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不条理音盤委員会 644 マーラー 交響曲第7番「夜の歌」を聴いてボケとおしてみた。。。。
- 2009/06/23(Tue) -
みずほ:おめぇら、いづまでもいづまでも調子のってんじゃねえかんな。。。マーラーの第7番にはまだまだ多くの演奏があんだからな。。。
つばさ:調子のってねえしぃ~、って、赤いプルトニウムになっているしぃ~~。。。

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みずほ:んでば、まんずはサー・ゲオルグ・ショルティ指揮のシカゴ交響楽団のやつだっぺよ。
つばさ:って、それってどこの言葉?
みずほ:全体的に賑やかな感がするのがこのオケの持ち味らしいのですが、そこを存分に生かしたような金管楽器の鳴らし方や、厚みのある響きはまさにスカッとした爽快感のようなものを覚えます。。。
つばさ:「剃刀」と例えている方もいるようだね。。
みずほ:特に第5楽章のティンパニの響きはすごいです。。。
つばさ:まさに全力疾走で駆け抜ける狂乱の第5楽章は圧巻でしょう~~。
みずほ:その分緩やかなパートでの弱さを指摘する方もおられるでしょうが。。。その辺はまぁ、好みということで。。。「Hard To Say I’m Sorry」といったところでしょうか。。。。
つばさ:それをボケたかったわけね……(-。-) ボソッ。

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みずほ:マイケル・ティルソン・トーマス指揮のサンフランシスコ交響楽団の演奏に移らせてもらいますが。。。
つばさ:NTTとかSOSというボケはすでに出ているからね。。。
みずほ:十分それは承知しております。
つばさ:この方は「美しさの表現ということにかけては、他の追随を許さない極めぶり」と評す方もいるようで。。。。
みずほ:一瞬煌びやかにも聴こえるのですが、流麗な中にもマーラーへの愛情のようなしっかりとした視点を感じる確実性の高い演奏のような。。。。。
つばさ:リズムの処理がちょっと独特のような気が。。。。
みずほ:ライブ録音ということもあって、そういったところをより歯切れよくしたのではないかとも思いますが。。。
つばさ:また全体的に音が軽めとか、高音部の伸びの方が優れているのでは?という意見もあるようだけど。。。
みずほ:その辺は森本レオ氏のナレーションがしっかり要所を締めております。。。。
つばさ:入ってねぇ~よ(怒)。
みずほ:大変素晴らしく、隙をまったく感じさせないその姿勢には少々息苦しさすら覚えるけどね。。。
つばさ:濃密さという点ではピカ一なのかもね。。。。

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みずほ: ズデニュク・マーツァル指揮のチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏というものも聴いてみました。
ぜひとも重盛さと美さんに言わせてみたい名前の方ですね、この方はwww。
つばさ:名演とか、これからのこの曲の指標となりうる、と評した方もいるようで。。。。
みずほ:どっしりとした重量感あふれる演奏ですね。オケの響きがとてもクリアで心地よいです。。。
つばさ:録音の良さなのでしょうか。。。。かなり前面にブラスが出てくるような印象もあります。。。
みずほ:録音のこととか言わないの~~♪てか言わせない~~♪
つばさ:今度は姫ちゃんかい……(-。-) ボソッ。
みずほ:全体的にはテンポはややゆっくりかなって気もしますが、メリハリの利いた小気味良い感があります。。とか言って~~♪。。。
つばさ:まだ、姫ちゃん続いているし。。。。で、最終楽章でのティンパニのもたつきがちょっと気になりますが。。。
みずほ:そういうときはサイモン・フィリップスに頼むのが一番!
つばさ:何でやねん!

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みずほ:リッカルド・シャイー指揮のロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団の手によるマーラーの第7番ですが。。。
シャイという名前の割にはふさわしくないかなり明るい演奏ですね…思わずクラっとしてしまいそうですが。。。。
つばさ:歌心あふれるって気もしますが。。。もっとも鼻歌では歌えませんが(爆)
みずほ:ゲルギー親分の賑やかさとは一味違ったポップなマーラーな感じでしょうか。。。。
つばさ:最終楽章なんぞはもうお祭り騒ぎですもんね。。。
みずほ:第2楽章の緩急の切り替えはスリリングですね。。。。
つばさ:新境地なんでしょうね…このカラフルさは。。。。
みずほ:異端児がお好きな人にはぜひともおすすめです!
つばさ:第3楽章の頭の部分のヴァイオリンのチョーキングみたいな音が異常に気になるよね?
みずほ:ああ、あそこだけディディエ・ロックウッドが弾いているみたい。。。
つばさ:嘘こけ~~wwww

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みずほ:最後になりますが、ミヒャエル・ギーレン指揮の南西ドイツ放送交響楽団の登場です。
つばさ:これは友人某氏がお薦めのことですが。。。。。
みずほ:響きはかなり硬いのですが、良く鳴っているという感があります。
つばさ:ちょっと陰鬱なムードを強調し過ぎているような気もするね?
みずほ:冷静さと冷酷さが同居した、何とも言えないこのストリングの響きはどうなんでしょうね?
つばさ:理知的なのか、狂気なのか・・・・ちょっと判断つきかねますね・・・。
みずほ:打楽器類がそんな暗黒ムードをさらに増幅させているような。。。。
つばさ:うんうん、まさに「夜の歌」だね~~。
みずほ:一言で例えるならば「渋い!」というのが一番正しいかも。。。。
つばさ:堅実だよね・・って、ここでのボケは?
みずほ:ない!ネタ切れだもん。。。。。
つばさ:wwwwwwwwwwwwwww。

みずほ:やはり、一番初めということもあるんだろうけど、テンシュテット盤が一番聞きやすかったも。。。。
つばさ:フェルツ盤も聞き返してみると結構不思議な魅力を感じるよね?
みずほ:そうなんですよ、川崎さん(死語)。。。当初はナンジャラホイと思ったのですが、この大風呂敷広げた演奏姿勢が妙にハマってしまって、変態チックなオケの響かせ方もまたいいかな~って感じになってきましたね。。。
つばさ:そうなん?やはりシンフォニーは難しいね。。。。
みずほ:あくまでも印象批評ということで。。。。。
つばさ:本家本元の足元にも及ばないは承知の上での3回のボケ・レビューにお付き合いしていただいた皆さまに感謝感激雨あられでございます。
みずほ:あなた、あの子の部屋にURLが。。。。
つばさ:真面目にマーラーの第7番を聴いてみたいという方はゆうけいさんのところのレビューをご覧くださ~~い!
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不条理音盤委員会 643 マーラー 交響曲第7番「夜の歌」をもうちょっと聴いてボケてみた。。。。
- 2009/06/19(Fri) -
みずほ:マーラーの交響曲第7番「夜の歌」がお気に入りとぉぉ~~♪、可愛い女の子が恥ずかしげに口にしたらぁぁ~~♪、何だか今日イケそうな気がするぅ~~~。
つばさ:。。。。。
みずほ:あると思います!
つばさ:ねぇ~~よ。って、そんなことよりも本家本元の5番勝負見たんか?
みずほ:ここは1点を争う場面ですから、4番を歩かせての満塁策、そしてこのところ不振の5番と勝負というものもうなづける采配ですね~~。
つばさ:どこを見ているんぢゃ!?
みずほ:はいはい、ちゃんと読ませていただいております。ま、あちらはゆうけいさんを筆頭にクラシックやオーディオに精通されている方ばかりなので、レベルが高いのは当然だよなぁ……(-。-) ボソッ。
つばさ:それでも他の演奏も聴いてみたんやろ?
みずほ:ゆうけいさんのアンケートに返信する段階ではこの前の3枚を聴いただけだったけど、どうせならと一念発起していろいろと聴いてみたのだぁ~~。
つばさ:安藤かおりさんも特番で休みだったしねぇ~~
みずほ:うぅぅぅぅぅ~~、それを言うなぁ~~、週に一度の楽しみなんだぢょ~~!
つばさ:それは6/6の話やろが。。。。今日は何日だと思っておる!ええから、はよ、進めんかい!
みずほ:合点だい、親分!
つばさ:。。。。。

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みずほ:まずは名盤の誉れも高いクラウディオ・アバド指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のものでございますが。。。。
つばさ:「図太く剛直で、ぎっしりと中身の詰まった、含蓄の濃い演奏」らしいけど。。。。
みずほ:最終楽章の鳴り物の賑やかさにちょっと驚きましたが。。。。
つばさ:緊張感が漂うという気もするね、特に第一楽章とか。。。。
みずほ:流麗なオーケストレーションが、まさに「交響曲」といったイメージに相応しい伸びやかさを覚えるような気がしますね。
つばさ:気のせいかミックスダウンが極端なような気がしない?
時々妙に管楽器が浮かび上がってきたり、沈んだりするんだけど。。。
みずほ:気のせいぢゃ!って、そういう専門的なことは詳しい人に聞けばよろし……(-。-) ボソッ。

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つばさ:さぁ、次はヴァレリィ・ゲルギエフ指揮のロンドン交響楽団の演奏いってみよう~~!
みずほ:ゲルギエフ親分といえば、暴れん坊というイメージもあって、この曲でもド派手にぶちかましてくれるのかと、期待されている向きも多いと思いますが。。。。。それを裏切らないダイナミックさとワイルドさで頭からガンガン突っ走る姿はさすがとしか言いようがなく。。。。
つばさ:聴いていて陰影もコントラストも感じられない賑やか一辺倒の演奏かも。。。。マーラー好きには納得できない面も多いんじゃないかな?
みずほ:言うなれば、ニンニクラーメン・チャーシュー抜きってところでしょうか。。。違うかぁ?
つばさ:ジャケットがクラらしからぬところは秀逸かもね。トランスのジャケみたいだね。。。。
みずほ:あちきのようなミーハーにはたまらない一枚なんです!
つばさ:そういうところがまた親分の人気の秘訣なんでしょうけど。。。。。

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みずほ:続いてはオットー・クレンペラー指揮のニュー・フィルハーモニア管弦楽団の演奏なのですが。。。。
つばさ:そろそろ語ってはいけない領域に入ってきたような。。。。。。
みずほ:逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ。。。。。
つばさ:かなりゆったりとしたテンポの演奏が最後まで続くので、かなり長く感じますね~~。
みずほ:その分各楽器の奏でる音にふくよかさのようなものを感じられるという利点はありますね。
つばさ:うんうん、マーラーの作曲意図というべきかスケールの壮大さを見事に表現しているのかもしれないよね?
みずほ:陰影が濃いところがまさに「夜の歌」という雰囲気いっぱいです。。。
つばさ:その分、確実に眠くなることだけは保証しておきます!
みずほ:ま、その点はあちきも否定しないなぁ。。。。(謝X100)。

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つばさ:で、次に控えしはピエール・ブーレーズ指揮のクリーブランド管弦楽団の演奏ですが。。。。
みずほ:「作品の性格や仕組みを高解像度なレンズで徹底的に描写したような趣」という評もあるようですが。。。
つばさ:ブラス系が前面に出てきたり、ギターの音の響かせ方が特徴的なように思えてきて。。。
みずほ:その分、ストリングは広汎に滲んだような響きのような気がしない?
つばさ:どこまでそういった録音がブーレーズの意図なのかは不明ですが。。。これまたきっちりとした印象を覚える演奏なのかもしれません。。。
みずほ:微妙なそっけなさ感にハマるという人もいるようだよね~。
つばさ:まあ、枠組みの中での緩さというべきか。。。。ゲル状のオーケストレーションていうか。。。どこかきっちりとした中にもつかみどころのない部分が感じられるのは確かです~~。
みずほ:ちと、それは暴言ぽいかも……(-。-) ボソッ。
つばさ:そりゃぁ、私が悪ぅ、ございましたぁ~、ごめんね、ごめんね~~~!
みずほ:今度はU字工事かい……(-。-) ボソッ。
つばさ:で、ボケるネタもなくなったので、今宵はここまでで。。。
みずほ:まだ続くんかい!
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不条理音盤委員会 642 マーラー 交響曲第7番「夜の歌」を聴いてボケてみた。。。。
- 2009/06/16(Tue) -
みずほ:どうもぉ~、電車部隊のあさぎり☆みずほです~~!
つばさ:同じく電車部隊のあさかぜ★つばさです~~!
みずほ:今日はすごいブログをヤホーで見つけました!
つばさ:って、のっけからお定まりのネタでボケておるけど、ま、いいか……(-。-) ボソッ。で、なんていうブログ?
みずほ:「JKの月夜のラプソディ」というブログで。。。
つばさ:をいをい、それはいつもお世話になっている「ゆうけいの月夜のラプソディ」でしょうが。。。。女子高生のブログじゃないんだから!
みずほ:で、その「JTの月夜のラプソディ」では先日何と設置カウンターが30万ヒットを記録したそうで。。。
つばさ:タバコを売っている会社のブログみたいになっているぞ。
みずほ:ともかくもすごい人数の方が訪れている人気ブログで。。。
つばさ:それもひとえに主催者のゆうけいさんのお人柄がそのまま反映された濃密な記事が読み応え満点であるというのは、もう言うまでもありません。
みずほ:その「JAの月夜のラプソディ」の30万ヒット企画として。。。。
つばさ:野菜直売所の開設記念じゃないんだから。。。。
みずほ:ゆうけいさんと筆頭執事のキムチィさんが。。。
つばさ:「はむちぃ」さんだろ。韓国のお漬け物みたいだぞ。
みずほ:マーラーの交響曲第7番「夜の歌」をレビューしているので、それに合わせて真似っこしてみようかと。。。
つばさ:不安だなぁ~、普段はバロックばかり聴いているんだろう?
みずほ:そもそもパーラーの交響曲は長いことで有名で。。。
つばさ:早速そう来たか……(-。-) ボソッ。
みずほ:この7番にしても収録時間がとんでもハップン、歩いて10分というもので。。。。
つばさ:やけに短いなぁ。。。大体80分前後でしょうが。。。。
みずほ:聴いているうちに、ご飯だよ~と呼ばれたり、早く風呂に入れと怒られたり、はたまたその間にデートの約束をメールでやりとりできるという代物で。。。。
つばさ:ちゃんと集中して聴けよ!って、生活感に満ちあふれているなぁ~。
みずほ:とにもかくにもクラ好きの某氏にお願いして、いろいろCDを借りてきてここ半月あまりクーラーのシンフォニーばかり聴いていたというわけで。。。
つばさ:そこはあえて突っ込まないぞ……(-。-) ボソッ。

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みずほ:まずはゆうけいさんがお好きだというリンダ・ロンシュタット指揮のロンドンフィルハーモニー管弦楽団の演奏は。。。。
つばさ:怒られるぞ!クラウス・テンシュテットね。。。
みずほ:世間では「爆演指揮者」とか評されているように、非常に明暗のあるオーケストレーションやテンポの急変といった劇的な表現の中にも、豊かで柔らかさを内包しているというか。。。。
つばさ:ふむふむ
みずほ:聴きとおせば割と実直で荘厳なイメージを思い浮かべる演奏だったような気がいたします。。。。
つばさ:その激しさに気迫のようなものを感じる人もいるみたいだね。。。
みずほ:終了後の「ブラボー」という歓声がそれを象徴しているようです。

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つばさ:で、お次は?
みずほ:ガブリエル・フェルツ指揮、シュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団の演奏ですが。。。
つばさ:ゆうけいさんのところで課題にもなっている演奏だね?
みずほ:この方、ジャケットで顔面が溶けているのでもわかるとおり。。。
つばさ:またまた怒られるぞ!それはピーガブⅢだろうが。。。。大体今では「ゲイブリエル」ぢゃ~~。
みずほ:全体的に音像が曖昧なような気がして。。。。
つばさ:録音が引っ込み過ぎのような気もするのぅ~~。
みずほ:ま、ドリーミーとかユーモラスな面を強調するあまりの暴走というべきか。。。。
つばさ:才気走っているのはインナーで自身満々に語っていることからも容易に予想されますが。。。。
みずほ:野心的とか変態的な演奏という評価が出てしまうのはいたしかたないにして。。。
つばさ:うんうん。
みずほ:やっぱり小粒だという印象は歪めませんね
つばさ:えらそうに語る割に随分適当な評価だな~~、じぶん。
みずほ:つ、つ、つ、都合いいレビュアーです~~♪(姫くり風)
つばさ:はい。めげない、めげない~~♪めげない、めげない~~♪(姫くり風)

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みずほ:で、お次はヤンバルクイナ指揮のフランクフルト放送交響楽団の演奏なのですが。。。
つばさ:はいはい、インバル・エリアフさんね。
みずほ:「徹底したスコアの読みと細部へのこだわりがマーラー演奏に新時代を拓いた」などとミシシッピーに記されてはいるのですが。。。。。
つばさ:川の名前が違う!そりゃ、アマゾンでしょうが。。。。
みずほ:そもそも新時代と旧時代を比較できるほど知ってるわけもなく。。。
つばさ:それは確かに言えることかもね、そもそもこのレビュー自体が無謀で無意味ぢゃ。。。
みずほ:やはり、そうなりますか?
つばさ:個人的にはそう思うけどね、で、続けろ~~~。
みずほ:かしこ、かしこまりましたぁ~、かしこ。
つばさ:って、そうやって芸人のギャグをパクって更に無意味さ増大させているし……(-。-) ボソッ。
みずほ:で、エリアフさんの指揮のこの演奏は比較的落ち着いた雰囲気の演奏なのですが。。。
つばさ:と、いうか、細部にこだわった挙句に主題がいまいち浮かび上がってこないような。。。。
みずほ:エリアフさんがこの作品を「一人称ではなく三人称で自己を語っている」と分析しているように、この演奏自体もどこか客観的というべきか。。。。
つばさ:聴く方にとっては突き放されたという感もあるね。
みずほ:よい演奏なのかもしれませんが、あまり印象に残らないというのも確かなのでございます。
つばさ:極めて手堅くもあり、オーソドックスな演奏なんでしょうね。。。。
みずほ:、どの演奏のレビューを見ても各々に「決定的名盤!」という煽りがついているので、若干悩むところがクラシックを聴くときに迷うことの一つでもありますので。。。。
つばさ:ウチらみたいなマーラーど素人が、適当にぶった切りをカマすというのが一番最良なのかも。。。。
みずほ:と、いうわけで今回はお開きということで。。。。
つばさ:まだ、続くんかい?
みずほ:だって、マーラーにFall In Love!
つばさ:。。。。。。。

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不条理音盤委員会 594 ハイドン 「交響曲第101番 時計」
- 2008/11/06(Thu) -
最近ソフトバンクのiPhoneのCMで流れているのがこのシンフォニーの第2楽章です。
交響曲の父とも呼ばれるオーストリアの作曲家フランツ・ヨーゼフ・ハイドンにはアダム・フィッシャー指揮によるオーストラリア・ハンガリー管弦楽団の33枚組という怒涛の交響曲全集が14,875円という鬼のような安価で聴けるという素晴らしさがあるのですが、この「時計」にしても「驚愕」にしても有名な箇所だけは知っていても、全曲をちゃんと聴く機会はあまりないような気もします。どの交響曲も派手さというのものはあまり感じられず、優雅なデヴェルティメントやメヌエットの延長といった感があって、それこそモーツァルトのような華麗さやベートーヴェンの荘厳さとは違った落ち着いた曲想が目立つのはちょうどバロックから古典派にかけての移行期という時代もあるのでしょうが、どことなく優美なリリシズムに満ちているような印象もあります。そもそも「時計」というネーミングも決してハイドンが付けたわけではなく、この第2楽章のゆったりとした伴奏リズムが振り子時計の規則正しさを連想するといった19世紀になってからの発想だそうで。。。。

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アーノンクール指揮のロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏によるこの一枚は「第94番 驚愕」とのカップリングなので結構得した気分になれます(笑)。ま、演奏そのものは毎度のアーノンクール節というか賛否両論のはっきりとした手堅くも仰々しいオーケストレーションなのですが、その斬新な解釈はある意味でハイドンの交響曲のブラームス的翻訳とも言うべきもので、それはそれで面白く聴けます。

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ブリュッヘン師匠と18世紀オーケストラの演奏は古楽器を使っているということもあって、かなり室内楽的な響きを重視した面が相変わらずといった感じなのですが、その面においてはクイケン指揮のラ・プティット・バンドの方が勝るといった意見が大半を占めそうなのも理解るのですが、澄んだ音色とシンプルな音の鳴らし方なんぞはいかにも師匠らしい円熟味が感じられ、これまた某方面では必ず名が挙げられるホグウッド指揮のものと並んでバロック好きにはたまらない一枚となっていると思います。こちらは「第103番 太鼓連打」とのカップリング。

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で、名盤といえばカラヤン指揮のベルリン・フィルの演奏ということになるらしいのですが(笑)、流れるようなストリングといい、緻密で洗練されたアンサンブルといい、まさに交響曲の手本とも言うべききっちりとした演奏なのですが、帝王にしては妙にこじんまりとまとめたような感もありますが、多分聴きやすさとしてはピカイチかもしれませんね。
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不条理音盤委員会 570 Boris Berezovsky plays Islamey
- 2008/05/21(Wed) -
ロシアの作曲家Mily Alekseyevich Balakirevの代表作と言われるピアノの小品「東洋風幻想曲 – イスラメイ」。
昔、持っていたレコード辞典には「ピアノ曲の中でも難曲中の難曲」のような記述がされていたと思うが、繰り返されるフレーズは意外と親しみやすく、時々鼻歌で出てしまう。と、いうのも自分がピアノを弾けないから言うのであって、実際の映像で見てみると、両手交互打ちとか手がクロスしていたりとか何とも凄まじい。
ベレゾフスキーはあまり好きなピアニストではないのだが、「イスラメイ」の演奏ではピカ一ということで買った。
確かに軽々と弾いているようで、見ていても楽しい。
グールドにこの曲を弾いてもらいたかった。。。。。


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不条理音盤委員会 569 Jascha Heifetz plays Hora Staccato
- 2008/05/20(Tue) -
かの名匠Jascha Heifetzが「これまで聞いたことのある中で最も偉大なヴァイオリニスト」と言ったというルーマニアのロマ系の作曲家兼ヴァイオリニストのGrigoraş Dinicu(1889~1949)の「Hora Staccato」。元々はルーマニアの民俗舞曲であったものを基本にディニクがアレンジして演奏ていたものを、さらにハイフェッツ自身が弾きやすいように編曲したとのこと。この映像でも見られるとおり超絶技巧の「ワンボウ・スタッカート」が要求されるこの小品、多い時では32の音を一弓で弾いているのだが、それでもハイフェッツは苦労して弾いていたというエピソードが残っているので、と、なると作曲者であるディニク自身の演奏はこれ以上すさまじいということになる。
オーケストラ用に編曲されたり、ギドン・クレーメルの録音もあったりするのだが、やはり、この曲の演奏はハイフェッツに勝るものはないような気がする。上品さが彼の演奏には感じられるのである。

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不条理音盤委員会 567 世界が終わった翌日にペペロンチーノを注文した際に相応しい音楽
- 2008/05/16(Fri) -
あっちの世界に入り浸っていると、思わず時間を忘れてしまって遊びふけってしまうわけで、すっかり片桐真央としての営業を忘れてしまっているのですが、時々ファリヤの「火祭の踊り」を何故か聴きたくなる瞬間があって、そんな時にはやはりアンセルメ指揮のスイス・ロマンド管弦楽団の演奏が一番しっくりするのは単に個人的な好みであって、それではデュトワ指揮のモントリオール交響楽団の盤はどうかと問われれば、あまりにも官能的でエロチックなオケの響きに思わずお姉ちゃんをナンパしたくなると言いながら、リプトンとトワイニングの味比べをしている片桐と言います。

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大体にして根が軽薄なので、ショパンの「エチュード」はおっちゃんが弾くよりも美人が弾いた方が楽しいと思えるわけで、それこそボリーニの名盤やアシュケナージの旧盤といった名演奏をさしおいて、三浦友理枝さんのこの一枚を選んでしまうところが片桐的なのであります。レーベルがAxexというイメージもさておきながら、クラシック界にアイドルがいてもええとちゃう??そんな風に感じてしまうようなポップなショパンなのであります。

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まぁ、バロックといえば世間様ではバッハなのであって、それ以外はヴィヴァルディの「四季」程度しか知られていないような気もするのがちょっと哀しいところで、とはいうものの「四季」といっても全曲を通して聴いているというよりは例の第一楽章のフレーズばかりが一人走りしているのは紛れもない事実です。と、いうわけで「ブランデンブルグ協奏曲集」となれば、いろいろあるのですが、やはりブリュッヘン、クイケン、レオンハルトが勢揃いしたこの盤は何回聴いても飽きないのですよ。
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で、宮本笑里さんといえばスーパー・オーボエ奏者の宮本文昭さんの娘さんなわけで、のだめカンタービレ・オーケストラの一員でもあったヴァイオリニストなのですが、そういう方が「亡き王女のためのパヴァーヌ」とか「ダッタン人の踊り」とか「第三の男」といった本来ヴァイオリン曲でない曲を感情たっぷりの演奏で弾いているのを聴くと、こんな奏法もあったんだぁ~~とひとしきり感心していまうのであります。

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ま、目が覚めたところで巨大な毒虫になっていることもなければ、誰かの誹謗のおかげで理不尽に逮捕されることもないので、そんな朝は小杉まりささんの演奏するA-Haの「Hunting High and Low」を聴きながら納豆ごはんちゅうのもオツなものなのですが、この人の演奏するラフマニノフの「Vocalise」がこれまた軽やかな中にも風格を覚えてしまう端正な音で心地がよろしいのです。ついでにいうなればコアーズの「Runaway」もオリジナルに忠実に演っております。

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基本的に目玉焼きは固く焼いた方が好きで、ついでにベーコンも焼き、いずれもカリカリに焼き上がったところで、ご飯の上に乗っけて食べるというのが個人的な流行なのでありますが、そこに醤油を垂らすかどうかというのは甚だ悩む問題で、既に塩・こしょうで味つけした後で、醤油味にすればよかったと悔いることがままあったりするのであります。で、ハイフェッツさんの超絶的なテクニックに心震えるとなれば、これまたいろいろなのですが、何といってもこの盤では「剣の舞」「亜麻色の髪の乙女」を演っているばかりではなく、スタッカート奏法の極致ともいうべき「ホラ・スタッカート」も入っているという極めてお腹いっぱいになる一枚なのでありんす。

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こだわって述べるとするならば、ベーコン・エッグをご飯にのせてレトルト・カレーをさらに乗せるという荒業もまた好みなのであります。そんな時には辛口よりは中辛の方が不思議と似合ったりするのが謎の一つでもありますが、カザルスの「無伴奏チェロ組曲」もおそらくは正統的な演奏というよりは荒業に近いようなものもあって、ギコギコとしか聴こえない3番のジグなんぞは最早反則技なのでしょう。


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不条理音盤委員会 208 Antonio Vivaldiのフルート協奏曲集
- 2005/10/18(Tue) -
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フラウト・トラヴェルソの第一人者Barthold Kuijken氏の演奏するヴィヴァルディのフルート協奏曲集です。普通はヴィヴァルディのフルート協奏曲集と言えば、「海の嵐」「五色ひわ」の収録された作品10番が有名ですが、こちらはTurinライブラリーで発見された作品集をあえてクイケン氏が演奏したものだそうです。作品10番ではフランス・ブリュッヘン氏率いる18世紀オーケストラかパトリック・ガロワ氏の録音が一番好きなのですが。。。。
この作品集をクイケン氏自らの解説に従えば、「………これらの作品はあまりにも率直というかオーソドックス過ぎて、「ヴィヴァルディは同じ曲を何百通りにも書き分けただけ」といった非難が当てはまるかもしれない。しかし、先入観を排して聞けば、これらの音楽にはベネチア特有の風情を伴った芸術を感じることができるだろう……彼はフルートの特性を知り尽くしている……これらの曲は新たなジャンルの誕生を意味する;クヴァンツ、ルクレール、CPEバッハ、シュタッミッツ、モーツァルトのコンチェルトを……」という風に記していますが、確かに協奏曲そのものは従来の彼の作品同様に短い楽章の間にソロ・パートと合奏を交互にはさんだ、いわゆるリトルネロ形式のもので、ヴィヴァルディの作品を聴き続けてきた人には目新しい部分はないと思います。しかし、それを補うかのようなクイケン氏のフラウト・トラヴェルソが自由に舞うような演奏はやはり見事です。ヴィヴァルディの協奏曲に共通するカラリとした明るさや自由自在な曲調を思う存分生かして、自然な響きでトラヴェルソを奏でているという印象があります。RV533は2本のフルートのための協奏曲なのですが、もう一人のソリストMarcello Gattiとまるで戯れるかのように、泳ぐかのようにソロ・パートを演奏されています。惜しむらくはクイケン氏の技巧に押されたのか、弦楽合奏がちょっと押しが弱く、全体の強弱のバランスが不明瞭になっているのが残念です。(ジャケット写真も何とかしてほしかった……(-。-) ボソッ。)
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不条理音盤委員会 110 スコット・ロス「スカルラッティ・ソナタ選集」
- 2005/06/07(Tue) -
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ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757)は、ナポリ学派の重鎮であったアレッサンドロ・スカルラッティ(1660-1725)の6男として生まれました。奇しくもこの1685年にはバッハ、ヘンデルも誕生しているのですが、その作品の殆どがドイツやフランスには伝わらないまま終わったために一般の方々にとっては知名度的には低いと思われます。ドメニコ・スカルラッティの業績としてはは器楽音楽、とくに鍵盤楽器の分野で大きな貢献を果たし、殆ど独力で鍵盤の演奏技法を編み出し、《近代的鍵盤楽器奏法の父》とも呼ばれています。彼の作品としては555曲にも及ぶチェンバロ・ソナタ集が知られていますが、彼自身はエッセルツィーチ Essercizi(練習曲)と呼んでいたこれらの小品は、スペイン王妃マリア・バルバラのチェンバロ教師としての職務の一環として作曲されたものと推定されています。1729年に出版した《チェンバロ練習曲集》の序文には「これらの作品のうちに深刻な動機でなく、技術的な工夫をこそ見て欲しい」と記しています。無論これはドメニコ・スカルラッティのチェンバロ奏者としての自負であって、その曲に示された曲のモチーフの多様性には目を見張るものがあります。
彼のソナタ集の演奏としてはピアノ盤は数知れずありますが、チェンバロで演奏されたものとしてはクリストフ・ルセ、トレヴァー・ピノック、ケネス・ギルバートのものが挙げられます。しかし、やはりドメニコ・スカルラッティのソナタ全曲を録音したスコット・ロスの演奏はスカルラッティの真髄を追及した名盤ではないかと思っています。ここで写真に挙げた音盤は彼の全曲録音からの選集なのですが、バロック音楽の演奏・解釈の第一人者として、学究肌のスコット・ロスがスカルラッテイの意図した躍動的なリズム感やアルペジオ・装飾音の自由な使用法、あるいはカスタネットを思わせる同一鍵盤の急速な連打、音程の大きな跳躍などの、バロック期にはあまり見られない非常に新しいテクニックをそのまま現代に再現させています。またスカルラッティがスペイン王家のチェンバロ教師だったということもあって、モチーフにイベリア半島という、強くアラブの影響を受けた土地の音楽、ボレロやファンダンゴ、セギディーリャといった、民族色の濃いスペイン・ポルトガル特有のリズムや旋律の影響があるのですが、その部分もロスは全体のバランスに配慮しつつ、スカルラッティの感性的な驚きをたくみに表現しています。ロスの演奏技術が高度なのは言うまでもありませんが、チェンバロという楽器上多少尖った音になってしまうという欠点すら彼は克服してしまったような、そんな優しい響きにあふれている一枚だと思います。
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不条理音盤委員会 55 テクラ・バダルジェフスカ 「乙女の祈り」
- 2005/03/12(Sat) -
この曲も誰もが一度は耳にしたことのあるピアノ曲だと思います。テクラ・バダルジェフスカ(1834 ~61)はポーランドの女流ピアニストで作曲家。サロン風のピアノ曲を書き、とくにワルシャワで出版された「乙女の祈り」は、 1859年パリの音楽雑誌で紹介されて以来、今日まで世界中で愛好されてきました。 27年という短い生涯の、 18才のときに彼女がこの曲を書いたということと、彼女がほかにも 34 曲のサロン風のピアノ曲を残している程度のことしかわかっていません。
MIDI音源の紹介のページでもよく取り上げられていますので、一例を。
http://www.interq.or.jp/classic/matui/midi/3_m_data/com_arr/3_badarz.html#vierge


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この曲が収められているCDはそれこそ星の数ほどあるのではないでしょうか?そんな中でも自分が持っているものとして神谷郁代さんの「エリーゼのために~ピアノ名曲の楽しみ」というCDを紹介します。このCDには「乙女の祈り」の他にも表題でもある「エリーゼのために」やショパンの「子犬のワルツ」「雨だれのプレリュード」「別れの曲」、シューマン「トロイメライ」といったなじみのある小品が収められています。神谷さんはなじみのあるメロディーを粒のそろったタッチで丁寧な響きをもたせる様に弾いていて、特に「トロイメライ」やリストの「愛の夢」での芳醇な音の響きは特に印象深い演奏だと思います。またシューベルトの「楽興の時」のように強弱に幅広い変化が与えて、,ニュアンスの濃淡が鮮やかに出している演奏も聴きものの一つでしょう。

ピアニストの小品集に関して一言だけ・・・・
こういった作品集にはよくバッハやヘンデルの曲、あるいはスカルラッティのソナタも入っているのですが(神谷さんも「調子のいい鍛冶屋」等を取り上げています)、本来オルガンあるいはチェンバロ用に作られた曲をピアノで演奏するとなるとどうも曲そのもののニュアンスが違ってくるような気がするのは片桐だけでしょうか???
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不条理音盤委員会 54 パッフェルベルのカノン
- 2005/03/11(Fri) -
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「カノン」とは“規則”を意味するギリシャ語を語源に持つ音楽用語で、主題が一定の規則に基づいて、始終厳格に模倣される対位法的楽曲を指します。ドイツ・バロックのオルガン音楽の発展の上で、バッハの先人として重要な位置にあるヨハン・パッフェルベル( 1653 ~ 1706 )の作曲した「カノン」は、カノンと言えばすぐさまこの曲を思い浮かべるほど有名で人気があります。誰でも一度は耳にしたことがある「カノン」なのですが、作曲者のパッフェルベルに関してはあまり知られていませんよね(笑)。彼はドイツの作曲家兼オルガニストで、ニュルンベルク、アルトドルフ、レーゲンスブルク等で音楽を学んだ後に、 1673年ウィーンのシュテファン大聖堂のオルガニストとなり、 78年エルフルトのプフレーガー教会のオルガニスト時代にバッハの親族と交流します。その後もドイツ各地の教会のオルガニストとして活動する一方で多くの曲を作っています。その作品はオルガン曲とチェンバロ曲を中心に、ミサや晩餐の音楽、モテットなどドイツ語とラテン語の宗教音楽に及びます。対位法的な書法に優れ、同時に和声的な美しさを備えた作風は、ブクステフーデのそれとともにバッハに多大な影響を与えました。パッフェルベルの作品としては、このヴァイオリンのための「3声のカノン」が特に有名です。同時出版された曲集に「前奏のための8つのコラール」、「アポロンのヘクサコード」などがありますが、現在では殆ど耳にする機会はありません。ドイツにおけるバッハ以前のもっとも優れた作曲家の一人に位置づけられています。

とういうわけで、これだけ有名な曲なので「バロック名曲集」「クラシック名曲集」といったCDには数多く収録されているわけですが、極めつけがこの「カノン100% パッヘルベルのカノンによる天然果汁の詰合わせ」と銘打たれた1枚。文字通り「カノン」だけです。バロック・オーケストラ、パイヤール指揮のオーケストラ版、カナディアン・ブラスによる演奏・・・富田勲によるシンセサイザー・アレンジまで多彩な「カノン」がこの1枚で楽しめます。

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更に驚くべきは上のCDに続編が出たということです(笑)。「カノン100% fiore」というこの企画盤の出現により、世間でいかに癒されたい人々が多いのかという証明にもなりそうです。ピアノ、ギター、ベース、パーカッション、ア・カペラ、オルガン、箏と尺八、ハンドベルなど、さまざまなアレンジはどれも聴きごたえがあるのですが、さすがに1枚聴き通すには厳しい面もありますけど……(-。-) ボソッ。珍しいものではジョージ・ウィンストンが1982年にウィンダム・ヒルに録音したアルバム「ディセンバー」から収録されたピアノ変奏ヴァージョンで、さすがに癒し系レーベルの総本山だけあるといった暖かみのあるピアノ演奏になっています。

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実はこのパッフェルベルのカノンだけを集めたCDは他にもあります(笑)。
1994年にBMGファンハウスから発売された上述の「カノン100% パッヘルベルのカノンによる天然果汁の詰合わせ」の売れ行きが好調なことに目をつけたユニバーサル・クラシックが1998年に発売したのが「パッヘルベルのカノン / オン・パレード」です。こちらは割とオーソドックスな演奏を集めていますが、それでも聴き比べるとこのシンプルな曲のそれぞれの解釈の差が歴然と浮かび上がってきます。イ・ムジチ合奏団はイタリアだけあって、この曲を明るく仕上げていますし、カール・ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団はさすがにドイツだけに厳粛なストリングの解釈で聴かせてくれます。このCDでは個人的にはクリストファー・ホグウッド指揮のエンシェント室内管弦楽団の格調高い演奏が気に入っています。バロックの協奏曲ではいつでも手堅い演奏を繰り広げてくれる彼らは、この小品でもバロックの香り高い落ち着いた演奏です。キワ物としては、スイングル・シンガーズ(懐かしいですね)のスキャットによるものと、イージー・リスニング(これまた死語に近い)のポール・モーリアの演奏も入っています。
で、片桐真央はこの3枚をしっかりと持っていますが、何はともあれ3枚続けて聴くとさすがに飽きます(爆)。
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不条理音盤委員会 53 山下和仁 「展覧会の絵」
- 2005/03/10(Thu) -
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3度目の「展覧会の絵」のレビューになります。相変わらず拙い文章&独断と偏見ですがどうぞお気を悪くしないでくださいませ。

山下和仁さんは日本を代表するクラシック・ギタリストです。最近はバッハの作品にも果敢に挑戦している山下氏が1981年、19歳の時にライブ録音したのが、この「展覧会の絵」です。ギター1本で弾くのはどうやっても不可能と思えるくらい複雑な楽曲を、半音移調しただけで、演奏自体は原曲にかなり忠実に従っている点がまず驚愕に値します。オーケストラ版以上に音の広がりを重視した演奏には高い技術と素晴らしいセンスが必要なのは言うまでもありませんが、山下氏は正確なピッキングとフィンガリングで多彩な音色を生み出すことによって、この曲にピアノともオーケストラとも異なった透明感を伴う独自の音響的な解釈を見出したと言えるでしょう。。
「ヴィドロ」での重々しい感覚や「カタコンブ」と「死せる言葉」での強い悲しみの表現はギターとは思えない荘厳さを伴っていますし、「古城」での音はオーケストラ版よりも叙情を強く感じます。また「バーバ・ヤーガ」でのすさまじいばかりの早い演奏が、「キエフの大門」に入った瞬間ゆっくりめの演奏にぱっと切り替わるところは白眉でしょう。
同時収録されたストラビンスキーの「火の鳥」でも驚異的なテクニックで奮闘しているのですが、さすがに原曲自体複雑な構成なので、ギターだけの演奏には限界があると思わざるを得ません(謝X20)。とはいっても、難問に対する積極的な姿勢にはただ頭が下がるだけです。

前にも述べましたが山下氏はバッハの「無伴奏チェロ組曲」「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ」も演奏しているのですが、実はこちらの方は??という感じです。技法の豊かさは十分に感じられるのですが、さすがにヴァイオリン系の音色の柔らかさにギターは及ばないという印象が強いですね。特に「無伴奏チェロ組曲」は自分はカザルスの演奏でなじんでいるだけに、どうしても弦の残響や表現のふくらみと言う点で弱さを感じざるを得ません。
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不条理音盤委員会 37 展覧会の絵 ピアノ版
- 2005/02/01(Tue) -

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ピアノ版ではこのウラジミール・アシュケナジーの演奏が好きです。超絶的な技巧は言うまでもありませんが、美しいタッチが全体を支配していて、曲におけるメリハリもごく自然です。かつ、フレーズとフレーズの間の取り方が絶妙。このため、余韻がよく響き、ピアノの音の魅力が十分に引き出されていると思います。カラヤンのオーケストラ版に匹敵するのでは?と個人的に思っているプロムナードの美しさは随一でしょう。
この盤では同時に彼が編曲したオーケストラ版も収録されているのですが、こちらの演奏はラヴェル編曲のものではなく、原典に近い形でロシア~スラブ風の部分を強調したものになっています。アシュケナージはこの曲を数回録音しているのですが、やはりロシア人としてのシンパシーなのでしょうか、この曲に対してかなりのこだわりを持っていると思います。ラヴェルのあまりにもラテン的なカラーに染まった編曲への反感なのかもしれませんが、スラブの粘りを持った響きが強調されています。乱暴なほどバーバリスティックな「ババヤガの小屋」、打楽器の乱打、金管絶叫調の「キエフの大門」の終結部など全体的にヒステリックといえるほどデフォルメされた編曲とオーケストレーションを聴くと、それまで美しいピアノを奏でていた彼の解釈とは信じがたいほど原色に近い感覚のアレンジとなっていて驚きを隠しえません。

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アルフレート・ブレンデルのピアノ演奏の特徴は透明感にあふれる澄んだ和音の響きというところでしょうか?ピアノという楽器の音の良さを全面的に引き出した演奏と、左右の手の奏でる旋律の交差や連携というテクニックにまず耳を惹かれます。独特の和音の多用が「展覧会の絵」という曲の特徴なのですが、ブレンデルはその和音の一音一音の強弱や長さを複雑に制御して実に深い妙味のある演奏にしています。アシュケナージのクール感漂う演奏とは一線を画した、温かみのある細やかで丁寧な仕上がりになっていると思います。
この時の音源では他にリストのピアノ曲を収めた盤とプレヴィン指揮/ウィーン・フィルのラヴェル管弦楽版がカップリングされている盤の2種類があります。自分が持っているのは後者ですが、このウィーン・フィルのオーケストラ版は可もなく不可もないという、あまり特徴もなく淡々とした演奏が続くものです。廉価版なので得した気分なのですが・・・・(笑)。

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いつもコメントを寄せていただくゆうけい(Bible Black)さんもお気に入りというロシア出身のキーシンの演奏は、ブレンデルやアシュケナージの若い頃の演奏と比較しても遜色ないという高い評価を受けています。微妙な表情をつけたピアノの音色と自信たっぷりのピアノ・タッチはまさに男性的であると言えましょう。ピアニシモからフォルティシモに至るまで自由自在に弾きこなす精密な演奏技巧とダイナミズムに裏付けられた的確な表現力はまさに21世紀の名盤と言えます。

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リヒテルのピアノ盤は早弾きで有名です。この盤に収められたソフィアのライブでは30分を切る早さです。確かにテクニックも音量もすごく、迫力は一番だと思うのですが、前半のミスタッチが多いのもまた特徴ですね(笑)。曲に対しての独自の解釈というものがあまり見られずに無造作に弾いてしまっているという面も見受けられますが、、「バーバ・ヤーガ」で繰り広げられる炸裂するような音の持続、続く「キエフの大門」での音の荘厳な響きの素晴らしさは、さすがのキーシンも及びません。テンションの高さだけなら
文句なしの一枚です。
同時収録のオーケストラ版はジュリーニ+シカゴ響です。派手さはないもののジワジワと盛り上がってくる引き締まったオーケストレーションは落ち着いた雰囲気で聴けます。木管楽器のさりげない使い方が曲全体の濃淡のイメージをはっきりと分離してくれないので、くすんだ印象になっていますが、それが逆に「古城」「ヴィドロ」では効果的だと思います。

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小川典子さんの「展覧会の絵」はムソルグスキーの自筆譜を元にしているらしいです。癖のない素直で丁寧な演奏、それでいてうまく感情を込めているという割とスタンダードな演奏に終始しています。
何はともあれ美人だから許す……(-。-) ボソッ。
当然の如くのジャケット買いです……(-。-) ボソッ。
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不条理音盤委員会 36 展覧会の絵 オーケストラ版
- 2005/01/30(Sun) -

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皆さんはどんな音楽の原体験があるのでしょうか?
原体験というと大げさですが子供の頃はどんな音楽を聴いていたのでしょうか?
自分の場合は小学校当時はクラシックばかり聴いていました。父親は音楽好きというわけではなかったのでしょうが、レコード棚には十数枚のレコードがあったのと、いつも日曜日の午前中にはNHK-FMを聴いていたのを思い出します。父の所蔵していたレコードはジャンルもバラバラで、マンボやタンゴ、ハワイアン等の廉価版ばかりでしたが、その中で子供の頃のMao.Katagiriが好きだったのが「展覧会の絵」です。無論オーケストラ版ではなく、富田勲アレンジのLPです。シンセサイザーで作り上げられた音の世界は今聴くとさすがにチープな印象は隠せませんが、改めて聴きなおすと、ヴォイスコーラスをうまく取り入れ、通常楽器の音色の制約を完全に逃れ、イメージがややコミカルに広がるアレンジになっていると思います。効果音風の音や配置され非常に楽しめる1枚になっていると思うのですが・・・・・

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それ以来「展覧会の絵」は結構買ってきたわけですが(笑)、やはり個人的に好きな演奏と言えば、このカラヤン指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団によるものです。冒頭のプロムナードのトランペットのフレーズをあえて抑え気味にしているのをはじめとして、「グノム」「古城」「チュイルリーの庭」といった管楽器がメインとなる曲で、管楽器をフロントに据えながらも、背後でストリングスがたくみに絡み合う、ちょっと官能的なイメージを全体に漂わせていると感じます。「キエフの門」でも他の演奏では仰々しく上昇していくパートを上品に静かに盛り上げていき、一気にスパークさせるといった解釈は見事だと感じました。一緒に収録されているラヴェルの「ボレロ」も、同様に打楽器の絡み方が非常にエロチックにさえ感じさせる出来栄えです(笑)。

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「展覧会の絵」の原曲はピアノ独奏曲なのですが、それをラヴェルがオーケストラ用に編曲したという事実はよく知られています。この曲をオーケストラ版で演奏する際には原曲者のムソルグスキーの視点で演奏したロシア・スタイルと、編曲者のラヴェル寄りのフランス・スタイルに二分されるらしいのです。
このエルンスト・アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団の演奏は典型的なフランス・スタイルの演奏とのことです。先のカラヤンの濃厚なオーケストレションとは異なって淡いパステル画のような演奏が展開されていきます。それが魅力でもあるのですが、逆に「リモージュの市場」「キエフの大門」では物足りなさも覚えてしまいます。それと打楽器群のばらつきと木管楽器が妙にフロントに出ているのが気になる部分でもあります。数あるオーケストラ版の中では手堅くまとめた1枚という印象です。

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ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏は全体的に派手というかゴージャスな演奏になっています。ラヴェルの編曲に更に楽器を増員したり、オーケストレーションを追加したりしているという面も含めて、ある意味でかなりポップな1枚です。ストリングの低音部分をわざと強調して、その上を金管楽器が飛び交うというスタイルはいかにもアメリカらしいオーケストレーションなのかもしれません。その分色彩豊かで華麗な部分もありますが、オーマンディの意向なのでしょうか案外強弱の落差が少ないので、一本調子に聞こえてしまう面も少なくありません。本来描写的な遠近法を必要とする「ヴィドロ」で、その強弱が表現されていないというのはある意味致命的かもしれません。カラヤンの濃厚さとは違った芳醇でゆとりを感じさせる演奏となっていますが、個人的にはちょっと上滑りのような気もします。
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