャングリーといった感じのシャカシャカ・ギターとオルガンが印象的な「Subtle As The Bomb」、ネオ・サイケ風にギターを響かせた「Love Is Over」まで、やや単調ながらも安定したバンド・サウンドを従えての歌心あふれる一枚のような気がします。
こういうバンドは今の時代となってはもはや注目されることもなく、多くのUKギターバンドの一つとして埋もれていってしまいがちのは悲しい事実なのではありますが、例えばNirvanaのように間違った伝説化のようなことだけは避けてもらいたいものです。

「Long Long Way To Go」の音だけ。




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不条理音盤委員会 669 The Wolfhounds 「Bright And Guilty」
- 2009/09/17(Thu) -
世の中で一番危険な菓子の筆頭として挙げられるのがブルボンの「ルマンド」であるということは万人が承知していることであろう。丁寧に焼きあげられた薄いココア・クリームのクレープ生地が幾重にも重ねられていて、その上品な甘みは多くの人を魅了するのであるが、その丁寧な作りこそが最大の危険を秘めている。この菓子を食した人は必ず経験しているであろうそれとは、すなわち袋を開ける際にこぼれやすいということである。細心の注意を払っていても微妙な力の入れ具合でハラハラと崩れてしまうのである。そして床やテーブルの上に花のようにクレープ生地が拡がっていってしまうのである。かくしてこのように危険でありながら人々の心をつかんで離さないブルボン・ルマンドは今日も店先で誰かを誘惑しているに違いない。

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という甚だ意味のない前ふりに続いて紹介するのはThe Wolfhoundsが1989年にリリースした2ndアルバムである。このグループはギター・ポップの名コンピ盤である「C-86」に収録されていながら、最も注目されていなかったバンドである。所属レーベルがMidnight Musicということ(初期はPink)もあって同レーベルに相応しいネオ・サイケ的な音を主体に、ジャングリーやアノラックとはやや一線を画したような硬質な音作りが時代的な流れとは相容れなかったのかわずか4年で解散してしまった。David Oliver(B)、Frank Stebbing(Dr)、Matt Deighton(G)、Andrew Golding(G、Key)、David Callahan(Vo、G、B)の5人が奏でる音はあまりにもストレート過ぎたのかもしれない。
シンプルなR&Rナンバー「Non-Specific Song」、The Cure初期を連想させるようなサイキックな「Charterhouse」、リバプール風サウンドの「Happy Shopper」、鳴りもの系の音も耳に残る「Useless Second Cousin」から勢いよくメドレー形式で突っ走る「Ex-Cable Street」、ちょっとノイジーなギターの音色も心地よい「Tomorrow Attacking」、シューゲイザーっぽい雰囲気の「Son Of Nothing」、トラッドぽい歌メロの「Ropeswing」、メロディックなネオ・サイケ・ナンバーの「Rent Act」、 マッドチェスター風のリズムに呟くようなヴォーカルがかぶる「Invisible People」、最後に相応しくギターが炸裂する「A Mess Of Paradise」まで一心不乱の全力疾走でネオ・サイケデリックなギター・サウンドを展開しているのである。やや単調な面もあるのだが、曲によって挿入される金属的なシンセやシンバル・ワークの妙が引きしめる役割を担っていて聴いていて決して飽きるものではない。歴史の中の一枚といったカテゴリーに留めておくにはちょっと惜しいような気もする一枚である。l
彼等の軌跡をたどったベスト・コンピ盤のタイトル「Lost But Happy」の自虐にはついつい哀しみを覚えてしまうのである。
試聴音源はこちらから
http://www.amazon.com/Bright-And-Guilty/dp/B000ZOSHOW/ref=dm_cd_album_lnk

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不条理音盤委員会 668 Zerra One 「Zerra One」
- 2009/09/15(Tue) -
時々ハーブ・ティーが飲みたくなる片桐と言います。
主にカモミール・ティーなのですが、先日何を思ったのかペパーミント・ティーを注文してしまいました。カップに一口口をつけた瞬間に当然の如くペパーミントの香りが拡がるのは言うまでもないのですが、その風味というかこの口腔内への仄かな刺激が何かに似ているなぁ~~と思ったら、歯医者さんで口をすすぐ水でした(笑)。

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と、いうわけでPaul Bell (Vo、Key)、Andreas Grimminger (G)、Adrian Wyatt (B)、Korda Marshall (Dr)のアイルランド出身の4人組Zerra One(Zerra 1とも表記されますが。。。)が1984年にリリースしたセルフ・タイトルのアルバムです。このグループは自らU2とThe Cureに影響されたと語っているとおりのややネオサイケ寄りのギター・ポップバンドなのですが、このアルバムと次の作品(といっても2枚しかアルバムは出ていませんが)のプロデュースはTodd Rundgrenさんというちょっと不思議ともいえる組み合わせで制作されています。
Joy Divisionのような陰鬱なメロディーをもった「Mountains & Water」、U2のような広がりをもったギターやシンセの音色が聴かれる「Tumbling Down」、「Faith」の頃のようなThe Cureそのまんまの重苦しい「Diaries」、中途にチェロが挿入されたエモーショナルな「I Feel It」、疾走感あるポップン・ロールといった感のある「The Other Side」、ギターの細かなカッティングが心地よい「Rain」、ピアノの音がクールな曲の雰囲気を引きしめる役割をしめしているような「I Know」、サビのシンプルな繰り返しが無性に哀愁を誘う「Nothing」、ロカビリー+ネオサイケといった感じがする「Young Love」、ピアノとチェロのみを背景に演劇的なヴォーカルが聴かれる「Children」まで、こういったバンドを評する際によく使われる表現である「青くさい」音が繰り広げられています。どうしてもPaul Bell氏の粘着感あふれる歌い方は前述したU2のBono氏のスタイルを思い出してしまい、そこが好き嫌いの分かれ目ではないと思います。Tod Rundgernさんらしさというところがあまり感じられないプロダクションなのですが、次作の「Domino Effect」ではよりポップな(といっても重苦しさはあまり変わっていないようですが。。。)方向に進んでいきます。

「Mountains &Water」の音だけ・・・・。



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不条理音盤委員会 660 Red Guitars 「Tales Of The Expected」
- 2009/08/16(Sun) -
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インディ・レーベル毎の音というものがあったような気がする。4ADであれば耽美的、Cherry Redであれば清楚、Rough Tradeであれば簡素といった具合にである。もっともそれは最大公約数的なもので当てはまらないケースも多かったが、ジャケット買いならぬレーベル買いという技も存在していたのだ。Jeremy Kid(Vo)とLou Howard(B)が中核となっていたThe Red Guitarsは自分たちのレーベルから作品を発表していたが配給はRough Tradeだった。そういうこともあって彼等の音はシンプルで乾いたギターが特徴的で、常にインディ・チャートでは1位を記録していた。Jeremyが脱退してRobert Holmesが加入した前後にVirginに移籍してこの2ndアルバムを発表したのだが、やはり基本的な姿勢は変わっていない。ちょっとアフロっぽいギターも響いているが内省的に孤独な心情のようなものを切なげに歌っている。どこか寂しく、悲しくなってくるような音楽なのだ。
中間ではノイジーなギター・ソロも聴かれる「Sweetwater Ranch」、キラキラしたギターの音が眩しく感じられる「National Avenue (Sunday Afternoon)」、ボサノヴァ・タッチの切ないラブ・ソング「Be With Me」、やはり切々とした歌声の「Suspicion & Fear」、多少エスノ風に展開していく「Love & Understanding」、R&B風の「Storyville」、サイケデリックな面を打ち出した「House Of Love」、彼等お得意のアフロ・ポップスの模倣である「Trains On Time」、2本のギターが美しく絡み合う「Marianne」、社会的な歌詞を重苦しい曲に乗せて歌った「Baby's Got A Gun」までひたすら地味で抑制されたような曲が続く。たとえポップに展開する部分があろうとも、それは彼等の本質ではなく世間に対して振舞う空元気のようなものなのである。彼等は孤独を楽しんでいるわけではないのだろう。ただ、孤独に陥ってしまった自己を冷静に見つめて、今ある自分の姿を歌詞や曲に反映しているだけなのかもしれない。等身大の自分を飾りげなしに表現している。だから、Robert Holmesの歌声は限りなくモノクロームに近いのである。

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不条理音盤委員会 657 The Reegs 「Return of the Sea Monkeys」
- 2009/08/11(Tue) -
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大体にして本家のChameleonsをやる前に分裂した方を先にやるというひねくれた根性の持ち主の片桐と言います。
Dave Fielding氏とReg Smithies氏というChameleonsのギタリスト2人がGary Lavery氏をヴォーカルに加えたのがこのThe Reegsなのですが、ちょこちょことシングルを出したり、Imaginaryのコンピ盤に曲を提供していたりいるうちにアルバム一枚分くらいになったので、まとめてみようかぁ~~という趣きでリリースされたこの「Return of the Sea Monkeys」というわけで、ジャケットの絵はもちろんReg画伯によるもの。もう片方のThe Sun And Moonと似たり寄ったりなのはご愛敬ということで。。。と、いいながらもMarkが絶対に首を縦に振りそうもないストリング系シンセの多用やノイジーなギターはきっとDave氏の自己主張かと思われ、またまた妙に緩いメロと立体的な音響空間の構築はおそらくReg画伯によるものなのでは?とニヤニヤ推測する楽しみもあるアルバムだったりして……(-。-) ボソッ。
深いエコーの中から歌声が響いてくるKinksのカバー曲「 See My Friends」、バンジョーとブルース・ハープを使った異色のブルーグラス・ナンバー「There A Mother-In-Law In The Club?」、エレクトリックとアコースティックの2本のギターの絡み合いが美しい「This Savage Garden」、重苦しいイメージがある「Chorus Of The Lost」、キラキラとしたギターの音色も楽しげなトラッド風の「Pond Life」、ネオ・サイケというよりはポジパン的な「Start To See」、ヴォーカルに軽くエフェクトをかけたポップ感あふれる「These Days」、本家Chameleonsに匹敵するような素敵なネオ・サイケ曲「Turn It Up」、Velvetsの曲を荘厳な雰囲気でテクノ的にアレンジした「All Tomorrows Parties」まで、コンピ盤という性格もあって収録曲には統一性はないものの、その分Dave氏とReg氏が今までの鬱憤晴らしかのようにいろいろなことにトライしていることがうかがえる作品になっていて、ここで聴かれる音とChameleons(あるいはThe Sun And The Moon)を比較すれば、どうして分裂したのかが容易に理解できると思います。Gary Lavery氏もややMark Burgessよりは弱いのですが、ポップな音に負けないような深みのあるヴォーカルを聴かせてくれています。そして、ここから流れてくる音はなんだかんだ言っても極めてマンチェスターっぽいんですよ。

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不条理音盤委員会 638 The Popguns 「Eugenie」
- 2009/06/01(Mon) -
引き続き麺類関連の話になります。
最近気になるのが和風創作ラーメンとか洋風カフェを意識したようなラーメン店。
本来のラーメンの美味さよりは雰囲気勝負といった感じで可もなく不可もないといった味はおそらく万人向けなので、それなりに流行っているようなのですが、食してみると個人的にはやはり物足りないといった印象が多いような気がします。やはりガツン!と心を揺さぶるような味を求めてしまうのは片桐だけなのでしょうか・・・?

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と、いうわけでThe Popgunsの1stアルバム「Eugine」です。1986年にブライトンで結成されたこのバンドはWendy Morgan(Vo)、Simon Pickles(G)、Greg Dixon(G)、Pat Walkington(B)、それに後にThe Wedding Presentのドラマーとして活躍することになるShaun Charmanの5人組という編成で勢いのあるジャングリー系ギター・ポップを聴かせてくれていました。デビュー当初はMedeium Coolでしたが、後にMidnight Music~Third Stoneとレーベルを渡り歩いて4枚(?)のアルバムと数枚のシングルをリリースしていました。
清涼感あふれる「La La La」コーラスも心地よい「Landslide」から始まって、「Down On Your Knees」「Leave It Alone」と飾りげのないジャングリー系のポップ・ソングが続き、続いて愁いを帯びた歌メロと綺麗なアルペジオが耳に残る「Waiting For The Winter」、グルーヴィーなギターが印象的な「Every Dream」、ノイジーなギターがシューゲイザーを連想させる「Because He Wanted To」、マッドチェスターを意識したような「Someone You Love」、ほんのちょっとだけネオ・サイケっぽい「Those Other Things」、そして最後まで全力疾走といった感じの「Don't Smile」まで、少々地味ながらも2本のギターが奏でるストレートなポップ・サウンドと愁いを帯びたようなWendy Morganさんのヴォーカルに琴線を揺さぶられたりするのですが、やはり飛びぬけた個性というものがあまり無いというのが惜しまれます。特に一生懸命シャウトしたり、声を張り上げて歌うWendyさんは他のジャングリー系バンドのヴォーカルのように表情こそ豊かではありませんが、独特のちょっと鼻にかかったような猫系の歌声は好きな人はハマると思われます。
バックの男性陣もシンプルながら着実なサポートをしていて、タイトなリズムにのせた手堅いアンサンブルでWendyさんを盛り上げているような気がしますが、どうしても小粒という印象は免れませんね。
このバンドの音源、天下のCherry Redから再発されていますので(mp3でも)、興味のある方はどうぞ。

試聴音源はこちらから
http://www.amazon.co.uk/gp/product/B001HK5IGS/ref=sr_1_album_5?ie=UTF8&child=B001HKDDS8&qid=1238492898&sr=1-5

映像悪いのですが「Someone You Love」の映像を。。。



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不条理音盤委員会 632 River Detectives 「Saturday Night Sunday Morning」
- 2009/04/29(Wed) -

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スコットランドはグラスゴー近辺を活動拠点としていたSam Corry(Vo、G、Harmonica)とDan O'Neill(Vo、G、Dr)というデュオRiver Detectivesの1989年の1stアルバム。ネオ・アコ世代にはお馴染みの名前かもしれませんね。ジャケットから連想されるとおりのスコティッシュ系ギター・ポップでメロディアスでアコースティックな音を届けています。シンプルなサウンドながらちょっとカントリー風に色目を使ったりしてもいますが、Chirs Rainbowが一部でプロデュースを施しているせいもあって、全体的には音の一つ一つが際立ちながらも柔らかい感触で響いてくるといった印象があります。
メロディアスなギター・ポップの合間に流れてくる転がるようなエレピの音も美しい「Love's Like a Needle」から始まって、トラッド風のリコーダーを模したシンセのイントロも格好いい爽やか系の「Chains」、ドリーミーな「The State of Grace」、瑞々しい感覚のロカビリー的な「Promises and Spite」、アカペラで歌われるBruce Springsteenのカバー曲 「Factory」、彼等の代表曲ともいえる牧歌的な「Saturday Night Sunday Morning 」、The Blue Bellsにも似たスコティッシュ・ポップ独特の雰囲気が味わえる「Will You Spin Me 'Round」、息の合った二人のハーモニーが切なげな曲調を二人のハーモニーでエモーショナルに歌い上げる「「You Won't Listen To Me」、ギターの音の響きを生かした名曲(感涙もの)の「You Don't Know A Thing About Her」、カントリー・タッチで大らかな印象がある「The Ashes And The Tears」、ブラス風のシンセ音も挿入された楽しいダンス・ナンバー「A Deeper Love」までかかなり良質なポップ・ナンバーばかりが収録された胸キュン系のアルバムだと個人的には思っているのですが、世間的にはAztec Cameraのフォロワーと片づけられてしまって、国内盤もリリースされた割にはあまり見向きもされず、ネオアコ本にも紹介されていないアルバムなのがちょっと悲しいです。

「Chains」の音だけですが。。。。。



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不条理音盤委員会 613 The Lucy Show 「Undone」
- 2009/02/26(Thu) -

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カナダ生まれのMark Bandola (Vo、G、Key)とRob Vandeven (Vo、B)の2人がイギリスに移住してきてPete Barraclough (G、Key)、 Bryan Hudspeth (Dr)を加えてロンドンで結成したネオ・サイケ系のギター・バンドThe Lucy Showの1985年の1stアルバムです。The Cureの全英ツアーのサポートを務めて人気を博したというエピソードがあるように、ギターのフレーズやストリング系のシンセの使い方には「The Faith」の頃のThe Cureの姿も見え隠れする音作りなのですが、比較的ポップな色合いも十分感じられる一枚です。
2本のギターの絡みが美しい「Ephemeral (This is no Heaven)」、割とアップテンポの曲調に悲痛な叫び声にも似たヴォーカルが印象的な「Resistance」、ネオ・アコ風の「Come Back To The Living」、重いベースのフレーズが特徴的な典型的なネオ・サイケ・ナンバー「The White Space」、タイトルとは裏腹に後半に進むにつれて徐々に高揚感を増していく「Wipe Out」、初期のNew Order~Section 25のようなシンセやリズム・プログラミングの使い方がこの手のバンドにしては珍しい「Twister」、エンディングにはテープの逆回転も挿入されたJefferson Airplaneを思い出すような「Undone」、跳ねるようなリズムの「Remain」、畳みかけるようなリズムと荘厳な音を使用したシンセ、流麗なヴァイオリンと、これまた異色の雰囲気を覚える「Better On The Hard Side」、短いリフが幾度となく繰り返される「Remembrances」、当時こういったバンドのアルバムには必ず入っていたウェスタン風の「Dream Days」まで、この方面のアルバムを聴いてきた方にとってはお馴染みになった深いエフェクトのギターやベースが曲を支配するといったパターンの曲が続いていくわけなのですが、ギターのカッティングやMark Bandolaの歌い方、あるいはメロディー・ラインにはUK出身者ではないどこかカラリとした耳触りがあり、また「Twister」や「Better On The Hand Side」のようにNW寄りを意識したようなサウンドも聴かれ、典型的なネオ・サイケのバンドとは言い難いようなどこかとぼけた印象もあります。
それしにても、2ndアルバムの「Mania」は再発されているのに、これがCD化されないのは何故?

My Spaceで2曲聴けます(3・4は2ndアルバムの曲)
http://www.myspace.com/thelucyshowmusic


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不条理音盤委員会 547 Malcolm Ross 「Low Shot」
- 2007/10/15(Mon) -
街中で殴りあったかと思うと、突然抱擁してキスを始めたカップルを見かけてしまった片桐と言います。そのとき、思い浮かんだ言葉がフランスの小説家・批評家であるアナトール・フランスのこの言葉。「恋は単純で原始的な行為である。それは闘争である。それは憎しみである。恋には暴力が必要である。相互の同意による恋愛は退屈な労役にすぎない」。。。。爆。
何にしろ、恋に燃え上がるのは良いことなのかもしれないのですが、ほどほどにしてもらいたいものです(笑)。
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というわけで、Josef K → Orange Juice → Aztec Cameraとスコティッシュ・ギター・ポップバンドを渡り歩いたギタリストMalcolm Rossさんの1995年のアルバムです。この人もまたフロントマンに隠れがちの目立たない存在で、いつもセカンド・ギタリストとしてのスタンスを強いられていましたが、Marinaから発表されたこの「Low Shot」と「Happy Boy」はこれまでのキャリアを総括するような爽快なサウンドと、直球一本勝負といった具合のポップ・サウンドを、聴かせてくれています。特にこのアルバムにはかつての盟友Edwyn Collinsもプロデュースで参加してちょっとアメリカン・ライクなフォーキー・サウンドを展開しています。今までカラリと乾いた音色のギターを奏でていたMalcolmさんなのですが、ここでは適度に湿気を含んだ風合い感のようなものを感じさせ、Aztec Cameraの「Knife」での彼の貢献ぶりがうかがえるような気もします。
タイトなリズムで疾走する「Low Shot」「Big Woman」、思う存分ギターをかき鳴らしているMalcolm Ross氏の笑顔が思い浮かぶような「Home Street」、サウザン・ロックに色目を使ったごとき「Another Year, Another Town」、アコをフューチャーした、ちょっと異色にも思えるヨーロピアン風の「My Avenger」、カントリー・ロックの「Tried So Hard」、エッジの利いたギター・ワークが印象的なファンク調の「Hiram's Dead」、ノーザン・ソウル風の「Frogs And Grass」、ストレートなR&Rナンバー「One More Day」、アーシーな雰囲気が漂う「Scarface」、ミクスチュアー的な音にチャレンジしたかのような「Round And Round」まで、バラエティに富む楽曲が並んでいるわけですがその姿勢はまさにギター・ポップの真髄というか、ギター小僧の面目躍如というべきか。。。。とにかく先日のPaul Quinn氏とは別の意味でネオ・アコ好きな人間にとっては心が躍ってしまうようなアルバムなのでありました。

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.de/musik/genre/band/010000/265261/32_94804


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不条理音盤委員会 545 Paul Quinn & the Independent Group 「Will I Ever Be Inside Of You」
- 2007/10/04(Thu) -
The Mighty Wah!のPete Wylieという人は膨大なディスコグラフィーがあるのですが、なかなかセールスに結びつかずに、彼のHPには「PART-TIME ROCK STAR,FULL TIME LEGEND」などと自嘲的な言葉が書き連ねてあったりするのですが、そのリバプール感覚あふれるサウンドは決して悪友のJulian CopeやIan McCllouchと比べても遜色はないと思うのですが。。。。(昔はこの3人の中で一番イケメンだったんすよ)。
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というわけで、ネオ・アコースティック、いわゆる「ネオアコ」といったジャンルから飛び出してきたOrange Juiceは爽やかなギター・ポップの中にモータウンやソウルといった隠し味がこめられたグループで当時のおしゃれ人間を自称する人にとっては必須のアイテムだったのですが、その中心人物であるEdwyn Collinsの幼馴染で、彼らのアルバムにもゲスト参加していたのがPaul Quinnです。French Impressionistsでのゲスト・ヴォーカルを経て結成したBourgie BourgieやEdwyn CollinsとのデュオでVUの「Pale Blue Eyes」をカバーしたりと、音盤自体は高く評価されているにもかかわらず地味な印象がある彼なのですが、90年代に入って新たなバンドThe Independent Groupを結成して2枚のアルバムを発表しています。この「Will I Ever Be Inside of You」は2ndアルバムにあたり、ノーザン・ソウルをそのままスコットランドの空気で翻訳したようなハート・ウォームな緩やかなメロディーに包まれて、まさに老成したかのような声に癒されるような作品になっています。
ヒーリング系のようなケルト風のオーケストレーションや女性ヴォーカル、、ハード・エッジなギター、Paul氏の太い声による味わい深いヴォーカルと1曲の中に様々な要素を詰めこんだ9分もの大作「Will I Ever Be Inside Of You」、スコティッシュ・ポップのエッセンスあふれる「You Have Been Seen」「A Passing Thought」、前衛的なSEも挿入されたソウルフルなPaul氏の声が切なく響き渡る「Lover, That's You All Over」、レトロなカクテル・ジャズ風の小品「Mooreeffoc」、モータウンを意識したような透明感あふれる「Outre」、ゴスペルっぽい感じもある「Misty Blue」、80年代UKギター・ポップを思い出してしまうロマンティックな「Stupid Thing」「At The End Of The Night」まで派手さこそないのですが、ゆったりとしたリズムの中で煌くようなギター・ワーク、さりげないストリングの使用といったように、この手の音を聴いてきた人にとっては心の琴線が揺さぶられてどうしようもない作品に仕上がっていると思います。イメージ的にはPost Cards勢というよりはLloyd Cole And The Commotionsに近い印象もあるのですが、いずれにしろ深夜にテキーラでも片手に一人でゆっくりと聴きたいような一枚であります。

試聴音源はこちらから
http://www.marina.com/ma7.html



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不条理音盤委員会 523 JUPITER 「ARUM」
- 2007/07/24(Tue) -
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このバンドの詳細は不明です。
ネットで検索しても殆どヒットせず、Yahooのオークションにそれなりの価格で出品されていることから、リリース数そのものもそんなに多いわけでもなく、またレーベルがSummershineということやインナーの連絡先からオーストラリアのバンドだと推定される程度です。おそらく片桐も雑誌でレビュられていたのを記憶して買ったのだと思います(購入店は新星堂立川店です・・・笑)。Chris Stephens(G、Key)、Alison Galloway(Dr)、Simon Mclean(Vo、B)の3人からなるこのJupiterが1992年に唯一発表したアルバム(というよりは既発表のシングルのコンピかも・・・)「Arum」はシューゲイザー的なサウンドをメインとしたギター・ポップな音を聴かせてくれています。
ネオ・サイケデリックの色彩が濃く、エコーの彼方から声や音が木霊のように鳴り響いてくる「Leave The Ground」、どこかCocteau Twinsを思い出してしまうような(Voは男性ですが・・・)「T」、ゆったりとした歌メロに反比例するかのようにギターとドラムが徐々にヒート・アップしていく「Carefully」、レイヤーされた音の壁が非常に快い「Lost」、シューゲイザーとマッド・チェスターが合体した如き リズミカルなベースとリヴァーヴを駆使したギターの音色が対象的な美しさを示す「Sense」、シューゲイザーを通り越してもはやポジティヴ・パンクの域に達したギター・ワークが眩しい「Glow」、よく歌うベースをメインにしたアップ・テンポな「New」、モノローグ調のヴォーカルにスペース・ロック風の音を絡ませた「Day 1」、リバプール的な歌メロを持つ「Meltdown」まで、典型的なあの音が続くのでこの手の音が好きな人にはたまらない一枚になっているのですが、今回改めて発見したのはそんなギターワークを排除すると、そこから浮かびあがってくるベースラインのフレーズやSimon Mcleanの歌い方といいまさにJoy Division的なのでもありました(特に後半の5曲)。これ、ハマる人はもろツボに来るのではないのかと思うのです。

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不条理音盤委員会 508 Bill Drummond 「The Man」
- 2007/06/23(Sat) -
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南アフリカ生まれでスコットランド育ちのBill DrummondことWilliam Ernest Drummondといえば、アンビエント・ハウスの創設者として名高いThe KLFのメンバーというのが一般的なのですが、元々はBig In JapanのメンバーとしてHolly JohonsonやBudgie、Ian Bloudieという豪華な面子と共にその音楽的なキャリアをスタートさせたわけで、解散後はDavid Balfeと共にZoo Recordsを設立し、そこからEcho & The BunnymenやThe Teardrop Explodesから旅立っていたというのは有名な話で、Julian Copeの2ndアルバム「Fried」の中で「Bill Drummond Said」という曲があるようにJ.Copeとは悪友の仲なのであります。
この「The Man」はそんなBill Drumondが1986年に発表した唯一のソロ作品でAllan Macdonald、やDavid &Robert McComb というオーストラリアのThe Triffidsのメンバーのサポートを受けながら、スコティッシュ~リバプールに通じる繊細なロック感覚とカントリーやフォークといった大らかなセンスをうまく融合させたSSW風の出来に仕上がっています。カントリー・タッチのロカビリーといった雰囲気の「True To The Trail」「Married Man」、ピアノの荘重な響きを背後に朗々と歌い上げ、サックスのブロウがセンチメタルさを煽るというリバプール勢にしてはやや意外な感じもする「Ballad For A Sex God」、とぼけたケルティック・トラッド風の「Julian Cope Is Dead」、ブラスやハモンド・オルガンも導入したThe Mighty Wah!風の「I Want That Girl」、シンプルなリバプール風ポップ「Going Back」、スライド・ギター風の音色が不思議に穏やかな印象を与える「Queen Of The South」、逆説的なタイトルにBillのシニカルな姿勢を覚える「I Believe In Rock And Roll」、Teardrops風のメロに自虐的な歌詞がかぶる「I'm The King Of Joy」、アフロっぽい演奏にのせて自伝的な歌詞が歌われる「Son Of A Preacher Man」、メインのナレーションに前衛的でもあり、宗教的でもあるサウンドを重ねていった「Such A Parcel Of Rogues In A Nation」まで、シリアスな雰囲気を感じるジャケットとは裏腹に一筋縄ではいかないような音が次々と流れ出てきます。またちょっとクセがある野太い感じのBillの歌声もまた耳について離れないといった独特の感覚に満ちあふれているという印象があります。

試聴音源はこちらから
http://mp3city.com.ua/download-item/75153.html




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不条理音盤委員会 449 Dislocation Dance 「Midnight Shift」
- 2006/12/16(Sat) -
いつも行くカレー店の女主人は以前にも述べたのですが、ちょっと泉ピン子さんに似ていて、それも顔だけではなく喋り方や性格もそっくりなので、インド的な装飾に満ちあふれている店内でサリーに身をつつんで接客をしている時もついついここが「幸楽」ではないかと思ってしまうのは、某テレビドラマのせいなのは明白で、そう思うのは片桐のみならず他の常連客も同様に思っているらしく、挙句の果てには当の本人さえも笑ってそれを肯定しているのですが、何はともあれこの店のカシミール・カレーは病みつきになってしまうこと間違いなしという美味さの絶品なのであります。

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というわけで、マンチェスター出身のバンドDislocation Danceが1983年にRough Tradeから発表した3rdアルバムなのですが、CD化に際してはシングル曲が6曲も入っているという大盤振る舞いの一枚です。とはいうものの実はVinyl Japanから出た時に買い損ねていたのをLTMから入手した片桐なのでありました。ネオ・アコースティックなポップ・サウンドが身上の彼らはIan RunacresとKathryn Wayという男女のヴォーカルをメインに、ちょっとジャジーだったり、ファンキーだったりと一筋縄ではいかないメロを奏でていたのですが、ここにいたって後にPale Fountainsでも泣きのトランペットを聴かせてくれるモヒカン男Andy Diagramが加入したことによってさらに音楽的な幅が広がったバラエティに富む音に仕上がっています。ライト・ファンク風のギターにファンカラティーナ(懐)っぽくトランペットが絡む「Show Me」、スカっぽい雰囲気にAndyが自由に吹きまくるといった感がある(唐突な終わり方もいとよろし)「I'm Doing Fine」、Ianが気だるい声で愛の予感を歌うトロピカル・ムードあふれる「Here Comes Love」、ボサ・ノヴァっぽいお洒落な感覚の「Remind Me」、映画の1シーンを思い浮かべてしまうようなストリングを効果的に配した「Tyrannies of Fun」、レゲエ~ダブのエッセンスを組み込んだ「Open Cages」、ポルカ風味も楽しい「Baby Blue」、ジャングリーなパ・パ・パ・ソングの「With a Reason」、ハイライフ~リンガラといったアフロ・ポップを意識したようなギター・ワークやIanの歌い方が印象的な「Mr Zak」、ジャジーな雰囲気の「Bottle of Red Wine」、いかにもNWといったギターの音色の中でKatherynが切なげに歌う「Midnight Shift」、タイトルに相応しくフレンチ風でムーディーな「San Michelle」まで、割とスカスカでチープな音つくりなのかもしれませんが、逆にそういった何気なさが今聴くと新鮮なのかもしれません。オリジナルのジャケットを知っている人は理解ると思うのですが、普段明るく振舞っている人のちょっと内省的な面を垣間見たようなそんな気がするアルバムです。ボーナス・トラックのシングル集もまた同様なのですが、「Show Me - Dennis Bovell Mix」は原曲を見事なまでに解体~ダブ処理した一品で、別な意味で聴きものの一つとなっています。

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/28862/summary.html?from=13358




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不条理音盤委員会 439 The Big Dish 「Swimmer」
- 2006/11/07(Tue) -

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Steven Lindsay(Vo, G, Key)、Brian McFie(G)、Raymond Docherty(B)の3人組だった頃のBig Dishが1986年に発表した1stアルバムです(後にドラムのSkip Reidが加入して4人組になります)。スコティッシュ系のバンドということもあって、ギターポップがメインなのですがドラマー不在のせいもあって打ち込みやキーボードを積極的に活用し、また元Deaf SchoolのIan Ritchieがプロデュースしたということもあって温もりを感じるようなポップ・センスをどこか老成したような感のあるスケールの大きなロマンティック風味で包んだという感があります。その他のスコティッシュ勢とは異なったAORやSteely Danに近い印象も少なからず感じられますが、全体的にはスコティッシュの土地柄とも言うべき職人肌でありながら、何となく垢抜けないのんびりとした雰囲気を漂わせているような印象もあります。どこか大らかでほのぼのとした印象のある(mattsmoodさんによれば、オリジナル・シングル・ヴァージョンはもっと素晴らしいそうです)「Prospect Street」、Ian Ritchieの趣味なのか ソウル的なホーンも取り入れた「Christina's World」、Steely Danぽい都会的な雰囲気を醸し出した「Slide」、個人的にはこのアルバムの中で一番好きな、爽やかネオ・アコ・ポップの典型ともいえそうな「Big New Beginning」、キラキラとしたギターを効果的に響かせた「Another People's Palace」、大仰な打ち込み音を背景にロマンティックな音が繰り広げられる「Swimmer」、重ねられたハーモニー・コーラスとバグ・パイプを意識したようなギターの音色が印象的な「The Loneliest Man In The World」、タイトル通りにメランコリックな音が綴られる「Jealous」、徐々にソウル~R&B的な感覚の音が重ねられていく「Her Town」、やはり、ファンキーなホーン・セクションやフリーキーなサックス、チョッパー・ベースが聴かれるSteely Danぽい「Beyond The Pale」、実験的な要素も織り込んだアンセム風の「Second Swimmer」、シンプルなギター・サウンドに仕立て上げた「From The Neighbourhood」、やはりスコティッシュ・ポップの王道をいくような「Back Door Bound」までちょっとクセの強いSteven Lindseyの歌声をメインにしたほのぼのとしたサウンドが綴られていくわけなのですが、やはりどことなく鷹揚としたゆったり気分に浸れるアルバムだという気がします。それにしても「Prospect Street」のシングル盤欲しい・・・涙。

試聴音源はこちらから
http://music.allofmp3.com/r2/Big_Dish/Swimmer/group_6198/album_1/mcatalog.shtml?albref=25

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不条理音盤委員会 424 14 Iced Bears 「Wonder」
- 2006/10/05(Thu) -

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ジャケットが秋っぽいので。。。。
Sarahのアーティストが日本でも人気が出始めた頃に、SumeershineやLa-Di-Daといった同傾向の優良ギター・ポップ・レーベルも注目されるようになりましたね。とはいうものの、そういったギター・ポップはヘタウマとか稚拙とか音楽雑誌では酷評されていたりもして、無論そういった評価は半分は当たっているわけで、だからこそメジャーにはなれずにインディーで細々とやっていたというのも理解るような気がするのですが、そんなLPやらCDを日本のマニアックな人たちが買い集めていて当のミュージシャン本人も日本での人気に驚いたりしていたというのもまた某ファンジン系の雑誌で読んで苦笑したものです。Rob SekulaとKevin Canhamを中心とする4人組の14 Iced Bearsが1991年に発表した1stアルバムの「Wonder」もそういったムーブメントの中でさりげなく発売されたもので、片桐が持っているこのCDには新星堂立川店の商品管理シールが未だに貼ってあったりするわけです(笑)。ギターのフレーズが中近東風のためかちょっとThe Cureの某曲に近い印象もあるサイケデリックな「Hold On」、ダウナーなイメージが強い「Heaven Star」、マンチェ・ビートを導入してThe Farm風のポップ・ナンバー「Smooth In the Sun」、Blind Mr.Jonesの某曲のパクリとしか言えない「These Are The Things」、ファズ・ギターと深いエコーが目いっぱいかかったヴォーカルが印象的な「When It Comes」、ネオ・サイケ的な色合いが濃い「Rare(Like You Are)」、Stone Rosesを意識したかのようなグルーブ感とモノローグ風のヴォーカルの対比が不釣合いのような気もする「Love On A Sugar Mountain」、ノイジーなパンク・ロック風の「Eyes」、テープの逆回転やフィード・バックが交錯していく、風変わりなシューゲイザー的な「Red Now」までオリジナリティーという面ではかなり欠けている気もするのですが、とにかくファズ・ギターをこれでもかと言わんばかりに炸裂させる様子は爽快でもあります。結構ポジティヴなようで実はネガティヴ、それでいてドリーミーな歌メロという組み合わせがどこか耳に引っかかって仕様がないアルバムですね。

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/476041/summary.html
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不条理音盤委員会 415 FELT 「Me and a Monkey on the Moon」
- 2006/08/27(Sun) -
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先日オオシマさんからいただいたコメントにあったFELTが1989年に発表した10枚目のアルバム「Me and a Monkey on the Moon」です。アルバムの制作前後にバンドそのものも解散を表明し、デビュー以来自分なりの表現方法を模索してきたLawrenceの最終到達地点としての意味合いも含んでいるためか、これまでの彼らの作品で聴かれた音が目いっぱいつまっているような印象もあります。Rose McDowall、Peter Asto、Robert Youngといったゲストを迎えて、Adrian Borlandがプロデュースを担当したこの作品はelからリリースされました。Lawrence曰く、「このレーベルのロゴを使いたかった」という単純な理由らしく、ジャケットのバンド・ロゴにはf el tと記されていますが、最後の最後でかなりお茶目なことをやってくれたものだと感心しますね。ストレートで優しい感じのポップ・ナンバーをEx: Strawberry SwitchbladeのRoseと共に歌う「曲目「I Can't Make Love To You Anymore」。軽やかなギター・サウンドの「Mobile Shack」、Martin Duffyのピアノに導かれて、Maurice Deebankのことを歌ったと思われる(歌詞の中の古い友達に会いに行こうと思う/もう何年も会っていないのだけど/僕らは一緒に曲を書きバンドをやっていた/本当はあいつの好みの音じゃなかった/だからあいつはバンドをやめてしまった/だけど僕は今でもここにいる、というのはやはりM.Deebankのことでしょうね。。。)「Free」、ネオ・サイケなギターに乗って、少年時代の奇妙な体験を歌う「Budgie Jacket」、クラビネットの響きが耳に残る素敵なラブ・ソング「Cartoon Sky」、LawrenceによるFeltの終了宣言ともとれるシンプルなロック・ナンバー「New Day Dawning」、いかにもFeltらしい呟き系ヴォーカル・ナンバー「Down An August Path」、キラキラしたギターとハモンド・オルガンという後期Feltの代表的サウンドの「Never Let You Go」、オルタナっぽいギターの音が特徴的な「She Deals In Crosses」、カントリー風の快いギター・サウンドの「Get Out Of My Mirror」まで、いつもと変わらない神経質的で繊細なギター・ポップが展開されています。FELTが音楽シーンに何か大きな功績を残したのかと言えば多分大したことはしていないと思いますし、永遠のB級バンド的な地位的な評価しかされないとも思います。しかしながら彼らはデビュー当初から解散に至るまで永遠に色褪せることのないエヴァーグリーンな輝きを持ち続けていました。数あるギター・バンドの中でも本当に繊細な歌声のLawrenceは希有の存在だったと思うのです。
試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/135300/summary.html
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不条理音盤委員会 404 The Field Mice 「Coastal」
- 2006/08/04(Fri) -
先日、借猫パイクマンさんに突っ込まれたので……(-。-) ボソッ。
あまりに暑いと普段以上にやる気がなくなってきてしまい、ニョロニョロとした日々を送ってしまったりするわけで、だからといって空腹だけは感じてしまうので、仕方なしにヨーグルトに桃缶(白桃よりは黄桃が好きなのです)という口当たりの良さそうなもので簡単に食事を済ませてしまう片桐です。

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というわけでバーミンガム出身の5人組のThe Field Miceが1991年に発表したシングル編集盤です。ネオ・アコとかギター・ポップとかいう枠組みの範疇の中では、割と小粒な存在なのかもしれませんが、感受性豊かなギター・ストロークに導かれて紡がれるメロディー・ラインは時には繊細に、時にはアグレッシヴに聴こえますがその根底にある青白い炎のようなナイーブな感情が聴く人の心とシンクロするような作品集ではないかと思います。気持ちのよいリフとBobby WrattenとAnnemari Daviesが涼しげなデュエットを聴かせる「September's Not So Far Away」、チェロの幽玄な響きと適度なヴォーカルのエコーが空間的な拡がりを感じる「So Said Kay」、ベースとピアノが印象的なフレーズを奏で続ける「The Last Letter」、ノイジーなギターをフューチャーしたポップなロック・ナンバー「Sensitive」、ダンサンブルな「This Love Is Not Wrong」、彼らの代表的なナンバーとも呼ぶべき人気曲(らしいです)「If You Need Someone」、憂愁に満ちたギターの音が耳に残る「Anyone Else Isn't You」、横揺れのような微妙にゆるやかなグルーブ感が心地よい「Couldn't Feel Safer」、Saint Etienneがカバーしたことでも知られる、テクノ的な音も使った「Let's Kiss And Make Up」、アシッド・フォーク調の「Below The Stars」、ドリーミーなサイケ風味がたまらない「Quicksilver(やはりあのバンドをイメージしたのでしょうか・・・)」「It Isn’t Forever」、ほのぼのとしたデュエットナンバーの「When Morning Comes To Town」、センチメンタルさに満ちた「Between Hello And Goodbye」まで、コンピ盤という性格上統一的なイメージを持ちがたいという欠点こそありますが、キーボードやシンセの音色に味付けられたサイケデリックな感覚や、アルペジオ主体ながら独特のフレーズを奏でるギター・ワークといった部分も含めて時々聴きたくなってくる一枚なのです。


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不条理音盤委員会 365 THE SWEETEST ACHE 「Jaguar」
- 2006/05/19(Fri) -
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Sarahレーベルという名前だけで買っていた時期があります。
結局は大同小異のネオ・アコースティック寄りのギター・ポップだったわけなのですが、どこか心に残るアルバムというのもあるわけで、この1991年発表のTHE SWEETEST ACHEの唯一のアルバムであろう 「Jaguar」という作品はどういうわけか時々聴きたくなります。彼らはウェールズ出身の6人組なのですが、紡ぎだされるという表現がぴったりのその音はシンプルなアコースティック・ギターにさりげなくオルガンが絡むといった繊細さが特徴的で、まるでSarahのレーベルカラーに相応しいというか、良心の塊というべきか。。。。感情を極力抑制したかのように何気にさりげなく呟くような音のどれもが雲母の結晶のようにキラキラと輝いているような印象があります。ソプラノ・ヴォイスの女性ヴォーカル(Thanks欄のLouise?)がドラマチックな音の中を切なげに歌う「Briaris」、霞のようなストリング系シンセとアコ・ギのアルペジオが印象的な「Capo」、2本のギターの独自のフレーズを奏でながら絡む「She Believes」、Sea Urchinsのようなドリーミー・サイケの雰囲気が漂う「More Than This」、テープの逆回転音やギター・ノイズといったアグレッシブな展開が後半から顕著になる「Jaguar」、80年代のギター・バンドに通じるようなポップな感じも鮮明な「Bitterness」、ナレーション?と風変わりなドラムのリズムが耳に残り、意図的に金属的な音色に処理されたギターが宙を舞う「Climbing」、静謐なムードの中をゆったりと歌が流れていく「Selfish」まで、曲のテンポがミディアム一辺倒だったり、個性があまり感じられないといった弱点は確かに認められますが、全体的にはJ&MC及びMBVを通過してきたというノイジーな面とSarahの特徴であるアコースティックな部分をうまく折衷させたギター・ポップの佳作だと思います。個人的には1曲目のような女性ヴォーカルが全編にフューチャーされているとよかったと思ったりもします。
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不条理音盤委員会 359 The Mock Tutles 「Turtle Soup」
- 2006/05/11(Thu) -
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「不思議の国のアリス」に登場する「にせ亀(Mock Turtle)」に由来があると思われるマンチェスター出身の5人組のThe Mock Tutlesの1991年の1stアルバムです。タイトルは「Mock Turtle Soup」という海亀のスープに見立てて、子牛を使って作る緑色のスープのことで、ジャケットに使われている料理がそれだと思われます。アルバム発表以前には数多くのコンピレーションにバリバリのネオ・サイケの曲を提供していた彼らでしたが、このアルバムではマッドチェスター・ブームに便乗したインディ・ダンス系のサウンドを取り入れながらも、泣きのギターとスイートなメロディーが共存するといった独自のスタンスで個人的には好感を覚える一枚でした。ネオ・サイケ・サウンド全開の「Kathy Come Home」、 ひねくれたコードとリズム・チェンジが面白い「Head Run Wild」、浮遊感のあるキーボードの音色が耳に残る「Lay Me Down」、 直角的なビートにハードなギターが絡む「Another Jesus Walks on Water」、甘い歌メロと美しいギターワークが交錯するギター・ポップの佳曲「Oh Helen How?」、 XTCのようなキーボードの使い方とひたすら泣き続けるギターが耳に残る「How Does It Feel?」、コーラス・ワークがまた涙を誘う「And Then She Smiles」、アコ・ギとストリング・シンセが哀愁を表現した中で切ないヴォーカルが心を打つ「Willow Song」、躍動的なリズムにのせたパワー・ポップ的な「Mary's Garden」、何度もリミックスされてクラブでも人気があるトランス感覚あふれる「Can You Dig It?」、 歌心いっぱいのギターがさりげなくヴォーカルをサポートする「Wicker Man」まで、ギター・ポップが好きな人にはたまらない一枚だという気がするのですが、このバンドの最大の不幸は当時のインディ・ダンス全盛の頃にこれだけストレートなネオ・サイケを選択したということになるでしょうか。。。?彼らのことは雑誌などでもたびたびピック・アップされて好意的なレビューもされていたのですが、どうしてもその他大勢の枠組みに押し込められてしまって実際に彼らの音を聴いた人は案外少ないのではないでしょうか???

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/10798/summary.html
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不条理音盤委員会 351 The Jazz Butcher
- 2006/04/21(Fri) -
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ギター・ポップという通常の枠では収まりきれない才能とDavid JやらKevin Haskins、Rolo McGinty、Alice Thompson、それにMax Eiderという才人を引き連れても、Pat Fishという人の本来のボヘミアン的な性格は一向に治癒する気配はなく、相変わらずB級センスに満ちたスカスカのギター・サウンドとフニャフニャで半分ふざけているようのではないか?と錯覚するような歌声のアルバムを作り続けているわけですが、この「Distressed Gentlefolk」はそんなPat Fish = Jazz Butcherの“Jazz Butcher Conspiracy”名義での1stアルバム(通算4枚目)です。個人的にはどんなに音の趣向を凝らそうともPatの独特の声だけで十分満足出来るのではありますが、このアルバムでもシンプルながら様々なスタイルのギター・ワーク(勿論半分はMax Eiderの手腕によるものですが・・・)を背景に脱力感あふれる歌声を聴かせてくれています。ほのぼのとしたC&W調の「Falling in Love」、ストレートでちょっとノイジーなR&Rナンバーの「Big Bad Thing」、ミディアム・テンポのフォーク・ロック風の「Still in The Kitchen」、清涼感たっぷりのギター・ポップ(どこがハンガリーなのか不明・・・笑)の「Hungarian love Song」、ジャズ風のサウンドが限りなくインチキくさい「The New World」、スイングを気取った小粋な「Who Loves You Now?」、エスノっぽい雰囲気を漂わせた「Domestic Animal」、マカロニ・ウェスタン的なサウンドにサイケデリック感覚をまぶした「Buffalo Shame」(超有名曲「Spirit In The Sky」の換骨奪胎という話もありますが・・・・)、ネオ・アコという言葉がぴったりの「Nothing Special」、初期のFeltにも似たネオ・サイケ風の「Angels」まで、Pat Fishがとぼけながらも楽しんでやっている姿が目に浮かぶようです。このアルバムを最後にMax Eiderは一時Jazz Butcherを離れてソロ活動を行うわけですが、そういった意味でこのアルバムとMaxの1stソロアルバムは兄弟のような関係にある一方で、PatとMaxがどういったところで袂を分かつようになったのかうかがえるのが理解る作品でもあります。

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/8405/summary.html
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不条理音盤委員会 339 Monster Movie 「To The Moon」
- 2006/04/06(Thu) -
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CANのアルバムではありません(誰に言っているんだ……(-。-) ボソッ。・・・爆)。
SlowdiveのギタリストChristian SavillとEternalのSean HewsonによるデュオMonster Movieが2004年に発表した2ndアルバムです。ポップ・センスあふれるシューゲイザー的な音にサイケデリックな電子音をミックスさせた音響系に属するサウンドを軸としながらも、微妙なアコースティック感覚やトラディショナルのエッセンスを散りばめた仕上がり具合がまた歌ものとしての雰囲気をも十分に引き立たせてくれているような気がします。思わずスキップしたくなるような躍動感あふれるメロディーの「Sweet Lemonade」から始まり、バンジョー?のような音とギターのユニゾンの中をLouise Hewsonの儚げな声が舞う「Dream About You」、ヴィヴラフォンを模したシンセ音がミニマル的に鳴り響く中で、呪文のようにタイトルを呟くように歌う「Beautiful Arctic Star」、アンビエントで空間の広がりを感じさせるシンセを前面に打ち出した「From A Distance」、憂鬱なLouiseのヴォーカルがチープな打ち込み・ドラムと奇妙に絡む「Don't Know Why」、カントリー的なエッセンスをラウンジ・ポップで処理したような「Colder Days」、Bill Nelsonのようなギターのディレイを駆使したお遊び的な実験的なインスト・ナンバー「Good Grief」、ストレートなサイケデリック・ロックの「Memento」、ゴシック・アンビエントに近い印象もある「Out Of Touch」、エレ・ピとストリング・シンセを従えて切々と歌われるロマンティックな「Nobody Sees」、典型的なシューゲイザー風の音の「1950da」まで、こういったユニットの基本となっているドリーミーでクールという印象が強いのですが、どこか血の通った土臭さのようなものも同時に覚えてしまう片桐なのでありました。

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/649764/summary.html

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不条理音盤委員会 305 Lush 「Spooky」
- 2006/02/20(Mon) -
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シューゲイザー・ムーブメントのバンドは浮遊感と透明感をギター・ノイズで包むという荒業で美しい曲を数多く生み出していったのですが、その中でもキュートな魅力を持っていたのがLushでした。Miki Berenyi(Vo, G)、Emma Anderson(G、Vo)、Steve Rippon(B)、Christpher Acland(Ds)の4人組の彼らは、レーベルが4ADということもあってCocteau Twinsのフォロワー的なサイケデリック感覚を擁したシングルを次々と発表していきましたが、90年にシングル・コンピ「Gala」をリリースした後に、Robin Guthrieを迎えて制作されたのがこの1stアルバム「Spooky」です。より耽美的に、よりサイケデリックな方向に進化したLushのサウンドはこの作品で更にポップ・エッセンスの注入を試みることで彼らなりの独自のスタイルの完成形を示したのではないかと思います。スペイシーな感覚もあるディープなサイケ・ナンバー「Stray」、タイトなリズムとギター・ノイズの絡みが新鮮な「Nothing Natural」、歌メロそのものは70年代西海岸風の「Tiny Smiles」、重々しいサウンドとMikiとEmmaのハモリが耳に残る「Covert」、切ないメロディーの「Ocean」、軽やかに疾走するフォーク・ロック風の「For Love」「Fantasy」、まさにシューゲイザー・サウンドと言うべき「Superblast!」「Laura」、12弦ギターの音が心地よく響く「Untogether」、ネオ・サイケ色が濃い「Take」、 ヴォーカルのエコーが幽玄な印象の「Monochrome」まで、ギターの音の響きを十分計算したプロデュース・ワークもあって、空間的にも広がりを感じる音の中をMikiとEmmaのヴォーカルが漂うように舞っています。彼らが解散してかなりの時間が経過していて、Emmaの方は新しいユニットで作品を発表していますが、Mikiの方は殆ど名前を聞きませんね。未だに彼女の髪は真っ赤に染まったままなのでしょうか??(結構美人でした……(-。-) ボソッ。)

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/9862/summary.html
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不条理音盤委員会 301 The Boo Radleys 「Wake Up!」
- 2006/02/16(Thu) -
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リバプール出身のThe Boo Radleysが1995年に発表した3rdアルバムです。Sice(Vo, G)、Martin Carr(G)、
Timothy Brown(B)、Steve Hewitt(Ds)という布陣でしたが、デビュー直後にドラムがRob Ciekaに代わっています。元々シューゲイザー・ムーブメントの渦中に投げ出された彼らなのですが、既に2ndアルバム「Giant Steps」の頃には単なるギター・ノイズ・バンドにとどまらず、レゲエやハウスの要素やフォーキーな曲にチャレンジするといったポップとアバンギャルドを折衷した音楽性を展開していました。更にこの作品では本来のギター・バンドというスタンスの上に往年のブリティッシュ・ポップを下敷きにアバンギャルドなエッセンスをふりかけたキャッチーなポップ・センスが開花した作品であると言えましょう。爽やかなコーラスから一転してファンキーなブラスをフューチャーした「Wake Up Boo!」が大ヒットを記録したのを覚えている方も多いと思いますが、続くドリーミーなフォーク・ロックの「Fairfax Scene」、やはり大胆にブラスをフューチャーしているものの、感触的にはTeardrop ExplodesやWah!といったリバプール・ポップの伝統が生きている「It’s Lulu」、The Beatles風の切ない歌メロの「Joel」、インディ・ダンス・ビートと轟音ギターが絡む「Find the Answer Within」、シンプルなギター・ロック・ナンバーの「Reaching Out from Here」、シューゲイザー的なサウンドを効果的に配置した「Martin, Doom! It’s Seven O’Clock」、やはりギターが音を重ねる中でネオ・サイケっぽい雰囲気も漂う「Stuck on Amber」、リバプール・ポップをとぼけたような調子で歌う「Charles Bukowski is Dead」、ストリングを背景にしたドラマティックな「4am Coversation」、表情豊かなギターがアンサンブルの中心となってSiceのヴォーカルをひきたてる「Twinside」、ピアノをメインにしたバラードの「Wilder」まで、ひねりは少ないものの美しくも儚いメロディーが続く曲が並んでいます。彼らにとって不幸だったのはこうしたポップ・エッセンス全開の作品を発表したが故にブリット・ポップ一派と見做されてしまい、逆にこれ以降の作品では打ち込みを導入したり、よりアバンギャルドな音作りを目指すといった実験性を追及する方向に向かってしまったということです。そういった点から見れば、この「Wake Up!」という作品がThe Boo Radleysというバンドの一番輝いていた頃だったと思うと残念で仕方がありません。

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/163534/summary.html

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不条理音盤委員会 297 Pineforest Crunch 「Make Believe」
- 2006/02/12(Sun) -
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スウェディッシュ・ポップが好きな片桐です。
Ben&Jerryのアイスクリームのテイストにバンド名の由来があるというPineforest Crunchが1996年に発表した1stアルバムです。Åsa Eklund、Olle Söderström、Mats Lundgren、Mattias Olsson、Jonas Pettersonの5人が繰り広げる音楽はギター・ポップをその音楽の基盤としながらも、所々で職人芸的な構築美を感じる瞬間があります。ポップ・センスに彩られたメロディーがコード・チェンジを執拗に繰り返す展開、メロトロンやフルートまで導入するといった多彩なアレンジメントという具合に、単なるポップ・バンドとしては音の凝り具合が尋常ではないのです。その理由は。。。このバンドのドラマーのMattias OlssonはKing Crimsonフォロワーとして名高いAnglagardのメンバーでもあり、またキーボードのMats Lundgrenも自身のメロトロンを所有するというように、プログレの素養を持つメンバーがいることで音楽性に深みをもたらしているという事実があります。無論そういったことを抜きしてもÅsa Eklundの爽やかなソプラノ・ヴォイスは耳について離れませんが……(-。-) ボソッ。オルゴールに導かれるかのようにアコ・ギのミニマル的なアルペジオが耳に残る「Cup Noodle Song」、重層的なギター・ノイズと呟くようなヴォーカルが印象的な「Unleashed」、フルート、クラリネット、メロトロン?の音が交錯するドリーミーな感覚の「General Carter Accordingly」、Beach Boys風のコーラスも聴かれる一方で、曲の中盤から突如としてリズムが大胆に変化するポップ・ナンバー「Teenage Alex」、エスニックなパーカッションやヴァイオリン(サンプリング?)、サックス?のジャジーなソロがフューチャーされたメランコリックな「Barbie」、フラメンコ風のギター・ソロも挿入されたフォーク・ロック風の「Poor Little Man」、北欧トラッド通じるような柔らかいメロディーがギター・ポップのアンサンブルに組み込まれていく「Marklin」、シンプルなビートに乗せて軽やかなコーラスが宙を舞う「Lines」、Åsa EklundとOlle Söderströmの奇妙なダブル・ヴォーカルのメロディーがタイトル通りにヨーロピアンな雰囲気の「French Connection」、まるでCamelの曲に歌詞をつけたような繊細なイメージのプログレ・ポップの「Smile, Flash, Snap」、やはりCamel+シューゲイザーといった6分にも及ぶ摩訶不思議な展開の「Trees」、疾走感あふれるロック・ナンバーの「Starfish」、The Beatlesの某曲を思わせるメロトロンに導かれる極彩色のポップ・サイケ・ナンバー「Very Special Date」まで、一つの曲の中に色々な音の仕掛けが込められた楽しさ満載のアルバムだと思います。
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不条理音盤委員会 281 Dressy Bessy「Pink Hearts Yellow Moon」
- 2006/01/27(Fri) -
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Kindercoreレーベルと言えばKincaidのメンバーでもあるDanとRyanによって1996年に米国ジョージア州アセンズに設立されたレーベルで、主としてローファイなギター・ポップをメインにリリースを続けていました。次々と送り出されるバンドのどれもがローファイでスカスカな音ながら、ドリーミーなメロディをもつものばかりで、80年代のネオ・アコブームをアメリカ流に翻訳したものと評価して間違いないと思います。デンバーを拠点とするTammy Ealom(Vo、G)、Darren Albert(Dr)、Rob Greene(B)にApples in StereoのJohn Hill(G)を加えた4人組のDressy Bessyもシンプルながら60年代風の音をメインとした楽しくも切ない世界を展開させているのですが、この1999年の1stアルバムでもファズの効いたメロにTammy Ealonの少々鼻にかかったヴォーカルが印象的な非常に可愛らしい作品に仕上がっています。歌メロのコードのマイナー・チェンジ具合が心地よいミディアム・テンポの「I Found Out」から始まり、リコーダー?のような音も聴かれる「Just Like Henry」、もろ60年代感覚としか言いようがないキュートな「Look Around」、舌足らずのヴォーカルで元気いっぱいに疾走する「Little TV」、ドリーミー・ポップの「Jenny Come On」、キーボードがチープ感を一層強調している「If You Should Try To Kiss Her」、サーフ・サウンドっぽい「Extra Ordinary」、The Kinksのようなひねりの効いたギター・サウンドの「Makeup」、Hey!という掛け声も楽しい「Big Vacation」、ちょっとThe La’sっぽさも感じるリバプール風の「You Stand Here」、フォーク・ロックぽさを感じる歌メロの「My Maryanne」まで、シンプルなコードとちょっとノイジーなギター・ワークをメインにしたポップ・ワールドが次々と繰り広げられます。その適度な甘酸っぱさがTammy Ealonの声と程よくマッチして、まさにガール・ポップとしか呼びようのない音が次々と繰り出されてくるのです。

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/377032/summary.html

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不条理音盤委員会 272 Smoosh 「She Like Electric」
- 2006/01/17(Tue) -
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当時12歳と10歳の姉妹が演奏しているということだけでも、かなり注目されたSmooshの2004年に発表されたデビューアルバムです。妹のChloeが楽器店で見かけたドラム・セットをどうしても叩いてみたくなり、店員だったDeath Cab For CutieというバンドのJason McGerrからレッスンを受ける一方で、姉のAsyaと共に曲作りを始めたというエピソードが大々的に流布されていますが、同時に多くのバンドのオープニング・アクトをつとめるといったバンドとしての活動も継続していたようです。このユニットはロー・ティーンの姉妹が演奏しているというのが売り文句ですし、実際にドラムとキーボード、それにヴォーカルのみをメインとするというローファイ風味あふれるチープでかつポップな曲ばかりが収録されています。しかしながら稚拙とはいえ曲そのものは意外とバリエーションがあり、またアイデアや引き出しの多さという本来語られるべき分野に関しては、どうしても話題性ばかりが先行した所為もあり、半ば色物的な見方をされてしまっているようですが、その根底に流れているアメリカン・オルタナティヴというものを無視するわけにはいかないと思います。チープなSonic Youthのような「Massive Cure」、アシッド・ジャズのフレイバーすら漂わせる「It’s Cold」「Pygmy Mortercycle」、ピアノをフューチャーした「It’s not Your Day To Shine」、ラップ調の可愛らしいヴォーカルの「Red」、一瞬The Banglesの名前が連想される「Take It Away」、シンセ・ベースっぽいサウンドながらガールズ・パンクのような「Pump」、哀愁漂うメロディーが印象的な「About The Picture」、嬌声と紙一重のシャウトが微笑ましい「Bottlenose」、ヴォーカルに深いリバーヴをかけたELOっぽい「Make It Through」、ヒップ・ホップ風の「Quack」、アメリカン・ロックのシンプルさの極致ともいえる「To Walk Away From」、Fionna AppleがTori Amosしたような「But Now I Know」まで音像自体は単調で一本調子に聴こえますし、またAsyaのヴォーカルも表現力には乏しいという部分は確かに指摘できるとは思いますが、簡潔にまとめられたポップ・チューンとキュートで奔放な魅力はこれからも十分期待できると思います。

試聴音源はこちらから
http://www.mp3.com/albums/641728/summary.html


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